簡単激とれ
蚊
ホイホイ
第995回 2009年7月25日
夏本番!海に山に楽しみがいっぱいですが、
蚊
に刺されたかゆみはそんな気分を台無しにしますよね。そこで今回は、究極の蚊除け対策に科学の力で迫ります。
蚊を撃退するものといえば、蚊取り線香。煙に含まれるピレスロイドという成分が蚊の神経を麻痺させ退治してくれます。矢野さんが試しに竹やぶで足下に蚊取り線香を置いてじっと座っていると、わずか5分で4か所も刺されてしまいました。蚊取り線香は、室内では強い効果を発揮しますが、屋外では風の影響などで効き目が弱ってしまうようです。そこで、
屋外の蚊を一か所に集めて被害を避ける「蚊取りホイホイ」を提案!
まずは専門家の案内で、蚊が大量に集まるという水田へ。そこで矢野さんは蚊柱を発見し網で捕獲しましたが、捕れたのは血を吸わないオスだけでした。実は
蚊柱とはオスが集団となってより大きな羽音を出し、メスにアピールするためのもの。
蚊柱に誘い込まれたメスが気に入ったオスと交尾を行うのです。そこで、8畳の大きさの蚊帳の中にメスの蚊30匹を放し、
スピーカーから蚊柱とほぼ同じ大きさの、オスの蚊の羽音を流してみると…10分後スピーカーの付近に、10匹のメスの蚊が集まったのです。
これは蚊を寄せる武器になりそう!と喜んだのも束の間、
日本に生息する人を刺す代表的な9種類の蚊のうち、蚊柱を作るのはわずか3種類だけ。
全ての蚊に通用しないので、作戦変更です。
日本に生息する、人を刺す代表的な9種類の蚊のうち、蚊柱を作るのは3種類だけなのだ!
ところで、一体人はどの状態の時に最も蚊を集めるのでしょうか?そこで
「蚊刺されダービー」を開催!
ビールを飲んだ人、30分入浴した人、30分のジョギングをした人、そして特に何もしない4人が入った蚊帳の中に50匹の蚊を放ち、5分間で誰が一番刺されるか実験です。
結果は、4位は何もしていない人の3か所。3位は入浴後の6か所、2位は運動後の8か所、
1位は飲酒後で、なんと10か所も刺されてしまいました。
まずは入浴後に刺されやすくなった理由を検証します。男性の右腕をお湯で温め、左腕を氷水で冷やした後、両腕を同時に10匹の蚊がいるボックスの中に入れてみます。すると5分後、なんと
冷やした左腕は全く刺されなかったのに対し右腕は4か所も刺されたのです。
実は、これ、蚊が人間の体温によって起こる上昇気流を感知し、皮膚に近づくため。入浴後は体温が通常より高く、より強い上昇気流が起きるので、蚊に気づかれやすいのです。
続いては運動後です。男性に10分間、腕立て伏せをしてもらい、たっぷり汗をかいたところで左腕だけキレイに汗を拭き取って、蚊が10匹いるボックスに両腕を入れてみると…
汗が残る右腕は5か所刺されましたが、汗をふいた左腕は1か所だけしか刺されなかったのです。実は、蚊は汗に含まれる乳酸などの匂いを嗅ぎつけ、人間に近づいてくるのです。
そして、飲酒後に蚊が集まってくる理由をこんな実験で検証します。ビールを飲んだ人と、全く飲んでいない人に透明の筒の両端から息を吐いてもらい、その筒の中央から蚊を10匹入れてみると…なんと
10匹中8匹の蚊が飲酒後の口元に集まったのです。
2人の息に含まれる二酸化炭素量を比べてみると、飲酒後の人はおよそ2倍。実は、蚊は体内でアルコールが分解される際に発生する大量の二酸化炭素を感知し集まるのです。体温、汗、二酸化炭素、これこそが蚊が集まりやすい三大条件なのです。
蚊を近づけやすい三大要素は体温、汗、二酸化炭素。この三つの条件が重なる飲酒後の人は、最も蚊を寄せつけやすいのだ!
そして、この三つの要素を利用し、蚊を集める装置を作ってみました。蚊取り線香を入れる蚊取り豚に、溶けて気体になると大量の二酸化炭素を発生させるドライアイスを入れ、全体をカイロでコーティングして大きな上昇気流を作ります。さらにスタッフが1週間使い続け、汗の匂いがたっぷり染み込んだタオルで覆い、完璧な蚊取りホイホイの完成!
早速スタッフが竹やぶで足の間に蚊取りホイホイを置いて30分座り続けた結果、刺されたのはたったの1か所!結果は大成功でした!
さて、佐藤アナがなんと
蚊の被害に全く遭わないという、蚊の研究の権威、栗原先生の元を尋ねました。
なんと先生は、蚊に刺されても全くかゆくならないんだとか。そこで10匹の蚊が入ったボックスに2人で腕を入れ、検証してみました。2人の腕はたっぷり刺され、佐藤アナの腕は刺された部分が赤く膨れました。が、しかし先生の腕には何の跡もなかったのです!ならばと、蚊を20匹に増やし、先生だけ再度挑戦。しかし、今度は7か所以上刺されたのに、相変わらず跡が出ません。
実は先生、刺され続けているので反応しなくなったそうなのです。
蚊に刺されて皮膚が腫れてかゆくなるのは、刺される時に入る蚊の唾液を体が異物と感じることによって起こるアレルギー反応によるものです。しかし、
先生のように毎年何百回と刺され続けていると蚊の唾液に対する耐性ができて異物と感じなくなるため、かゆみや腫れが起こらなくなるのです。
でも、蚊への耐性ができるのは、刺され続けた蚊の種類に対してのみ。そもそも蚊はいろんな伝染病を媒介するので、刺され続けるという究極の蚊対策法はおススメできません。