知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


インド人が カレー 断ち
第1044回 2010年7月24日


 今年も来ました、夏休み海外特集!今年特集するのは、近年著しい経済発展を続ける、今や世界を動かす神秘の国・インド!そこで今回は、インドの人達を支えるソウルフード、「カレー」の秘密をあらゆる角度で検証します!

 多くの人で賑わうインドの首都デリーを訪れた矢野さんは、皆さんが一体どれほどの割合でカレーを食べているのか、夕食の時間帯に家庭へ突撃しました。まずは3世帯が同居する家に突撃!すると、豆やマンゴー、ピーマンなど、3種類のおかず全てがカレーでした。この後も次々とインドの家庭を突撃しましたが、なんとそのカレー率は10軒中10軒の100%!さらに、IT産業で働くサラリーマン達のランチも、マクドナルドのハンバーガーもすべてカレー味。つまり、総人口10億人が毎日3食カレーを食べているのです。でも、毎食カレーで飽きないのでしょうか?街で聞いてみると…皆さん、口を揃えて飽きるわけがないと答えます。そこで、こんな実験!インドの人気レストランで、見た目は全く同じ3つのカレーを作り、お客さんに食べ比べてもらいます。まずは日本人観光客の方に試してもらうと、3つ全て一緒に感じるという答え。続いて、インド人にも食べ比べてもらうと、3種類とも全く違うと答えたのです。実はこの3つのカレーにはそれぞれ3種類ずつ違うスパイスが使われていたのです。ならばと、カレーによく使われる16種類のスパイスを書いたパネルを用意し、使われていると思うスパイスのパネルをそれぞれのカレーに貼ってもらいます。すると…参加した5人全員が悩むことなく次々と選び、あっさりと全部正解!理由を伺うと、スパイスが違うと味や香りが全部違い、別の料理になるというのです。実は、インドには300種類以上のスパイスがあり、ほぼ全ての料理に、各家庭で自由にスパイスを加えます。だから、そもそもインドにはカレーという料理がありません!一説によると、カレーの名が広まったのは「香りのある美味しいもの」を意味する“ターカリー”という言葉を、外国人が勘違いして、スパイスたっぷりのインド料理をカレーと呼んだためと考えられています。

所さんのポイント
ポイント1
インド料理はスパイスの違いで味や香りが全部異なる別の料理になるため、そもそもインドにはカレーという料理がないのだ!

 では、もしインド人がカレーを食べないとどうなってしまうのでしょう?そこでインド人サラリーマン、アショクさんの協力で実験です。お母さんにお願いし3日間の食事を全てスパイス無しで作ってもらい、カレー禁止生活の様子を定点カメラで観察します。まずは病院で健康状態をチェック。さらにストレス検査や握力測定、計算力試験なども行い実験前のデータを採取。そして、午前10時実験スタート!まず、お昼のメニューは豆を牛乳と塩で茹でたもので、もちろんスパイスは無し。するとアショクさんは「まずい!」と悲鳴。そして夕飯時、お父さんのメニューはカレーですが、アショクさんはヨーグルトとご飯。食卓では全く会話が弾みません。2日目の朝食も、昼食のお弁当にもスパイスは無し。夕食時も相変わらず無言…。そしていよいよ3日目の朝。アショクさんは完全に元気を失った様子。朝食を食べる元気もなく、残してしまいました。そして午前10時、実験終了!感想を伺うと、カレーを止めてから便秘になり、体に力が入らず集中力も落ちたというのです。インド人はカレーを食べないと体調が悪くなるそこで、検査をしてみると、実験前のストレス値は約14倍も上昇。さらに47キロあった握力も38キロと激減。そして、得意の計算も実験前より軽く1分以上オーバーし点数も下がってしまいました。実験を監修した先生に理由を伺うと、彼は幼い頃からスパイス入りカレーを食べ続けていたが、急にスパイスがなくなり体の機能が低下したと考えられるそうです。インド人はカレーを食べないと体調が悪くなるということが判明しました!
 実は、スパイスは全て漢方薬と同じ効用を持っています。例えばコリアンダーシードは便秘に効くスパイス。つまりカレーは薬のようなもので、アショクさんはカレー禁止生活で体調が悪くなってしまったのです。

 さて、インドでは手で食べる手食が普通の食事法。でもなぜ手で食べるのでしょう?理由はスプーンで食べるよりも手で食べた方が美味しいからだといいます。そこで日本のバイキングで大実験!Aのカレーは一口大のご飯を手で持ちカレーをつけて食べてもらい、Bは通常通りスプーンで食べてもらいます。手食して笑顔の所さんそしてお客さんには同じカレーである事を知らせずに食べ比べてもらい、どちらのカレーが美味しいか選んでもらいます。すると…同じカレーなのに、なんと30人中28人が手食のカレーの方が美味しいと答えたのです!この理由を専門家に伺うと、人間は味だけではなく、いい匂いや綺麗な見た目、さらに音などで食べ物をより美味しく感じ、手食では食材の温度や感触が脳に伝わり、情報量が増え、より美味しく感じるそうです。スタジオで手食カレーを試食した所さんも、その美味しさを実感していました。

所さんのポイント
ポイント2
手を使って食べると、食材の温度や感触が脳に伝わり、より美味しく感じるのだ!




夏休み特集編へ食べ物編へ人間科学編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧