悪臭退治!!
冬のブーツ
第1059回 2010年11月20日
いよいよ冬本番。おしゃれな女の子たちにとっては
ウィンターファッション
も楽しめる季節。そこで今回は、冬に欠かせないファッションアイテムを科学します。
冬のマストアイテムといえば、ブーツ!でも気になるのが、そのニオイですよね。そこでこんな実験!オシャレなOL2名とオジサンサラリーマン2名の同僚4名でブーツVS革靴のニオイ対決です。
用意した新品のブーツと革靴を事前にニオイセンサーで測定すると、100前後とほぼ同じ数値。
4人には3日間、朝家を出てから夜帰宅するまでこの同じ靴を履き続けてもらいます。そして3日目の夜8時、再び集合して運命の計測!すると…革靴は119と156に上昇。ところが、女子のブーツは、377と442という驚異の数値で、オジサンの革靴の圧勝でした!
なぜこんなにもブーツは臭くなるのでしょう?専門家によると、ブーツは気密性が高く、菌が繁殖しやすいためだと言います。試しに、煙の出る装置をブーツの先端に開けた小さな穴から差し込み、履いた状態で中に煙を送り込んでみます。すると、ブーツの開口部からは煙が全く出てこないほどの密閉ぶり。一方、革靴は気密性が低いので大量の煙が出てきました。さらに、ブーツと革靴を共に10分間履き続けてから中の湿度を測ってみると、革靴は66%だったのに対し、ブーツの中は90%以上と、まさに温室状態。そのため、ニオイの元となる雑菌が大量に繁殖してしまうのです。しかも女性は汗を吸わないストッキングなどを履くことが多いので、靴下のサラリーマンよりブーツに汗が染み込みやすいんだそうです。
そうなると、気になるのはブーツのニオイの消し方ですよね?街では、10円玉でニオイを消せるという声が聞かれましたが、果たして本当なのか実験で確かめてみることに。
ニオイ数値420のブーツの片方に、中が一杯になるまで2000枚の10円玉を詰め、もう片方には消臭スプレーをかけ、12時間放置します。そして12時間後…消臭スプレーの方は321とかなり減りましたが、10円玉を詰めた方は、さらにニオイが減り251に!
専門家によると、銅には菌の発育を抑える力があるというのです。試しに、シャーレに足のニオイの原因の1つとなる黄色ブドウ球菌を塗り、その上に10円玉を置いて、丸一日培養してみると、10円玉の周りには確かに菌が少なく、10円玉の下は菌が全く繁殖していなかったのです。実は、
10円玉が触れている部分からは銅イオンが発生し、これが菌の活動を弱め繁殖を防ぎます。だから、10円玉が触れている部分だけはニオイを抑えることができるのです。
ブーツに10円玉を大量に入れると消臭効果があった!銅には触れた部分の雑菌の繁殖を抑える効果があるのだ!
お次は、こちらも冬に欠かせないセーター。でも、なぜ暖かいんでしょう?そこで実験!3人の水着ギャルに気温10℃に設定した人工気象室に入ってもらい、体温の変化を観察します。水着でじっとしたまま体を冷やしてもらい、体表面温度が30℃前後まで下がったところで実験開始!比較のため、まずは綿のシャツで実験。15分後、シャツを脱いでもらいサーモグラフィーで見てみると、わずかに体温が上がったようです。そして、もう一度体を冷やして、カシミヤ100%のセーターで実験です。すると、15分後…今回はハッキリと体温が上がり、実際に温度計で胸の温度を測ると平均3.2℃も上昇していました。専門家によると、なんと天然繊維の多くは、水分を吸うと発熱するというのです。そこで、カシミヤ、綿、化学繊維をそれぞれ約20℃の水が入ったビーカーの上に置き、水分を吸わせて、サーモグラフィーで見てみます。すると、吸湿率ほぼ0%の化学繊維はほとんど発熱していないのに対し、吸湿率14.6%のカシミヤはかなり発熱しているのが分かりました。実は
空気中の水の分子は激しく動いていて、運動エネルギーを持ち、天然繊維にぶつかって吸収されると、熱エネルギーに変わって発熱するのです。さらに、セーターは隙間があることで空気の層ができやすく保温性も高いのです。
もう1つの冬ファッションの必需品と言えばマフラー。そこで、首にぐるっと巻いて後ろにたらす定番の「2重巻き」、2つ折にしてできた輪に片方を通す「ワンループ巻き」、ネクタイのように巻いて前にたらす「ネクタイ巻き」の3つのうち、どれが一番暖かい巻き方なのか検証します。
冷え性に悩む女子3人に気温13℃の部屋で10分間手足を冷やしてもらい、それぞれ3種類の巻き方でマフラーを装着。暖かいと感じたら、挙手してもらいます。すると真っ先に手を上げたのが、ワンループ巻きの女子。サーモグラフィーでも、足先と手の平の温度が上昇していました。同じ3人で巻き方を変えて再度実験しても、ワンループ巻きが一番暖かくなったのです。
この違いは、首の周りに重なる生地の枚数の差にありました。ワンループ巻きは4重になり、他の巻き方は2重です。さらに、ネクタイ巻きは前に隙間ができ熱が逃げてしまうのです。つまり、マフラーを暖かく巻くコツは、首の周りになるべく多く巻いて隙間を作らないことなんです。
暖かいマフラーの巻き方は、首の周りに生地が4枚重なる、2つ折にしてできた輪っかに片方を通す「ワンループ巻き」がオススメ!