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新春ぜよ!拡大ばい!
お国言葉だがね!大解剖でんがなSP

第1065回 2011年1月8日


 ついに2011年が幕開け!年末年始に帰省した方も多いはず。でも、なぜか故郷では方言に戻ってしまいますよね。そこで今回は、大阪出身の岡田圭右(ますだおかだ)さん、岩手県出身の山川恵理佳さんをゲストに迎え、誰もが疑問に思う、お国言葉の疑問を解明します!

 まずは方言と共通語の違いを探るため、こんな実験!新橋で通勤前のサラリーマン10人に女性2人が「写真を撮ってください」といろんな方言でお願いしてみます。まずは、比較のため共通語でお願いすると…朝の忙しい時間帯なのもあってか、写真を撮ってくれたのは10人中2人だけでした。ところが、「写真こ撮ってけろじゃ」と津軽弁でチャレンジしてみると…なんと10人中9人もの人が応じてくれました!さらに関西弁では10人中7人、博多弁では10人中8人と、方言のほうが圧倒的に多くの人が写真を撮ってくれたのです。この理由は、方言を耳にした時の違和感で、思わず立ち止まってしまい、結果多くの人が撮ってくれたと考えられます。

 さて、地方から東京に出てきた方々は、故郷に帰ったり、電話で地元の人と話したりすると、なぜかすぐに方言に戻ってしまいますよね。そこで、街頭でこんな実験!地方出身者の方に、地元の知り合いに電話して、方言を使わずに3分間会話してもらいます。そして、会話の中で何回方言が出たのかをカウント。判定するのは、国語学者の金田一秀穂先生です。すると…皆さん必死にこらえるものの、ついつい相手につられ、イントネーションが元に戻ったり、地元の言葉が飛び出してしまい、10人中9人が失敗。この理由を金田一先生に伺うと、方言には、共通語には表せない部分があるためだと言います。そこで、さらにこんな実験!「花さかじいさん」の悲しい場面を、共通語と方言で朗読したテープを、日本語がわからない外国人の方に聴いてもらい、どんなシーンだと感じたか、泣き、笑い、怒り、無表情の4つの札から選んで上げてもらいます。すると…皆さん共通語では無表情の札を上げましたが、関西弁、津軽弁、熊本弁の朗読を聴くと、「怒り」や「笑い」の札が上がり、結果、21人全員が何かしらの感情を読み取ったのです。一体なぜでしょう?再び金田一先生に尋ねると、共通語は文字言葉なので感情が表れにくいのに対し、方言は話し言葉なので、気持ちが乗り、感情が伝わりやすいのだそうです。

所さんのポイント
ポイント1
共通語は、書き言葉だが、方言は会話で使う言葉なので、気持ちが乗りやすく、より感情が伝わりやすいのだ!

4人で会話実験「結婚するんちゃうの?」  さて、地方出身の方を話していると、いつのまにか方言がうつってしまうことってありますよね。そこで、どの方言が一番うつりやすいのか、実験で確かめてみます。共通語しか話せない3人の若者に、秋田弁、博多弁、関西弁の若者を加え、それぞれ30分ずつ、4人で会話してもらい、何回うつったかを金田一先生にカウントしてもらいます。すると…秋田弁と博多弁は30分間でほとんどうつらなかったのに、関西弁の若者が加わった途端、3人は次々と関西弁を連発!30分間で14回も飛び出し、関西弁だけがうつりやすいという結果になりました。

 ところで、関西出身の方は、東京に長く住んでも関西弁のままという人が多いですよね。そこでこんな実験!東京在住10年以上の関西人の方10人に、しゃもじを見せて、どう発音するか確かめてみます。すると、共通語では平たい発音ですが、関西人の方は、10人全員が「しゃじ」と、もにアクセントを付けて答えました。
「カマキリ」を発音する岡田さん  さらにスタジオで岡田さんに、「あずき」、「カマキリ」、「1〜10」を読んでもらうアクセントクイズを出題すると、全て共通語とは違うアクセントで答えたのです。
 一体なぜ関西弁はうつりやすく、直りにくいのでしょう?その理由を探るため、共通語、関西弁、津軽弁、熊本弁を話す4人に同じ文章を朗読してもらい、その音声を専門家に分析してもらいます。4つの音声を、音の高さがわかるグラフで比較してみると…関西弁だけ、上下する幅が圧倒的に大きい事がわかりました。つまり、関西弁は音の高低差が激しい特殊な方言だったのです。だからこそ、影響力も強く、他の人にもうつってしまうようです。

所さんのポイント
ポイント2
関西弁は、発音の高低差が激しい独特の方言なので、直りにくく、他の人にもうつりやすいのだ!




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