なぜ三角形！？
おにぎり
第1098回 2011年9月17日
秋の行楽シーズン！旅行やピクニックに欠かせないものといえば…
おにぎり。
そこで今回は、街で聞いた、おにぎりに関する疑問を科学で解明します！
①おにぎりは腐りにくいって本当？
公園で、ランチ中のご家族を調べたところ、弁当箱にご飯を詰める派よりも、おにぎり派が圧倒的多数！おにぎり派の皆さんに理由を伺うと、「腐りにくいから」と口を揃えます。そこで、
「塩なしのご飯」、「具なしの塩おにぎり」、「同じ」の３つの選択肢から、腐りにくいと思うものを選んでもらうと…３０人中２３人が塩おにぎりを選択。ほとんどの方が、「塩に殺菌効果があるから」と回答したのです。
そこで実験！調理学校の校長先生に、入念に手を洗ってもらい、まずは比較のため、炊き立てのご飯を弁当箱に詰めてもらいます。
そしていよいよ、おにぎり。本来はひとつまみ（およそ０．５ｇ）の塩を使うのが基本ですが、弁当箱と同じご飯で、
今回は特別に２倍の、１ｇの塩を入れて握ってもらいました。そして、それぞれを、空気穴の開いた透明の容器に入れ、室温約３０℃、湿度約６０％の部屋に放置して観察を続けると…丸３日後に、おにぎりだけが、海苔を巻いたようにカビで真っ黒になってしまったのです。
スタジオには、放置して５日目の、弁当箱に詰めたごはんとおにぎりが登場。弁当箱のご飯は白いままなのに、おにぎりのあまりの黒さに所さんは仰天！
そこでさらに実験！今度は「塩あり」と「塩なし」の２つのおにぎりを作り、同じように観察すると…２日目にはどちらも黒くなってしまいました。そこで、塩の殺菌効果について専門家に伺うと…
「おにぎりに使う程度の塩では、カビや雑菌に対する殺菌効果は全くない」とバッサリ！実は、塩に殺菌効果がないわけではないのですが、普通に食べられる程度の濃度ではほぼ意味がないそうです。
そして、おにぎりが腐りやすい原因を専門家に伺うと…「素手で握るから」とのこと。そこで今度は、
ラップを使って、手に触れずに握ったおにぎりと、普通に握ったおにぎりを、同じく放置して観察すると…３日目には手で握ったおにぎりは黒くなったのに、ラップを使ったおにぎりは白いままでした。専門家によると、「いくら手を洗っても、爪の中や、しわの内部に落ちきらない雑菌が残ってしまうから」だそうです。
つまり、手を洗っても長持ち効果はほとんどなし。ラップを使って握るのがオススメ。しかし、白いままでも、時間が経ったおにぎりを食べるのは危険なので、なるべく早く食べましょう。
手を洗っても雑菌は完全に落ちず、家庭レベルの塩分では殺菌効果はほとんどなし！おにぎりはラップを使って握るのがオススメ！
②おにぎりはなぜ三角形なの？
街行く３０人の方々に尋ねたところ、２７人もの人が三角形に握ると回答。さらに、多くの方が、三角形が握りやすいと言います。そこでこんな実験！フランス人、ベルギー人、オーストラリア人２人、計４人の、
日本に来て間もない外国人の方に、予備知識なしでおにぎりを握ってもらいました。すると…オーストラリア人の方１人だけが四角く握ったものの、残りの３人は丸く握りました。つまり、三角形に握った人は１人もいなかったのです！
この理由を専門家に伺うと…「手の構造上、ご飯を握ると丸くなるのが自然で、意識して手の形を変えないと三角形には握れない」のだそうです。
では、なぜ握りにくいのに、おにぎりは三角形なのでしょう？先ほどの４人の外国人の方に、「丸」と「三角」のおにぎりを食べ比べてもらいました。すると、初めて食べる三角形のおにぎりは、いとも簡単に完食できたのに、丸いおにぎりを食べてもらうと、形が崩れて、床に落としてしまうなど、皆さん大慌て！つまり、
おにぎりが三角形なのは、握りやすさではなく、食べやすい形だったからなのです。
③おにぎりはたくさん食べられる？
おにぎりは、なぜか普通のご飯よりもつい食べ過ぎてしまうというイメージですよね。そこで、実際に実験で検証！どちらも１００ｇの、ご飯一杯と、塩なしおにぎり１個を大量に用意。そして、
４人の男性を「ご飯チーム」と「おにぎりチーム」に分け、限界まで食べてもらい、最も多く食べた人には金一封を贈呈すると伝えます。さらに、おかずとして用意した１００ｇの鮭も完食してもらいます。そして実験スタート！その結果…おにぎりチームはそれぞれ１１個と８個、ご飯チームは７杯と６杯でギブアップ。おにぎりチームの圧勝でした。
しかし、たまたまおにぎりチームの２人が大食いだったのかも知れません。そこで翌日、「ご飯チーム」と「おにぎりチーム」を入れ替えて再び実験！すると…おにぎりチームは１０個と９個、ご飯チームは９杯と６杯でギブアップ。またしてもおにぎりチームの勝利！さらに２日間の結果をまとめると、４人全員が、おにぎりを食べた時の方が、２つ以上多く食べていたのです。この理由を専門家に伺うと…
「おにぎりは手で持って食べるため、食べる時間が短くなり、満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまう」そうです。実際に、先ほどの実験で１つ当たりを食べる時間を計算してみると、ご飯の平均２分４１秒に対し、おにぎりは平均１分５４秒と、およそ３分の２の時間で食べていたのです。
さらに、手で食べるとより美味しく感じる効果も、よりたくさん食べられる秘密なのかもしれません。
おにぎりは手を使い、早く食べられるため、脳が満腹感を感じる前にたくさん食べ過ぎてしまうのだ！
そしていよいよ、おにぎり。本来はひとつまみ（およそ０．５ｇ）の塩を使うのが基本ですが、弁当箱と同じご飯で、今回は特別に２倍の、１ｇの塩を入れて握ってもらいました。そして、それぞれを、空気穴の開いた透明の容器に入れ、室温約３０℃、湿度約６０％の部屋に放置して観察を続けると…丸３日後に、おにぎりだけが、海苔を巻いたようにカビで真っ黒になってしまったのです。スタジオには、放置して５日目の、弁当箱に詰めたごはんとおにぎりが登場。弁当箱のご飯は白いままなのに、おにぎりのあまりの黒さに所さんは仰天！
この理由を専門家に伺うと…「手の構造上、ご飯を握ると丸くなるのが自然で、意識して手の形を変えないと三角形には握れない」のだそうです。では、なぜ握りにくいのに、おにぎりは三角形なのでしょう？先ほどの４人の外国人の方に、「丸」と「三角」のおにぎりを食べ比べてもらいました。すると、初めて食べる三角形のおにぎりは、いとも簡単に完食できたのに、丸いおにぎりを食べてもらうと、形が崩れて、床に落としてしまうなど、皆さん大慌て！つまり、おにぎりが三角形なのは、握りやすさではなく、食べやすい形だったからなのです。
