朝
の科学
第1172回 2013年4月7日
所さんの目がテンが、日曜あさ7時に帰ってきました!
そこで今回のテーマは「朝」。朝から精力的に活動して時間を有意義に過ごす「朝活」ブーム!色々な事を朝にやると効果的なのか実験。
本日の目がテンは、パッと目覚めて良い一日を!「朝」にまつわる疑問を科学で解明します。
①パッと起きる目覚まし法を徹底調査!
②「夜合コンVS朝合コン」女性の評価に変化はあるのか?
③ボリューム朝食は体にどんな影響をもたらすのか?
①パッと起きる目覚まし法を徹底調査!
朝、目覚まし時計じゃなかなか起きられないという人が多いようです。
そこで、すぐに起きられる目覚まし法はないのか、徹底調査!
まずは、普段かなり寝起きが悪いという男性・深江さんに協力してもらい、どれほど悪いのか、日常を見てみると・・・5分ごとに違う音色のアラームを仕掛けていますが、すぐに止めてしまい、結局、布団を出るまでに20分もかかりました。こんな人でも、すぐに起きられる目覚まし方はないのか。音響研究の専門家に聞いてみると・・・「寝ている状態なので、耳の感度が鋭い3000〜5000Hzの音がいい」という。さらに音のテンポに関して、「覚醒時の心拍数。1分間に100前後のテンポのものを選ぶと起きやすいのでは」との見解。
そこで、この3000Hzを多く含み、1分間に100前後のテンポ。
この条件を満たしている曲を先生と一緒に発掘すると・・・選び出したのは、この3曲!
1曲目:「Bee Gees/ステイン・アライブ」
2曲目:「モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
3曲目:「和田アキ子/あの鐘を鳴らすのはあなた」
この3曲で、寝起きが悪い深江さんがすぐに起きられるのか!?
耳に届く音量を、通常の目覚まし時計に近い60デシベルに設定。被験者には脳波計を付けてもらい、寝ているか、起きているかを確認するため、脳波の専門家に立ち会って頂きます。 見るのは、起きている時に出るアルファ波。起きている時は、グラフが大きく波打ちますが、寝ている時は、ほとんど平たいまま。この動きで、起きているか寝ているかを判定します。携帯のアラームで、いつも深江さんが起きるまでにかかる「20分」を制限時間とし、それより早く起きられるかを実験してみると・・・
まずは1曲目「Bee Gees/ステイン・アライブ」。
5分10秒を過ぎたところで起き上がりましたが、脳波はまだ沈静。その後、再びベッドにドサリと倒れこむと、そのはずみで脳波計が外れ計測不能に。そして曲がかかる中、20分を超えタイムアップ。
翌日は2曲目:「モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。
相変わらず、曲が流れてもピクリとも動かず、結局、一度も起き上がることなく、20分経過でタイムアップ。
そして、3日目は「和田アキ子/あの鐘を鳴らすのはあなた」。
曲がかかっても、やはりピクリともしませんでしたが、サビへ突入すると、突然脳波が大きく反応。脳波を見ると、今度はしっかり覚醒!結局、起きるまでにかかった時間は、7分34秒!いつもの半分以下の時間です。
では、なぜこの曲が1番早く起きられたのか、眠りの専門医に伺うと、「歌い出しからサビにかけてどんどんテンポが上がっていき、テンポが変化すると目覚めやすくなる。外から聞こえてくる音は中脳を刺激して大脳を起こす作用がある」という。
そしてもうひとつ。「曲に日本語がついていること。その曲に意味があると、大脳に働いてドーパミンという覚醒物質が出て、より目覚めやすくなる」。
「あの鐘を鳴らすのはあなた」で早く起きた理由は、テンポの変化が中脳を刺激し、さらに日本語の歌詞が大脳を刺激したため、目覚めやすくなったのだ!
②「夜合コンVS朝合コン」女性の評価に変化はあるのか?
最近巷では、「朝の異業種交流会」や「朝食会」など、朝に人と交流するのが流行っているんです。では、男女の出会い「合コン」を朝に開くとどうなるのでしょう?合コンは本当に「夜」のほうがいいのか検証!
夕方6時。都内の居酒屋に集まり、まずは4対4で「夜合コン」。
お酒の影響がないよう、今回はノンアルコールで実施。そして2時間後。女性陣を1人ずつ呼び出し、100点満点で男性陣の採点をしてもらったところ、平均64.25点。
そして朝8時。男性陣は同じで、女性陣だけ新しく入れ替わります。こちらもアルコールなしで、「朝合コン」を実施すると・・・2時間後。朝合コンチームの、男性に対する平均点は67.06点と、夜合コンチームの64.25点より少し高いものの、ほとんど変わらないという結果に。
さらに、この実験にはまだ驚きの発見が!2日後。合コンをやったメンバーにランチタイムに再び会ってもらい、改めて評価の採点をしてもらったところ・・・朝合コンチームの評価は67.50点と、2日前とほぼ同じだったのに対し、夜合コンチームの評価は61.13点と2日前より下がっていたんです。
これは果たして、朝と夜の違いが理由なのか?脳科学の専門家に伺うと、「朝起きて、夜眠るという生活を送っている人は、朝の方が判断力に関係する前頭葉や頭頂葉が働きやすくなる傾向がある。朝の方が的確な判断ができ、逆に夜の方が判断力が鈍る。結果、昼改めて会うと評価が落ちる」。
的確な「人の評価」を行うためには、夜よりも朝の方が的確な判断がしやすいのだ!
③ボリューム朝食は体にどんな影響をもたらすのか?
最近話題のボリューム朝食。でも朝から食べて大丈夫?
栄養学の専門家にたずねてみると、「朝、お肉を食べると、体温を上げて、体の活力を高める」という。そこで、朝からステーキを食べると、体にどんな影響が表れるのか実験!
とある大学のカヌー部の合宿所にお邪魔して、朝からステーキを食べてもらいます。朝6時起床。学生さん2人には、焼き鮭・厚焼き玉子・白米・野菜のみそ汁という定番の和定食を食べてもらいます。
もう一方の2人には、サーロインステーキ130gの朝ステーキセット!ただし、和定食とカロリーは同じに揃えています。
そして食後。すぐに、サーモグラフィで体表面温度を計測すると・・・和定食を食べた2人は、食後すぐは温かい事を示す赤い部分が多いですが、3時間経つと、青い部分が多くなってしまいました。
続いて、ステーキを食べたチームを見てみると、直後はやはり体全体が温かくなり、3時間経っても、緑色の部分が多くほんの少しだけ下がった程度でした。比べてみると、ステーキを食べた方が、高い体温をキープしていたんです。
なぜこのような結果になったのか、専門家に伺うと、「ステーキには脂肪がたくさん含まれており、脂肪は胃の滞在時間を延ばす。そして消化に時間がかかるため、長い時間体温を高く保つことができる」という。
ステーキ単体では意味がなく、パンや米で糖質を補う必要があるのだ!
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