ハワイ・グルメ
の科学
第1238回 2014年8月3日
夏休み海外特集第2弾!ハワイのグルメを科学します!
①なぜ日本人はクリーム&フルーツ山盛りパンケーキが好き?
ハワイで大人気のグルメといえば、今大人気のパンケーキ!ブームの発端となった「エッグスンシングス」というお店が10年程前に山盛りのトッピングを乗せたパンケーキが日本人に大人気となり日本店でも大行列!
現地ハワイの店内も日本人の客ばかり。現地の人はほとんどいません。そこで現地の人に聞いてみると「ハワイの人は日本人が好きなパンケーキとは違うのを食べる」とのこと。ハワイの人が食べるパンケーキは日本人が食べているものと違うというんです。
そこで現地の人が集まるパンケーキ屋さんに行ってみると、皆さん食べているのは、何も乗っていない薄焼きのパンケーキ。これにシロップをたっぷりかけていただくのが、王道のハワイアンスタイル。パンケーキはスクランブルエッグやソーセージなどのおかずを合わせて食べる、いわばご飯のような食べ物だったんです。しかも、その時も、甘いシロップをかけるそうです。ではなぜ生クリームやフルーツがトッピングされたパンケーキが日本人に人気なのでしょうか?
専門家に聞いてみるとトッピングにより、スイーツ感が増し、美味しいそうに思うというのです。しかも、この見た目が体に意外な影響を与えているんだとか。
そこで日本担当の酒井がパンケーキが体に与える影響を調べました。スイーツ好きの女性に食事をお腹いっぱいに食べてもらったあと、パンケーキを見せ、胃がどう反応するか、MRIで観察、食べた物は胃から小腸に送り出されます。満腹状態では胃はおよそ30秒で1回半動いていました。では、パンケーキを見せると胃はどうなるのでしょうか?
まずはシロップしかかけていない普通のパンケーキを見せると、30秒で1回半と、満腹の状態とほとんど変わらなかったのです。
今度は日本人に大人気のトッピングありのパンケーキを見せてみました。すると、胃の動きは30秒で2回になりました。つまりシロップだけのパンケーキを見た時よりも胃の動きが活発になったのです。
生クリームやフルーツを乗せたパンケーキの見た目が脳に刺激を与え、食欲を誘うため、行列が絶えないほどの人気になっていたのだ!
②ハワイ土産の定番!マカダミアナッツチョコの謎に迫る
ハワイのおみやげ屋さんで皆さんが買っていたのはマカダミアナッツチョコレート。ハワイのお土産ランキングでも圧倒的な1位です。人気の秘密を探るため、ハワイの老舗チョコレート会社「メネフネマック」へ。こちらではマカダミアナッツチョコを全て手作りで作っているんです。その作り方は・・・
まずは温めたチョコレートにマカダミアナッツを混ぜ、一口サイズにすくって1つ1つ紙ケースに入れていきます。これをコンベアで流し冷却装置に通して冷やします。固まって出てきたら箱詰めして完成です。
オーナーにこのチョコの歴史を伺うと、マカダミアナッツは元々ハワイになかったオーストラリアが原産とのこと。1881年に初めてハワイにやってきたマカダミアナッツの木は、当時、農地を守る防風林として植えられたんです。1950年代に日系アメリカ人のマモル・タキタニがマカダミアナッツとチョコレートの相性が良いことに気づき、ナッツをチョコレートで包んだものを製品化。これが飛ぶように売れ、大量にマカダミアナッツも生産されるようになったのです。でも本当にマカダミアナッツとチョコは相性がいいのでしょうか?専門家に聞いてみるとマカダミアナッツがチョコの甘さを引き立てると言うのです。さらに、マカダミアナッツによりお土産にも適した効果があるというんです。
チョコを運ぶ時の大敵と言えば暑さ!そこで、こんな実験。工場にお願いして、同じ成分のチョコレートでナッツありとナッツ無しの2種類を作ってもらいました。いったいどちらが暑さに弱いのでしょうか!という事で、灼熱の太陽を求めて向かったのはワイキキビーチ。ここにチョコレートを置き、実験スタートです。
果たして、どちらが早く溶けるのでしょうか?テーブルの上の温度は40度近くになっています。すると・・・チョコレートを置いてから8分後、変化が起こり始めました。マカダミアナッツを入れていない方が先に溶けだしたのです。一方、ナッツ入りチョコが溶けたのは、それから5分後、チョコを置いてから13分経ってからでした。
この理由を専門家に伺うと、マカダミアナッツは周りのチョコレートに比べて温まりにくく冷めにくい性質を持っているので、周りのチョコレートを溶けにくくしていたとのこと。しかもマカダミアナッツは他のナッツよりも粒が大きいため、より温まりにくいというのです。
チョコレートと相性が合うからと出来たマカダミアナッツチョコ、それが偶然にもチョコレートを溶けにくくさせ、お土産として最適な商品になっていたのだ!
③ハワイグルメ「プレートランチ」はなぜ人気?
ハワイの人たちがよく食べているのが1つの皿に、ご飯もおかずも載っているプレートランチ。ハワイを代表する庶民の食べ物です。このプレートランチが今日本でも女性を中心に大人気!レシピ本まで出る程なんです。日本でもプレートランチは人気な理由が、贅沢でお得に感じるから、とのこと。
そこでハワイの大通りでこんな実験!こちらのプレートランチをご飯とおかず、別々の皿に盛り付けます。ワンプレートと皿を分けた料理、どちらが贅沢でお得に見えるのか?観光客にそれぞれ値段をつけてもらいます。
合計10名の方に値段を付けてもらった結果、別々の皿にした方は平均1148円。ワンプレートの方は平均1426円!同じ食材、同じ量なのにワンプレートに盛り付けた方がおよそ25%も高く感じたのです。これって日本人だけなの?そこで外国の方にも聞いてみました。
6名の方に値段を付けてもらったところ別々にしたプレートランチは平均19.5ドル。ワンプレートの場合だと平均23.4ドル!やはり外国人もワンプレートの方に高い値段をつけたのです。なぜこんな結果になったのか、専門家に聞いてみると「全く同じ物を個別に盛りつけるよりもワンプレートにギュッと凝縮した方がよく見える。その理由の1つはデルブーフ錯視という錯覚効果が起きてる。」
例えば、この円の中に入った青い丸、実はどちらも同じ大きさなんです。左のように青い丸を密集させるとバラバラになっている右の図よりも、大きく見える錯覚が起こるのです。これをデルブーフ錯視といいます。この現象がワンプレートのランチにも起こっていたんです。
ハワイで人気のプレートランチには、料理を贅沢に見せる効果があったのだ!
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