目がテンの女性スタッフで結成された理系アイドルグループ「リトマース」。これまで、グループ名や衣裳・振付けや握手の仕方など、様々な場面に科学の要素を盛り込み、活動を続けてもうすぐ1年・・・。
今回は5月27日に発売されたCDの売り上げ枚数を検証し、"人気アイドルになれたかどうか"結果を大発表!
アイドルの科学第5弾は、完結編!果たして番組スタッフで結成された素人アイドルは、科学のチカラで人気アイドルになれたのか!?
①CDジャケットの科学要素「思わず手が出るデザイン」とは?
一歩一歩、科学のチカラで人気アイドルへの道を進んできたリトマース。
そこで今回、1年に及ぶ実験の集大成としてCDを発売!本物のアイドルと売り上げ枚数を比較し、リトマースが人気アイドルになれたのか検証します!比較するのは、リトマースと同じ日にCDを発売するアイドルグループ…「乙女新党」!乙女新党は、平均年齢15歳。3年前に結成され、去年発売したシングルはオリコン14位と人気上昇中なんです。
今回は、CD発売日から「1週間の売り上げ枚数」を比較。果たしてリトマースは、人気アイドルにどこまで近づけるのでしょうか!?
さっそく、リトマース影のプロデューサーである2人の教授にご協力頂きます。まずは、広告論の観点からアイドルを研究する日本大学の兼高教授に、CDジャケットのデザインについて伺いました。
兼高教授によると、「ジャケットはCDの顔ですから、店頭に並んでいるジャケットが"なんかいいじゃないか"、"目立つ"、"つい気になる"、そういうものになるように考えるのがいいと思います。黄金比を活用するのがいいのでは」とのこと提案。黄金比とは、長さの比が「1対1.618」になる比率のこと。"人間が、最も安定し美しいと感じる比率"といわれています。身近なところでは名刺にも使われていて、縦型でも横型でも同じ比率なんです。ギリシャのパルテノン神殿は、高さと底辺の比が黄金比になっていて、画像に名刺を重ねてみると、ぴったり収まります。
早速、リトマースのジャケットデザインにも黄金比を取り入れるべく、写真撮影が行われました。数日後。写真を元にデザインされた、「恋の火曜日5時間目」のジャケットが完成!設定は、廊下から理科室をのぞくメンバーたち。中央のみすみんがラブレターを差し出し、他のみんなは応援しています。そして、ドアが開いているすき間の比率が黄金比になっているんです!更にここから、色づけ作業に入るのですが…一体どんな色遣いにするのが良いのでしょうか?社会心理学の下斗米教授に伺うと、「『恋の火曜日5時間目』は恋愛の歌ですので、胸のドキドキであるとか、一般にいえば興奮をした状態になります。その興奮を(CDを手に取った方にも)同じように共有して頂く為にはそれにふさわしいような、例えばショッキングピンクであるとか、或いは鮮やかなレモンイエローであるとか、そうした色を用いるとCDを手に取られた方は興奮しやすい状態になっていきます。心理学では活性化っていう言い方をしますけれど、そのような色合いがとても効果を持つと考えられます」そこで、背景をショッキングピンクに。理科室の扉をレモンイエローに色づけ。壁の飾り付けや曲タイトルなどを加え・・・ついにCDジャケットが完成!
②ライブでファンの心をつかむ秘策とは?
リトマースは、本業が番組スタッフという「社会人」。そのため、結成当初からファンとのコミュニケーションは得意としてきました。
今回もファンとのコミュニケーションを深めたいところですが…実は本業との兼ね合いもあり、ライブができるのは、わずか4日間。
では、少ないチャンスを生かそうと、ステージ後の写真撮影では、本物のアイドル顔負けの濃厚なコミュニケーションで、ファンとの絆を深めました。
数日後。ゴールデンウィークに観光客で賑わうお台場でも、ミニライブを開催!実はこの日…!リトマースと同じステージで、乙女新党もライブを行っていました。年下とはいえ、アイドル歴では先輩である乙女新党にあたる彼女たちのパフォーマンスに、思わず圧倒されるメンバーたち…。でも彼女たちにはある秘策が!この日ライブを行うお台場は、観光など別の目的で来る人も多い。そんな通りすがりの人を引き込む方法を、下斗米教授から事前に教わりました。下斗米教授によると、「心理学では"一貫性コミットメントの原理"っていう言い方をするんですけれども、リトマースの歌を聴いた自分というのを意識づけさせることによって、リトマースに対して好意的に考えるようになっていきやすいものなんです。どういう目的であっても、リトマースの歌を聴くとかダンスを楽しむとか、自分の時間を割いてその場にいてくれたという事に対して、まずはしっかりとお礼を申し上げるのがとても大切ではないかと思います。」との提案が。
"一貫性コミットメントの原理"とは、自分から積極的に関わった事柄に対して一貫した行動を取り続ける現象。チラシを受け取ったからライブを見に行こうかな、と考えて実行に移すのもその一例です。
つまり、お礼を言われると"リトマースの歌を聴いた"という行動を自覚し、その行動に一貫性を求めてリトマースを好意的に評価しやすくなるというんです。
そして歌い終わりのステージトークで、しっかりとお礼を伝えたメンバーたち。すると、ステージ終了後…。握手や写真を求め、多くの人が列を作りました。お客さんに話を聞くと、「たまたまいたんで観てました。曲も乗りやすかったし。次もチェキ撮りに行きます」と、見事に"一貫性コミットメントの原理"の効果があったようです!
③科学で人気アイドルになれるのか?CD売上枚数を発表!
5月27日。リトマースのCDがいよいよ発売。様々な科学要素が盛り込まれたCDは、発売から1週間で何枚売り上げるのでしょうか?
この日、秋葉原のカフェでは発売当日記念ライブを開催。平日にも関わらず、多くのファンが駆けつけてくれました。ステージ後の撮影会では、ファンから思わぬプレゼントが!それは、メンバーの担当カラーに合わせた6色の花束でした。そしてその4日後、CD発売記念ライブの最終日を迎えました。まずは、タワーレコード店内でのミニライブ。ここでも、思わぬ光景が。「遠いけど、ただいま。」の曲中、メンバーの動きに合わせてファンがライトを使った演出をしてくれました。ステージを重ねるたびにファンとの息も合い、絆が深まっている様子。そしてついに、リトマース実験終了の場となる汐留日本テレビでのライブを迎えました。会場には、多くのファンが。そんな集まってくれたファンへ向け、リトマースは1年分の感謝を歌にして伝えました。
果たして、発売から1週間。リトマースのCDは何枚売り上げたのでしょうか?気になる売上枚数は・・・548枚!!
一方の乙女新党は1万546枚。人気アイドルとは圧倒的な差がついてしまいましたが・・・兼高教授によると、「リトマースが狙ったのは、参加型マーケティングを科学的に作ったもの。ほとんど稼働していないアイドルを、できるだけライブアイドル(ライブ出演を中心に活動するアイドル)として動いているかのように売ることはできた。まずは500という数字(を超えたこと)は大きい。また、長い時間かかって売れていくタイプの楽曲なので、最終的に4桁には届くのでは」と解説。
なにはともあれ、"裏方"と"アイドル"…二足のわらじで、1年に及ぶ科学実験を続けてきたリトマースの皆さん、お疲れ様でした!
そして、彼女たちの活動を暖かく見守ってくれたファンの皆さん、本当に有難うございました!
いつかまた、リトマースが活動を再開する日が来た時は、応援宜しくお願いします!
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