知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


サラダ の科学
第1281回 2015年6月21日


 今や女性だけではなく、男性にも大人気の「サラダ」の秘密!

①生野菜は本当に身体に良いのか?

 サラダ好きの人に、サラダを食べる理由を聞いてみると、生で野菜を食べた方が栄養が摂れると思っている人がたくさん。そこで、生の野菜と火を通した野菜の栄養を徹底比較!
 まず、比べるのはホウレンソウ。野菜に含まれる代表的な栄養。ビタミンC、βカロテン、食物繊維を専門家に計測してもらいます。
 茹でたホウレンソウは、ビタミンCがほぼ3分の1に減ってしまいました。続いて体内でビタミンAに変わるβカロテンは、10%減少。食物繊維も、10%減少していました。
 続いてピーマンの油炒めで比較してみると、僅かにβカロテンが下がっただけで、他の栄養はほとんど変わらなかったんです。
 女子栄養大学の根岸先生によると「ビタミンには水溶性と脂溶性の2種類あり、水溶性のビタミンは茹でると、ゆで汁に逃げてしまう。脂溶性のビタミンは油に溶けるビタミン類だから、お湯の中に溶け出てくるというのはほとんど無い。食物繊維は加熱調理によって、変化することはほとんどない」とのこと。
 ちなみにピーマンの油炒めでは、油に溶け出た脂溶性ビタミンであるβカロテンがピーマンに再び吸収されるため、ほとんど減らなかったんです。
 つまり野菜は栄養素によって生の方が高いものと、加熱してもあまり変わらないものがあるのです。
 また加熱すると野菜はかさが減り、量を多く食べられるメリットもあります。

  ビタミンC βカロテン 食物繊維 ビタミンB1 マグネシウム
ホウレンソウ生 35mg 4200μg 2.8g 0.11mg 69mg
ホウレンソウゆで 13.3mg 3780μg 2.52g 0.035mg 28mg
※「日本食品標準成分表2010」のデータを元に算出

②美肌効果は勘違い!?酵素の本当の働き

 サラダを食べる理由で特に女性に多かった意見が、サラダの酵素が肌に良いと言う意見。酵素とは主にタンパク質で出来ている物質で、体内に多く存在するもの。例えば、酵素はアミノ酸に働きかけて、コラーゲンなどのタンパク質を生み出します。
 つまり酵素は細胞の化学反応を進める、生きていく上で、必要不可欠な物質なんです。本当に野菜を加熱すると、酵素は無くなってしまうんでしょうか?
 用意したのはダイコン。生のものと茹でたもので酵素があるかどうかを調べます。抽出したそれぞれのエキスをフィルムに付けタンパク質を見る事によって、酵素があるかどうか分析た結果、茹でた方は真っ白で反応なし。確かに加熱すると酵素はなくなっていたんです!
 やはり酵素を摂るにはサラダを食べることが必要なのか、東京農業大学の前橋健二先生に聞いてみると「生野菜には酵素が含まれているが、生のまま食べても、その酵素が身体に吸収されることはない」とのこと。実は生野菜に含まれる酵素は胃液などで分解されてしまい、酵素そのものが吸収されることはないというんです。
 生野菜の酵素は何の役にも立たないのかというと…そうではなく、生野菜の酵素が唾液や胃液と同じ消化の働きをするとのこと。
 そこで目がテン大実験!まずは50gの豚肉ミンチを用意。これを、すりおろしたダイコン汁に漬け込み、ダイコンの酵素が消化の働きをするかどうかを検証します。比較のため、普通の水に漬けたひき肉も用意し、体内と同じ37℃の状態を保ち、胃の蠕動運動を再現して実験スタート!本当に生野菜の酵素が胃液と同じ働きをするのか!?
 実験開始から20時間後…ダイコン汁の方はかなり色が濁っています。ダイコンの酵素が胃液と同様に消化の働きをしたので、水よりも濁りが濃くなったのです!

所さんのポイント
ポイント1
生野菜の酵素、その働きは食品の消化を助ける事だったのだ!

③先にサラダ食べるダイエットの真相!

 最近、注目されているサラダから先に食べるダイエット法!一体どんな仕組みなのか、城西大学の金本郁男先生によると「野菜サラダを先に食べると急激な血糖上昇が抑えられ、血糖値が異常に高く上がるとインスリンが出て、その糖を脂肪として蓄えようする」とのこと。血糖値は、炭水化物などを摂ると急激に上がります。血糖値が上がる、つまり血液中に糖分が余分に増えると、インスリンが働き糖を脂肪に変えて蓄えてしまうんです。
 そこでサラダを先に食べると血糖値の上昇が抑えられるかどうか、実験です!協力してくれる男女3人に、オニギリとサラダのセットを、順番を入れ替えて食べてもらいます。
 まずは一日目、前日の夜9時から何も食べていない状態で、先にオニギリを食べてもらいます。その後、サラダを食べていき、食後、血糖値の変化を測定。翌日、再び3人に集まってもらい、同じく空腹の状態で、今度はサラダから先に食べてもらいました。血糖値の上昇は抑えられるのか?結果は・・・サラダから先に食べたのに、最高血糖値がほとんど変わっていません。
 金本先生によると「先に食べるサラダの量が大事。2、30gのちょっとした付け合わせのサラダでは、ほとんど最高血糖値は変わらない。確実っていうことを考えたら、100g程度の野菜サラダは摂ってほしい」とのこと。
 そこで今度は100gのサラダを用意!再び3人に集まってもらい、たっぷり100gのサラダを先に食べてもらいました!結果は血糖値のピークが10%も低下しました。適量のサラダを先に食べることで、先に胃の中に入ったサラダの食物繊維が糖となる炭水化物を包みこむため、炭水化物の消化が遅れ、血糖値の急激な上昇を抑えるだけでなく、食後のお腹も空きにくくなり、次の食事の量を減らせるなどの効果も期待できるとのこと。実はこの食事法、糖尿病患者にも指導されているんです。
 また金本先生によると、特に効果的なのが水溶性の食物繊維を多く含む生野菜で、オススメは「とろろ」。血糖値の上昇を抑えるのに非常に適しているそうです。

所さんのポイント
ポイント2
サラダから先に食べるダイエット法は食べる量が大事!生野菜やとろろがオススメなのだ!

④「お値段0円!都内の野草で天然サラダ作り」

 東京都内の野草で天然サラダが作れるのか?後藤アナが身体を張って実践!協力して頂くのは野草大好きのベテラン俳優、岡本信人さん!さらに東京農工大学の藤井先生に野草のマメ知識を教えてもらいます!
 住宅街で食べられる野草を探していきます!まず見つけたのは「ヤブガラシ」。食べられる野草を見つけたら水でよく洗い味見をしてみるのが岡本流。しかし後藤アナの口には合いませんでした。続いてのドクダミを味見も苦手な様子。続いて、住宅街からほど近い里山で、スーパーなどにも売っている日本原産の香味野菜「みつば」、滋養強壮の効果がある「ノビル」、さらに春の七草のひとつ「セリ」や肉料理の付け合わせで使われる「クレソン」などもゲット。
 たくさん集まったところで、野草サラダ作り!使うのはすべてタダで採れた15種類もの野草!調理のポイントは水で泥をよく落とし、アクを取る為に塩を入れた熱湯でさっとゆでるだけ!これを彩り豊かに盛りつければ、お値段0円!都内で見つけた天然野草サラダの完成!ドレッシングをちょっとつけて食べると野草が苦手だった後藤アナも絶賛!野草を60年以上食べてきた岡本さんにもお墨付きを頂きました!

所さんのポイント
ポイント3
野草の中には毒があるものや、衛生面に問題があるモノもあるので、専門家や専門書などをしっかり参考にして下さい!




食べ物編へ植物編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、 megaten@ntv.co.jp です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。