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かがくの里2016
第1311回 2016年1月31日


 自然をテーマに研究してきた科学者たちが田舎暮らしを実践!科学の力で誰もがやってみたくなる、田舎暮らしを目指す長期実験企画「かがくの里」2016年始動!

①「かがくの里」に新たな仲間が参加

 2016年1月初旬。今年からここでの暮らしをより深く皆さんにお伝えするため、「科学かがくの里」の専任プレゼンター「阿部」さんが登場。普段はお笑いコンビ、セバスチャンとして活動している阿部は慶應義塾大学理工学部を卒業した高学歴芸人。その頭脳を活かし、今年から科学者たちの助手として仲間に加わります。阿部さんの初仕事が、所さん直筆の"かがくのさと"の看板お披露目!
 それが終わると、運ばれてきたのは…蒸しあがったばかりのもち米!去年、6月に田植えをし、10月に収穫したもち米。玄米でおよそ480キロとれました。11月に行った収穫祭ではお赤飯にして所さんにも食べて頂きましたが、まだまだたっぷり余っていたため、地元の方々をお呼びし餅つき大会をすることにしたのです!まずは杵を使って、もち米をつぶします。これをしないとついた時、お米が臼から飛び出してしまうそう。ある程度、お米が固まりになったらいよいよお餅つき!こうして、真っ白でもっちもちのお餅が完成!
 松村先生が用意したきな粉。この原料は6月に種を撒いた"津久井大豆"。古くから神奈川県の津久井地域でのみで栽培されてきたという幻の大豆!甘味が強く、味噌や豆腐など加工品に向いた品種です。きな粉にすれば砂糖が要らない程、甘みがあるという津久井大豆。自然な甘みだけのきな粉と、付きたてお餅を合わせれば…科学の里特製!きな粉餅の完成!さらに、猟友会の方が獲ったイノシシ肉を使ったイノシシ鍋が登場!地元の子供たちも大喜び!

所さんのポイント
ポイント1
みんなで楽しいひと時を過ごしたのだ!


②新プロジェクト始動!

 1月中旬。この日、かがくの里にやってきたのは野生動物の専門家、山本先生。去年から続いている、イノシシ調査のため里を訪れたのですが、電気柵の一歩手前までイノシシが来ている形跡が。山本先生によると、最近イノシシの個体数が増えてきて、特にこの辺は、随分多い地域なんだそう。昔は山奥に動物がおり、人が暮らす里の間には「里山」と呼ばれる焚き木や炭を取るような山があった。そうすると山の手入れがされているのでイノシシは出てきにくかった。ところが今、人間は石油を燃やし電気を使っているので、山の木を使わなくなった。すると里のすぐ裏が、奥山のような密林になってしまい奥山まで繋がっているから、イノシシが里のすぐ近くまで降りてこれてしまう。このような里山の変化もイノシシが里の近くに下りてきやすくなった原因と言われている。つまり、ほったらかしの里山を手入れする必要があるというんです。
 でも手入れといっても、どうすれば良いのか?実は今、荒れた里山を手入れして復活させようという動きが全国各地で始まっているんです。その一つが京都で行われているということで、向かったのは京都市岩倉村松にある香川山。この日は、落ち葉や枯れ枝の掃除。山肌がきれいになっています。しかもこの里山の手入れには、とても大きなメリットがあると言うのです。実はこの方々、里山を手入れすることで以前、この山でたくさん採れていたというマツタケを復活させようとしているのです!その名も"まつたけ山復活させ隊"実はマツタケ、栄養が豊富な土壌では育ちません。里山が使われていた昭和以前。人々が木を切り、落ち葉を拾う事で、山の土壌は栄養が少なくなり、マツタケがたくさん生える環境になっていました。しかし、里山が使われなくなり、ほったらかしになると木々からの落ち葉が土の微生物によって分解され、土壌が豊かになり、マツタケはとれなくなったのです。そのため、まつたけ山復活させ隊では、木を切り、山の落ち葉を回収し以前の里山の環境に戻そうとしているのです。どうやら里山の手入れは、イノシシ対策以外に、美味しいメリットがありそう!
 さらに三重県に、里山の手入れの成功例があると聞き、訪れました。ここは、環境に配慮した山作りを行い年間で2000人もの人が見学に来ると言う里山。速水家が江戸時代からここで林業を営んでいます。林を見せてもらうと丁度、間伐中。間伐とは、過密になってしまった木々の中で成長が悪い木を間引く事。こうすることで、残った木が太く、真っ直ぐに育つのです。速水林業は徹底した間伐で、山の手入れを行う事で木材の品質が上がり、値段は相場の3倍になりました。また、間伐を行い、木々の間から日光が入るようになったことで、木々の下に様々な種類の草木が生え、緑が豊かになっていたそうです。つまり、間伐が山の手入れになり、多様な生物が暮らせる環境を作ることにつながるのです。

所さんのポイント
ポイント2
ということで、"かがくの里"でも2016年は「里山の手入れ」を始めるのだ!




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