知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


ご飯のとも の科学
第1312回 2016年2月7日


 ニッポンの食卓と言えばほっかほかの炊き立て「ご飯」!そのご飯に欠かせないのが、やっぱり「ご飯のとも」ですよね。白いご飯と相性抜群!一緒に食べると、知らず知らずご飯がどんどん進んじゃいます。全国各地に、星の数ほど存在する「ご飯のとも」。その美味しさの秘密は一体何なのか?今回の目がテン!は、ニッポン人の心「ご飯のとも」を科学します!

①「ご飯のとも」はなぜ必要?胃袋の限界に挑戦!

 今回実験に協力してくれたのは、学生相撲で活躍する埼玉大学相撲部のみなさん。そもそも「ご飯のとも」は、なぜ必要なのか?実験です。
 ルールは簡単。1膳180gのご飯をひたすら食べ続け、お腹が一杯になったところで、手元のボタンを押してもらいます。制限時間はありません。
 朝稽古の後、何も食べていない空腹の状態で実験スタート。比較のために、まずは白いご飯だけを食べ続けてもらいます。1分30秒が過ぎた時、部員の1人、安田君が…ご飯一杯をあっという間に飲み込み、早速おかわり!庄司君もおかわり。さすがのハイペース。しかし、7分経つと…。安田くんのペースが急激にダウン。部員全員の箸の動きが早くも鈍くなってきました。そして、27分後。安田くんが、8膳食べたところで満腹に。
 続いて、37分後に金子くんが。そして、44分後に庄司くんも満腹になり実験終了。何とか満腹まで食べることができましたが、途中からご飯に飽きて箸が進まなくなり、時間がかかったようです。そして翌日。この日も前回同様、朝稽古の後、何も食べていない空腹の状態で実験です。
 しかし、この日、用意したのは、The「ご飯のとも」、海苔の佃煮〜!
 果たして、ご飯のともがあるとご飯はどれだけ進むのか?2日目の実験、スタート!皆さん、ご飯の友と一緒に、勢いよく、ご飯を飲み込んでいきます。昨日とは違い、途中で、食べるペースが落ちず、ご飯がどんどん進みます。そして、11分後。安田くんが、余裕の表情で昨日の限界8膳を超えて、9膳目に突入!さらに、22分後。安田くん、ここで満腹に。
 実験の結果、ご飯のともがあると、ご飯だけの時より3膳多い11膳、およそ2kgのご飯を食べることができました。他の2人も増え、3人全員が増えたという結果に。しかし!この時、食べた量以上に大きな違いが出ていたのです。それが、食べる時間。なんと!2日目の方が、限界まで食べるのにかかった時間が、大幅に短縮されていたんです!なぜ、ご飯のともがあると食べるスピードが上がったのか?食品栄養学の専門家、東海大学短期大学部・食物栄養学科・理学博士の高塚千広先生に伺うと。「美味しいと感じるには、味や食感、香りや見た目が重要です。特に味の場合、単調な味ではなく、2種類の異なる味を混合すると、一方が片方の味を強めることが知られています。これを味の対比効果といいます」と解説。
 ご飯と、ご飯のともの味成分を調べてみると、グラフの形が全く違うのが分かります。ご飯の「甘み」が、ご飯のともの「塩み」によって引き立ち、より強く甘みを感じるようになります。まさに「味の対比効果」が生まれる組み合わせだったんです。

所さんのポイント
ポイント1
味の対比効果によって、ご飯をより美味しく感じ、食べるスピードが上がったのだ!


②全国各地の超美味「ご飯のとも」を選抜!

 日本を代表する発酵学の権威!食通として数多くの著作を出している農学博士の小泉武夫先生。恵比寿で連日、満席を続ける超人気店日本料理「賛否両論」の店主、笠原将弘さん。3年間で800種類のご飯のともを食べた男!おかわりJAPAN主宰、長船邦彦さん。原宿で80年続く老舗米店の三代目!五つ星お米マイスターとして、お米文化の素晴らしさを伝える、小池理雄さん。目がテン!が誇る、4人の最強専門家集団が、全国各地の超美味「ご飯のとも」を選抜します!全国を8ブロックに分け、座談会メンバー4人が推薦する、55個の「ご飯のとも」の中から、最高においしい、各地方最強の「ご飯のとも」を選抜していきます。
 まずは、推薦者以外のメンバーが知らない「ご飯のとも」をみんなで試食してみることに。最初に試食したのは、北海道ブロックから、小泉先生のオススメ、鮭の腎臓の塩辛「めふん」です。続いて同じく北海道ブロックから。長船さんのオススメ、「サケキムチ」。サケキムチは、白菜や野菜は一切使わず、サケのキムチそのまま。このサケとキムチといったように、これまでにない食材の組み合わせが最近の「ご飯のとも」のトレンドなのだそうです。そして、東北ブロックから、小泉先生のオススメ。福島県の「一升漬け」を試食。青唐辛子や麹、醤油を一升ずつ漬け込んで作る、福島伝統のご飯のとも。続いては、関東・甲信越ブロックから。こちらも小泉先生オススメ、群馬県の「白菜の麹漬け」!麹や白菜本来の甘みに、漬物ならではの酸味や風味が加わった逸品です。そして、近畿ブロックから。長船さんのオススメ、兵庫県の「いかなごのくぎ煮」を試食。試食が終わったところで、いよいよ各ブロック代表の「ご飯のとも」を選抜。全国55の「ご飯のとも」の中から、各ブロックの代表に輝くのは一体どの「ご飯のとも」なのか?まずは、北海道ブロックの代表から。4つの候補の中から選ばれたのは…新星「サケキムチ」!続いては、東北ブロック。9つの候補から代表に選ばれたのは…試食で大絶賛された、小泉先生のオススメ、福島県の「一升漬け」が満場一致で選ばれました!ご飯と食べると抜群に美味しくなるというポイントが評価されました。そして、激戦となった、関東・甲信越ブロック。12の候補の中から選ばれたのは…笠原さんのオススメ、東京の佃煮。やはり和食の定番は外せない!と選抜されました。
 続いて、中部ブロック。8つの候補から選ばれたのは…小泉先生のオススメ、石川県の「フグの卵巣のぬか漬け」!美味しさはもちろんのこと、発酵の力を使って、猛毒があるフグの卵巣を「ご飯のとも」にした、先人たちの知恵に敬意を表して選ばれました!近畿ブロック。5つの中から選ばれたのは…どちらも長船さんオススメ、いかなごのくぎ煮と、ご飯のともの定番として外せないと梅干しの2つが選抜入り!中国ブロックから選ばれたのは…小池さんのオススメ、島根県の「和牛しぐれ」。
 さらに、四国ブロック代表は…長船さんのオススメ。高知県の「カツオのオイルフレーク」。最後は、群雄割拠の九州・沖縄ブロック。10の候補の中から選びます。すると…皆さん、終盤で疲れたのか、なんと4つも選んでしまいました。結局、佐賀県の海苔、福岡県の明太子、熊本県のふりかけに、沖縄県の三元豚の万能味噌が、代表に選ばれました。食の専門家が選んだ、全国各地の選抜は、12の「ご飯のとも」に決定しました!



食べ物編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧
番組に対する、ご意見、ご感想等ございましたら、番組メールボックスの方にお寄せ下さい。
宛先は、 megaten@ntv.co.jp です。
原則、質問にはお答えできませんが、頂いたメールは、番組スタッフが閲覧し、今後の番組作りの参考にさせていただきます。