磯の生き物
の科学
第1334回 2016年7月17日
約500種類の生き物が暮らすと言われる磯。干潮時の潮だまりは気軽に海の生き物を観察することができるスポットとして家族連れにも大人気。今回は生きもの大好き桝アナウンサーと一緒に身近な大自然、磯で簡単に見られる生き物から珍しい生き物までを観察します!
①磯の生物を探す!
今回、磯の生き物を見るため訪れたのは神奈川県の観音崎。磯を案内してくれるのは、観音崎自然博物館の山田和彦さん(観音崎自然博物館・主任研究員)。まず、安全に磯で遊ぶためには服装が大切。足元はダイビングブーツやマリンシューズ。ごつごつした岩場でも歩きやすくなります。そして手にはマリングローブや軍手。準備ができたところで磯へ!
最初に観察するポイント「タイドプール」。いわゆる潮だまり。満潮の時は、海の中だけども、潮が引くことで取り残されてしまった場所。それでは、タイドプールで磯の生き物の探索開始!早速、小さなタイドプールに魚を発見。それは「アゴハゼ」。タイドプールでよく目にする魚で、水温や塩分変化に耐えられる力を持っているんです。そして今回、見つけた生き物には、発見の難しさ生態の珍しさなどを総合して5段階で評価。簡単に見つけられるアゴハゼは「星1つ」。
さらに、探索していると後藤アナが「オウギガ二」を発見。実は、このカニ、ユニークな特技を持っていて、刺激を与えると体を硬直させ死んだマネをするんです。珍しい行動をするオウギガニのレア度は「星2つ」。
桝アナも変わったカニ「ヨツハモガ二」を発見。体に自ら海藻や藻をつけて、カムフラージュしているんです。さらに桝アナは「ワタリガニ」も発見!ワタリガニは潮の流れにのって、海中を移動するという習性があるため、泳ぎやすいよう足の一部がヒレのようになっているんです。
タイドプールを離れ、続いての観察ポイントは岩陰。見つけたのは梅干しにそっくりな生物「ウメボシイソギンチャク」。イソギンチャクは、干潮時を生き抜くため、体の中に多くの海水を蓄えています。これは高評価の「星4つ」。数が少なく、見つけづらいのが高評価の理由なんです。
他にも、きれいな縦じま模様が入った「タテジマイソギンチャク」や、体の周りを貝殻の破片で覆っている「ヨロイイソギンチャク」を見つけました。
続いては、あるアイテムを使って動きの速い生き物をじっくり観察。そのアイテムは「ペットボトルトラップ」。先端をカットしたものを逆にして差し込みます。ボトルの底には、水の流れを作るため、小さな穴をいくつか空けておきます。そして、中にエサとなるさきいかなどを入れます。エサにおびき寄せられた生き物が、トラップの中に入り、出られなくなるという仕組み。生き物がいそうな場所にトラップをしかけ30分放置します。30分後、トラップを回収すると大きな魚が入っていました。入っていたのは「アナハゼ」。簡単なトラップで体長およそ10センチの魚も捕まえることができるんです。その後も磯を捜索し、色が鮮やかな魚「ナベカ」や小さなホヤが集まってできた「マンジュウボヤ」などを発見しました。
2時間、磯を観察して、15種類の生き物を見つけることが出来たのだ!
②磯の地味な生物「フジツボ」
岩などにくっつき、固い殻に覆われている生き物「フジツボ」は、実はエビやカニと同じ甲殻類なんです。殻の上部からほうきの先のようなものを出しています。これは蔓脚と呼ばれるモノで、エビやカニで言う足の部分にあたります。殻の中では、頭部、胸部、脚部と分かれ底に体をつけて、足でエサを捕らえているんです。地味な見た目ではありますが、その生態は、とっても不思議に満ちているんです!所さんもフジツボの餌付けに挑戦しました。
プランクトンを入れるとほうきのような足で一所懸命かき集めていたのだ!
③キュートでレアな「ウミウシ」を探そう! IN 磯
磯には、探すのが難しいレア度「星5つ」の生き物がいます。それは「ウミウシ」。カラフルでかわいくて「海の宝石」とも呼ばれています。実はウミウシは殻は持っていませんが実は巻貝の仲間。形や柄も様々なんです。そして今、ウミウシグッズも登場するほど、人気上昇中の磯の生き物なんです。
ということで、ウミウシの探索開始!磯初心者の後藤さんは他の仕事で帰ったので、ココからは、桝アナとガイドの山田さん、集中して探します。
ウミウシがいる岩陰や海の底を重点的に探します。探索開始から、およそ20分。他の生き物とは違いなかなか見つかりません。すると、山田さんがウミウシを発見。桝アナ、先を越されてしまいました。噛んだガムのような小さいウミウシ。見つけたのは、ピンク色をした「サガミミノウミウシ」。体はふわふわとしたミノ状の突起で覆われています。
桝アナ、次こそ自分の手でウミウシを発見するべく探索再開。しかし星5つのウミウシ、そう簡単には見つかりません。すると今度は磯初心者のスタッフがウミウシらしきものを発見!見つけたのは「イソウミウシ」。角にみえるのが触覚。おしりのふさふさしているのがエラなのだそう。
ここまで、2種類のウミウシを発見!そしてついに桝アナも岩陰に隠れていた、マダラウミウシを発見。黒い斑が特徴の体長およそ4センチのウミウシです。
さらに、またまた別のウミウシ「クロシタナシウミウシ」を発見。体が真っ黒で、色みのある縁取りが特徴です。
そうこうしているうちに潮が満ちてきて、ウミウシ探索終了間際。すると、とてもかわいらしい「オトメウミウシ」をガイドの山田さんが発見!特徴はエラを表にはださず、体内におさまっているため、細長い体をしていること。
ここで、潮が満ちてきたので探索終了。さらにこの場所には、ほかに美しいウミウシが生息しています。山田さんに事前に採集していただいた「アオウミウシ」。桝アナも、この美しさには感心していました。
今回は1時間半、探索して5種類のウミウシを発見することができたのだ!
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