花が咲き、樹木は新芽を出し、生命の息吹が感じられる春。こんな春こそ、はるか人類の進化の過程に思いを馳せる・・・人類以外の多くの動物には、尻尾があるのになぜなくなってしまったのか？でも、尻尾といってもその種類は様々です。ライオンは先に毛がふさふさと付いている長い尻尾。カバは体に密着して垂れ下がった短い尻尾。では、人類に比較的近いチンパンジーの尻尾は……実はチンパンジーに尻尾はありません。
尻尾っていったい何の役に立っているの？そこで早速、動物ウォッチング！カバの尻尾は、左右に振ってフンをまき散らし、縄張りの匂いを付けるのに役立ってます。そして、太いカンガルーの尻尾は、第三の足としてジャンプするのを補助していたのです。そこで、大きくふさふさとしたリスの尻尾を、相撲の鬢漬け油で固めてみました。すると、ジャンプしたり、木の上でバランスを取ることが出来なくなってしまうのです。
 尻尾は小さな骨のつながりで出来ていて、背骨の延長上にあります。トカゲのような小さな動物でも、ちゃんと尻尾に骨があるんです。では、トカゲの尻尾はなぜ切れるのでしょう？そこで、断面をよーく見てみると、皮膚の組織がジョイントのようになっており、簡単に切断できるようになっていたのでした。
そもそも、人類の進化の過程で、尻尾はなぜ無くなったのでしょうか？そこで、サルで実験！細いロープを用意して、長ーい尻尾のあるリスザルをつかまらせてみると、うまく尻尾でバランスを取って、すいすいと渡っていきます。では、スローロリスというほとんど尻尾の無いサルをつかまらせてみると、うまく渡ることが出来ないのです！猿は進化の過程で身体が大きくなり、尻尾で木につかまるには不十分になったため、手を使ってつかまるようになり、尻尾は退化したのです。
実は胎児の頃には人間にも尻尾があります。それが、なんと成長と共になくなってしまうのです。その名残りが尾てい骨です。通常、尾てい骨は３本、背骨からの延長上にあります。でも、その形をよく見てみると、男女では大きな違いがあるのです。内側に曲がっている男性の尾てい骨に対し、子供を産むために真っ直ぐな女性の尾てい骨。そのため、尻尾のせいで女性はお尻が痛くなるということなのです。 | 
