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驚異の技!大工の科学  #382 97/05/25


 ある保険会社が行った調査によると、小学生が将来なりたい職業の第4位にランクされているという大工さん。現在の狭い住宅環境を反映してか、大工さんは今、子供たちの間で人気急上昇中なのです!

 家を建てるには、柱を立てなければなりません。柱を建てるには釘を使うのではなく、木を削って「仕口」と呼ばれるジョイントを作り、木同士を組み合わせるのです。そこで、釘対仕口、強度対決!!釘で組み合わせた柱と、仕口を使ったものに、荷重試験機で力を加えていきます。ばきっ!大音響とともに釘を使った木が割れたのは、2.5トンの荷重をかけたときでした。一方、仕口の方は5.2トンの荷重にも耐えたのです!

 大工さんの道具といえば、木を切るのに欠かせない、ノコギリ。ノコギリの刃をよーく見てみると・・・なにか刃が少しづつ互い違いに広がっています。これは「あさり」と呼ばれるものです。そこで実験!金槌で叩いてあさりをつぶしたノコギリと、普通のノコギリで木材を切ってみます!すると、さくさくと切れるあさり有りに比べて、あさりがないと切った木屑をうまく排出できず、切りづらいのです。

カンナをかける所さん 一方、カンナは木の表面を削り、美しく見せる道具です。分解してみると、木でできたカンナ台とカンナ刃、そしてもうひとつ、カンナ刃の裏にある裏座という刃があります。カンナ刃さえあれば、木は削ることができるのですが・・・そこで、裏座ありと裏座なしで木を削ってみました。通常の裏座ありではきれいに木を削ることができたのですが、裏座なしではなんと木が毛羽立ってきたのです!裏座は木の繊維を折り、繊維にそってはがれないようにするという重要な役割を果たしていたのです。

矢野さんの作ったおうちを前にする3人 柱を立てたあと、屋根の骨組みを組みます。柱と土台、屋根の骨組みで作られる図形は四角形ですが、この四角形が横からの力に弱いのです。模型で実験してみると、どんどん家の柱や骨組みがゆがんでいきます!そこで、横からの力に対抗して、柱の間に斜めの柱「筋違い」を入れるのです。風や地震に耐えるため、家には必ずこの筋違いが必要なのです。



ポイント「あさり」「裏座」etc....大工の世界には隠れた主役がたくさん!


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