日本にはあまりなじみのない動物、「ワニ」。ところが、いにしえの記録をたどると、そこには様々なところにワニの記録が!今でこそ、日本には動物園以外にワニはいないけれど、ワニの化石が発見されたり、はたまた四国の金比羅宮の金比羅とはサンスクリット語でワニを表す言葉だったり、実は日本人とワニとは古いつきあいだったのです。
現在、ワニは主にアフリカ大陸・中南米・東南アジアに生息、その種類は全部で24種類しかありません。これは、同じ爬虫類のトカゲ種・カメ種・ヘビ種に比べて、ひどく少なく、ワニは今や絶滅の危機に瀕している貴重な動物なのです。
ワニは大きく分けると、細く口のとがったクロコダイル科と、口先の丸いアリゲーター科に分かれます。両者の違いを知るために、クロコダイルとアリゲーターを家庭用ホットカーペットの上に載せてみました。どんどん熱していくと・・・ワニは哺乳類と違って変温動物で、体温の調節機能がありません。耐えられなくなればさっさと逃げ出すはずですが・・・その結果、すぐに逃げ出したのはクロコダイル!もともと水温の安定した水中に住むアリゲーターに対して、陸生のクロコダイルは温度に敏感なのです。
ワニの食事はとっても不器用。バリバリと骨ごと飲み込むようにして食べてしまいます。舌が下顎にくっついていて、巧く喉に物を送り込めないからなのですが、そのかわり、ワニの物を咬む力は凄い!なんと1平方センチあたり1トン以上の力がかかるのです。ところが、ワニには意外にも弱点がありました。なんとそれは、口を押さえられると身動きできない!のです。実は、咬む力に対して口を開ける力はほとんどありません。
現在、恐竜にもっとも近い種類といわれているワニ。恐竜の栄えた時代と同時期に、現在のワニとよく似たワニの化石が見つかっています。では、現在のワニと恐竜には何か共通点があるのか!?恐竜の胃には、胃石という消化を助ける石があるのですが……そこで、史上初、ワニのCTスキャンに挑戦!氷で冷やされ、どこか神妙な顔で機械に突入していくワニ。すると……ありました!ちゃんと生きているワニにも胃石があったのです!
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