日本人と言えばやっぱり緑茶ですが、世界は広い!なんと、世界のお茶生産の80%は紅茶なのです。そもそも、緑茶、紅茶、ウーロン茶は皆同じ木から出来ています。そこで、目隠し、鼻栓をして緑茶と紅茶を飲んでみると……匂いがしないと、紅茶は苦く、緑茶は甘く感じるのです!
なぜ原料が同じなのに味に違いが出るのでしょうか?一般に緑茶は「不発酵茶」、紅茶は「発酵茶」と呼ばれます。紅茶の製造過程だけにある発酵の段階で、お茶の成分カテキンがテアフラビンに変化し、苦味のもととなるのです。では、発酵させれば、どんなお茶の木でも紅茶になるのでしょうか?お茶の名産地、静岡のお茶の葉で、紅茶作りに挑戦!出来た紅茶をティーテイスターに味わってもらいました。すると、なぜか緑茶とウーロン茶の中間のようなものだと言うではありませんか?いったいどういうことなのでしょうか。
実は、紅茶に使われるお茶の葉と、緑茶に使われるお茶の葉は、同じお茶の葉ながら、大きさが全く違う品種なのです。さらに、苦味の元となるカテキンの量が圧倒的に異なり、味に差が出るのです。
かつて日本でも、紅茶を生産しようとしたことがありました。明治時代、大久保利通はインドから紅茶向きのお茶の品種を移植し、日本を紅茶の一大輸出国にしようとしていたのです。
今ではとても信じられませんが、実は、現在も日本で紅茶を作り続けている人がいたのです!日本産紅茶の味は、紅茶独特の苦味が確かに感じられるものの、どこかまろやか。それもそのはず、確かにもともとは、インドの紅茶向きの品種だったものが、交配などを繰り返して、葉が小さくなるなど、だんだんと緑茶向きの品種に近くなっていたのです。
さらに、日本では赤道直下のインドなどに比べて、日射量が少ないため、緑茶独特の甘味の元となるアミノ酸が増えるのです。玉露などでは、収穫前にわざわざ覆いをかけ、日射量を減らして甘味を増しています。 |