カマキリは卵から小さな幼生で生まれます。卵鞘は比較的大きく、卵を取り囲むようにして、空気の層があり、断熱材の役割を果たしているため、卵は寒さに強く、カマキリは日本全国どこにでも生息することが出来るのです。カマキリの幼生はちょっと変わった形をしていて、頭の先に突起があり、卵の中から殻を突き破って出てくるのです。しかしすぐに、成虫とそっくりの小さなカマキリとなり、10日に1回のペースで7回の脱皮を繰り返して成虫になります。成虫になると、まわりの環境に合わせ、擬態の一種で茶色や緑色になります。世界にはこの擬態が発達したカマキリもいて、花や枯れ葉にそっくりのカマキリもいるのです。
そんなカマキリを飼うことにした矢野左衛門。といっても、エサに何をあげていいかわかりません。そこで、とりあえず死んだバッタを置いてみると、ちっとも食べようとしません。では、生きたバッタでは?バッタがカマキリの前で動き始めた瞬間、カマキリのカマが伸びた!鋭い反応でエサを捕らえ、食べ始めたではありませんか!いったいカマキリはエサをどのように判断しているのでしょうか?そこで、パソコンを使って羽が動くハエのCGを作ってみます。
すると、テレビ画面に映し出されたハエの模式図にカマキリが飛びついた!そこでさらに、幼虫などを模した細長い長方形でも試してみると、長い方に動いているときは飛びつくのですが、短い方に動いているときは飛びつかないのです。どうやら、カマキリ
は普段食べているエサのような動きをしている物ならば、思わず捕食の体勢に入ってしまうようなのです。それは梅干しや納豆でも同じ。動かしてやるとカマが伸びるのですが、まずいと分かってすぐ離してしまいます。
| カマキリは虫特有の動きに反応してエサを捕らえていた! |
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カマキリの最大の武器は大きなカマ。その獲物を捕らえるスピードはわずか1/20秒!ハエやバッタなどの素早い動きにも負けない速さです。さらに、カマにはちゃんとギザギザがあり、上と下とでかみ合うようになっているため、食い込んでエサに逃げられないようになっています。では、そのパワーはどうでしょうか?そこで、早速測定!すると、なんと人間に換算すると3トン以上のパワーが発生していたのです。
カマは武器として使われるだけではありません。例えば、カマキリがよくしている、カマで目をこするような仕草は、いったいなんでしょうか?そこで、カマキリの目に細かい粉をかけてみると、なにやらカマでこすってきれいにしているのが分かります。こすっている部分を見てみると、毛のようなモノが密集しています。そこで、試しにその毛を剃って見たところ・・・こすってもこすっても目がきれいにならない!カマキリのカマはブラシとしても利用されていたのです。毛を剃ったカマキリは目がきれいにならず、満足に目が見えないため、エサを目の前にしても、捕食できずおろおろするばかり。
カマキリの一生を語る上で欠かせないのが、交尾です。オーソドックスなオスがメスの上に乗るというスタイル。でも、なにかオスがバタバタして、落ち着かない感じなのですが・・・なんと、いきなりメスがオスを食べ始めた!カマキリのオスはメスに比べて体が小さく、共食いの時には常に被害者なのです。交尾の時も例外ではありません。交尾が終わると食べられてしまったり、交尾の最中に食べられてしまったり。カマキリだって楽じゃないんです。
| カマキリのオスは交尾をするのも命がけ! |
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