アシカの仲間には、オットセイやトドがいます。その特徴は前足が大きく、後足が前に曲げることが出来ることと、ちゃんとした形の耳があることです。一方、アザラシは、前足が小さく、後足も曲げることが出来ません。耳も穴が開いているだけ。しかし、外見上の違いはそれだけ。「ゾウアザラシ」のような大きい種や「ゴマフアザラシ」のような小さな種まで、大きさも様々です。
まずは、アザラシを探し求めて、矢野さんがやってきたのは三重県の二見シーパラダイス。ここにはなんと、アッカンベーをするアザラシがいるのです!しかし、確かに、芸をすることはするのですが、よく見かける派手な芸のオットセイに比べてなんかダサい・・・そこで、アシカとアザラシ、その生態はいったいどこが違うのか!陸上での5m競争に挑戦!すると、なんとアシカの圧倒的勝利!よーく見てみると、前足をしっかり使って四足歩行しているアシカに対し、アザラシは尺取り虫のようにもぞもぞと進んでいるだけ。次は、水中での動きをチェック!すると、前足を使って平泳ぎのように泳ぐアシカに対して、アザラシは後足だけを使い、まるで魚のように泳いでいます。
| アシカは陸上向き、アザラシは水中向き! |
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アシカもアザラシも、海に棲んでいるものの、私たち人類と同じれっきとした哺乳類。でも、その体の仕組みは私たちとは大きく異なっています。例えば、皮下脂肪。太っていることにかけてはアザラシにも引けを取らない矢野さんと、アザラシの皮下脂肪を超音波エコーで測定してみます。すると、アザラシの圧倒的勝利!極地で生活するアザラシには、断熱材として厚い皮下脂肪が重要だったのです。
さらに、毛皮にも秘密が隠されていました。アシカの仲間であるオットセイの毛皮をよーくみてみると、幾重にも層が重なって空気層を形成し、断熱効果を発揮しています。さらに、そんな毛皮で夏は暑くないの?サーモグラフィーで、運動後のアシカを見てみると、なんと、後足が真っ赤!汗をかかないアシカやアザラシは、太い動脈の回りを細い静脈が取り巻き、簡単に熱交換が出来るようになっているのです。
温帯・熱帯に生息しているアシカに対し、南極・北極など、極地を中心に生息しているアザラシ。日本国内でも、冬の季節、北海道のオホーツク海沿岸では、流氷にのってやってくるアザラシの姿が見られます。その一方、アシカを見たという話は聞きません。
実は、かつて日本にもアシカはいました。その名もニホンアシカといいます。ところが、戦前から戦後にかけての乱獲によって絶滅。もう数十年もその姿は確認されていないのです。しかし、スタッフはニホンアシカの姿が映っている貴重なフィルムを発見!
| 日本にもアシカが住んでいた! |
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