人間の利き腕は、実に9割が右手・右利きだといいます。すると、左利きの人の割合はわずかに残りの1割でしかありません。レポーターの矢野さんはもともと右利きです。しかし、ここは敢えて左利きの生活にチャレンジ!すると…缶切りやワインのコルク栓抜きの道具類をはじめとして、自動販売機のお金の入れ口、公衆電話のドア、電車の自動改札機、いずれも右利き向けに位置が設定されていて、左利きだと不便この上ありません。
そもそも、動物には利きというものがあるのでしょうか?そこで、チンパンジーを観察してみます。すると、右手で道具を使ってハチミツをなめるタイプと左手を使うタイプに分かれています。さらに、ナッツを割る姿を観察してみると、ハンマーを持つ手にも、共通点が確認されます。数を数えてみると、6対4で右利きの方が多いようです。では、人間にはいつ頃から利き腕というものが発生するのでしょうか?確かに赤ちゃんには利き腕がないように見えますが…1歳児の食事風景を観察してみると、なんと4割程度が左利きなのです。その後多くが矯正され、利き手が確定する5歳ごろには、右利きが多くってしまうのです。
| 人間は元々右利きが多い訳ではなかった! |
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「利き」は腕だけのものではありません。実は足にも利き足があります。例えば、一歩踏み出すとき踏み出す方の足、物を蹴るときに使う足などが利き足だといえます。一方、利き足でない方の足は、体重を支える役割を果たし、軸足と呼ばれます。
そこで、右足が利き足の矢野さんが、目をつぶって百回足踏みしてみます。すると、なんとその場にいるつもりがどんどん左の方へ行ってしまうではありませんか!右利きの場合、軸足の左足には右足よりも体重が多くかかっていて、自然と左の方へと体が導かれていくのです。陸上競技のトラックが左回りであるのには、軸足の方へとカーブしている方が、競技者のほとんどを占める右利きの選手が回りやすいからなのです。
左利きには天才が多い、というのは歴史的に見て明らか。作曲家のバッハは左利きだったといわれています。そこで、バッハの曲とショパンの曲を弾いて、脳波の変化を見てみます。すると、左手が活躍するバッハの曲は、左手を司る右脳が活発に反応しています。それに対し、ショパンの曲は右手を司る左脳の反応がほとんど。バッハが左利きだったというのは本当のようです。
左利きの人が必ず直面するのが、矯正という問題。多くの人が右利きや両利きへの矯正を余儀なくされてきました。ところが近年、左利き用の生活用品も増え、左利きが認められる傾向になってきたのです。
| 左利きは個性だ! |
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