もうすぐ四月!春爛漫の中で、咲き誇る春の花たち!中でも、子供たちにもっとも人気があるのがチューリップ!色とりどりの鮮やかな花、まっすぐに伸びた単純で印象的な花の形。でも、チューリップにも千差万別様々な種類があるのです。赤・黄色・ピンク・その数なんと2500種類にも!
チューリップは北緯40度を中心とする地中海・トルコ・中央アジアなどの乾燥地帯が原産地。でも、現在は日本がオランダに次いで栽培面積ではなんと2位なんです。そんなチューリップの美しい色は、虫にも人気があるのでしょうか?そこで、蝶を使ってチューリップの人気をチェックします。対抗馬はウメとアブラナ。果たして蝶はどの花を選ぶのでしょうか?
その結果、なんと蝶はチューリップには全く興味を示さなかったのです!そこで、各々の花をよく見てみると・・・蝶の大好物である蜜がチューリップにはないから集まらないのです!チューリップに集まるのは、実はハチ。ハチは栄養価の高い花粉を幼虫のエサにしていたのです!
| 花粉団子は栄養たっぷり! しかも人間が食べてもおいしい! |
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ハチの働きでチューリップが受粉すると、300粒以上のタネが作られます。薄っぺらでひからびているように見えるタネは、乾燥に耐えるために作られたものです。タネを植えても、すぐに芽が出るわけではありません。1年目はモヤシのようなひょろ長い芽がでるだけ。2年目も3年目も4年目も枯れては生えるということを繰り返しながら、少しづつ大きくなっていきます。花を咲かせるまでに、なんと7年もの年月が必要なんです。
矢野さんがチューリップを見るためにやってきたのはチューリップ生産量日本一!の富山県は砺波市。ところが、この時期まだチューリップは咲いておらず、あるのは温室栽培のものばかり。ところが、矢野さんが目撃した光景は、その貴重なチューリップの花を次々ともいでいく人の姿。実は花を咲かせる栄養を球根に向け、大きな球根をつくるために花を摘むんです。
球根はいったいどんなもの?半分に切ってみると・・・いくつもの層になっています。球根は鱗片と呼ばれるでんぷんの層によって作られており、タマネギなどと構造は同じ。植える直前の球根を見てみると、中身がずいぶんスカスカになっています。そこで、中に出来始めている芽の部分を切断してみると・・・なんと、球根の栄養を使い、中ですでにチューリップの各部分が完成しているのです。
チューリップはどうしてタネと球根、両方必要なのでしょうか?中央アジアの原種の姿を見てみると、そこは、降水量がわずかしかなく、ほとんど雨の降らない地域。タネが全滅しても、球根で生き抜くという、涙ぐましい努力がそこにありました。さらにそこから、人間のたゆまぬ品種改良の努力があって、現在のチューリップの姿があるのです。
| 新種の球根を作るには20年もの月日が必要なのだ! |
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