夏野菜の代表格、キュウリ。みずみずしく、爽快な歯ごたえ、またおいしい季節がやってきました。キュウリは、奈良時代に伝来して以来、日本人とはとても馴染みの深い野菜、しかし、今我々が食べているキュウリは本物のキュウリではないという!
キュウリの畑と言えば、茎が垂直に伸びて、細長い身が垂れ下がっているのが普通。ところが、同じウリ科の植物であるメロンやスイカ、カボチャは地面を這うようにして育っています。そこで、埼玉県の試験場を尋ねてみると・・・なんと、昔のキュウリは地面で育っていたのです。その昔、とある漁村でキュウリ畑の隣に魚の網を掛けて置いたところ、キュウリのツルが網に絡んで伸び、実が垂れ、倍以上の収穫があったのです!それ以来、全国のキュウリはみんな縦に育つようになってしまったというわけなんです。
お店で売られているキュウリの苗をよく見てみると、なにやらクリップのようなものがついています。聞けば、キュウリは自分の力ではなく、他人の力を借りて育つといいます。そこでキュウリの苗工場(!)を直撃!すると、なにやらキュウリの苗をカボチャの苗にクリップで留めているではありませんか!病気に強いカボチャの根を利用して、キュウリが育っていたのです。
夏に黄色い花を付けるキュウリ。すぐに雌花の子房が大きくなって、1週間ほどで収穫できるようになります。見た目には、昔のキュウリと今のキュウリは大した違いはありません。そこで、矢野さんが昔のキュウリを触ってみると・・・痛い!立派なトゲが手にブスリ!なぜ昔のキュウリにはトゲがあるのか!?そこで、キュウリが大好物のウサギに食べさせてみると・・・飛び上がって後ずさり!大好きなはずなのに、口を付けようとしません。
| 昔のキュウリには身を守るためのトゲがあった! |
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曲がったキュウリはおいしい、などと言われることがあります。しかし、キュウリが曲がるのは、障害物にぶつかるから。地面やヒモにぶつかると、簡単に曲がってしまいます。それでは、味に差があるのかチェック!味にうるさい東京農業大学の生徒に食べ比べてもらいました。同時に成分を分析。ところが、結果にはほとんど差がありませんでした。同じ畑で出来たキュウリなら曲がっていても、まっすぐでも同じなのです。
キュウリはツルで何かにつかまりながら伸びていきます。しかし、アサガオのように茎がツルになって巻き付くわけではなく、巻きヒゲと呼ばれる部分が巻き付くのです。さらに、巻き付いた後になにやらスプリングのようになっているではありませんか。実はキュウリはヒゲで様々なものにつかまり、衝撃を和らげながら成長していくのです。
小さな未熟メロンの漬物というものがあって、なにやらキュウリに似た味がするらしいのです。確かにメロンとキュウリは同じウリ科の植物、なのですが、ということはキュウリは成熟していないということなのでしょうか?そこで、矢野さんが畑で見つけたのは、ばかでかい黄色のキュウリ。なんと育ちに育ちまくった完熟のキュウリらしいのですが・・・完熟キュウリはとてもまずい!すっぱい!さらに、昔のキュウリも登場!これも激マズ!!
| 私たちの食べているキュウリは熟していない実だった! |
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