暑くなると美味しくなる!ビールのお供といったらやっぱり枝豆ならぬソラマメ。栽培種では最大のソラマメは、ご存じの通りの大きな豆で食べがいのある豆の王様です。しかし、様々な形で私たちと触れ合う機会のある枝豆=大豆に比べて、ソラマメはどこか影が薄いのが正直なところ。旬が短いのも原因のようです。
ダイズ、アズキ、エンドウマメ、ヒヨコマメ、レンズマメ・・・世界で広く食されているマメ科の植物。中でもソラマメは莢が空に向かって伸びているように見えるため、ソラマメと名付けられています。ソラマメは奈良時代にシルクロードを伝わって日本へやってきたといわれ、未熟な青い豆と完熟した茶色い豆の両方を食べるのは日本と中国だけ。日本では青いものは塩ゆでに、完熟のものはお多福豆などにされるのが一般的で、よくソラマメを食べる民族だといってよいでしょう。しかし、世界は広い!毎日のようにソラマメを食べる国があった!・・・それはエジプト。ペーストにしたり、砕いて揚げたりして、朝食の定番メニューとなっているのです。
| エジプト人はソラマメ好き!
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ソラマメの皮をむくと、手についてしまうのが、ちょっと変なクサイニオイ。ソラマメ嫌いの人はそのニオイがイヤということが多いようです。しかし、その成分は50種類以上!とても複雑なニオイのようです。そこで、ニオイはいったい何のためにあるのか?その正体を確かめるため、お猿さんにソラマメを食べてもらいました。すると・・・バクバク食べてしまうではありませんか!しかも、器用に皮をむいています。どうもニオイは防御の役割はなさそうです。
| ソラマメの皮は食物繊維が豊富!食べた方が健康にいい!
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ソラマメに限らず、一般的にマメ科の作物は蝶型花と呼ばれる蝶の形をしたきれいな花を咲かせます。雄しべと雌しべは3枚の花びらに隠れているのですが、その奥の根元に蜜があり、雄しべと雌しべは先端が少し上に向かって曲がっているのです。実はそこがポイント。蜜を吸おうと奥の方に頭をつっこんだ虫の重さによって花が下がり、雄しべと雌しべの先端が虫のお腹にあたり、受粉しやすくなっているのです。
ソラマメはマメ自体も大きければ、莢も巨大。莢はもともとは葉で、気孔があり、呼吸していることが分かります。その莢を開けてみると、なにやらワタのようなものがあります。実はこのワタは、ソラマメが10月に種まきをして、冬を越して、3月に花を咲かせて、5月に実を付けるという、冬越しの成長に外気から身を守るというコートの役割を果たしているのです。
日本では現在、残念ながら塩ゆでがほとんどというソラマメの利用法。そこで、日本伝統のマメ文化にのっとり、目がテン恒例のマメ科植物利用手段にチャレンジ!まずは、形を活かしたソラマメの巨大納豆。ティファニーのペンダントにもなっている麗しい姿もそのままに、煮たソラマメに納豆菌をふりかけ・・・妙に巨大な納豆が完成!さらに、大豆より糖質が多いことに着目し、ソラマメあんこの制作にも挑戦。グリーンの美しい色を活かしてウグイスあん風のものが完成!
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