放送内容

第1434回
2018.07.15
移住体験・奄美大島 の科学
[前編]
場所・建物

 今回の目がテンは「移住シリーズ」第3弾!舞台は、鹿児島と沖縄の間に位置する南国の地「奄美大島」。近年、訪れる人が増え、人気も急上昇。手付かずの山々に、南国の美しい海。島ならではの独特な風習や文化が残る、今注目のスポットなんです。そんな奄美大島に俳優の金丸慎太郎さんが、いつもよりちょっとだけ長い、10日間の移住体験。移住体験プレゼンターとして、町の魅力を科学の目線で探ります。この地で暮らす先輩移住者との触れ合いや…地元の方たちの温かさ。実際に暮らしてわかった理想の移住生活とは?
 今回は、奄美大島の魅力が詰まった10日間の移住体験を、前後編、2回に渡ってお送りします!

奄美大島で家探し!

 成田から格安航空便でおよそ2時間30分、奄美空港からバスを乗り継ぎやって来たのは、奄美大島の北部「龍郷町」。 まずは、恒例の「家さがし」。いつものように空き家バンクを利用するため、役場の方に話を伺いますが、空き家バンクの制度自体はあるが、なんと登録がゼロの状態。
 実は奄美は空き家自体はあるのですが、持ち主が島外へ出ていったきり連絡がつかなかったり、島へ戻る際の住居として使っていたりするためなかなか登録されないのが現状。そこで、他に家を探す手段を聞いてみると、町が管理している住宅が、ちょうど1個空いているとのこと。そこで、さっそく物件を案内してもらいます。

 南国感溢れるアパート。その中は、広い空間に畳。そして窓からは、奄美の美しい自然が広がっています。和室が2部屋に洋室が1部屋。100m²超えの3LDK物件。気になるその家賃は、3万5千円。
 しかし金丸さん、奄美といえば海ということで、改めて海に近い部屋を紹介していただくことに。そこで、役所の赤尾さんの知り合いの家があったいうことで紹介してもらうことに。実は奄美では、知り合いを介して物件を借りるのが一般的。
 こちらがその物件の持ち主西田さん。紹介してくれたのは築60年の一軒家。

 広い部屋に縁側もあります。中でも、この家一番の売りが五右衛門風呂。ちゃんと薪を外でくべて水をためてお湯を沸かさないと、シャワーもお風呂も入れません。さらに、家具や食器は備え付けでトイレはピカピカの最新式!家の隣には物置までついた6DK物件の家賃は、なんと2万円。
 本来は集落に暮らし、信用を得てから借りられるのですが、今回は特別に貸して頂きました。金丸さんが暮らすのは、東シナ海に面した秋名集落。昔ながらの風景が残り、およそ120世帯が暮らす集落は、島内きっての水田地帯。
 さらに、毎年秋に稲の豊作を祈願して、日の出とともに茅葺屋根を揺すり倒す「ショチョガマ」や、「平瀬マンカイ」と呼ばれる五穀豊穣を祈る祭事など、特色ある祭りが多いことから、“文化の里”とも呼ばれています。この町で10日間の移住体験が始まります。

 早速、金丸さんが向かったのは秋名集落区長のもと。恒例の今治タオルでごあいさつ。そんな中、1年半くらい前に横浜から移住してきた村上さん家族。
 移住前はIT関係の仕事をしていましたが現在は地域おこし協力隊として町のPR業務を行っています。
 その日の夕方、村上さんから歓迎会のお誘いがあり集会所に。そこには、若い人から年配の方まで、大勢の地元の皆さんが。奄美の郷土料理でもてなしてくれました。ご飯に鳥ダシスープをかけた、名物「鶏飯」。さらには、油ソーメン!こうして移住者を温かく迎えるのも、島の恒例です。
 そんな人との触れ合いが移住のきっかけになったと村上さんは言います。宴の最後は、島伝統の歌と音楽で。こうしたおもてなしが奄美移住の魅力。

 移住初日から人々の温かさに触れた金丸さん。
 こうして、移住生活1日目が終了。明日はどんな出会いが待っているのでしょうか?

奄美大島の先輩移住者へ密着!①

 移住生活2日目。この日は、初日に出会った先輩移住者、村上さんに秋名集落を案内してもらいます。
 まず案内されたのは、家から徒歩わずか2分、村上さんの息子が通う保育所です。さらに、町には子育てに欠かせない場所がほかにも。地元の方が集まる商店では、地元の方が村上さんの息子さんタイスケ君にアイスを買ってくれました。子育てに向いた環境、これが奄美移住の魅力の一つ。

 続いてやって来たのは、地元の食材が揃うスーパー。店内には島でとれた新鮮な食材がずらり。そんな中、金丸さんの目にとまったのが、みきという島の飲み物。みきとは、お米に砂糖、サツマイモを原料とする発酵飲料。お米のヨーグルトと呼ばれ、昔から島民に親しまれています。

 さらに、村上さんが家族でよく行く場所があるようです。やって来たのは奄美の自然を体験できるスポット。村上さんも顔見知りの指導員の方に案内してもらいます。
 すると、さっそく見つけたのはアマミイシカワガエルという奄美大島にしかいないカエル。さらに、森の奥へと進むと奄美大島にしかいない国の天然記念物ルリカケス。美しい姿ですが、こう見えて実はカラスの仲間。他にも奄美でしか見られない固有種の植物が。
 そんな中、村上さんとっておきの場所というのが、奄美大島の素晴らしい景色を見渡せる場所。子供が気軽に自然に触れられる環境。これも奄美移住の魅力です。

 夕方、自宅へ戻り五右衛門風呂を沸かします。鉄の釜で熱いため、踏み板を入れます。この日を終えた金丸さんの感想は、「本当に奄美を1つ愛している部分さえあれば、移住自体はすんなり上手く行くと思います」と語りました。

奄美大島の先輩移住者へ密着!②

 移住生活3日目。この日は別の先輩移住者を訪ねます。10年前、東京から移住してきた小坂田さん夫妻。
 移住前、水道資材の商社マンだった小坂田さんがいま取り組んでいるのが、奄美の島の宝「黒糖焼酎」のインターネット販売。もともとサトウキビの生産が盛んな奄美大島。そこからできる黒糖と米麹を原料とし、昔から作られてきたのが「黒糖焼酎」。この地域だけの特産品です。

 小坂田さんはそれまであまり本土に流通していなかった黒糖焼酎を全国に広めるため、インターネットで販売をはじめ、今では人気を呼んでるそうです。

 そんな小坂田さんが、知り合いの先輩移住者を紹介してくれました。4年前、東京から移住してきた土屋さん。実は、移住する前はなんとヘビメタバンドのボーカルとしてメジャーデビューもしていましたが、そこから農家へと華麗なる転身を遂げます。
 土屋さんが育てているのは、パッションフルーツ。実は奄美大島はパッションフルーツの生産量が日本一。
 移住前は農業の経験ゼロだった土屋さん、奄美市の農業研修センターで1年間勉強しました。奄美では、研修を1年間受けるとビニールハウスを無償で借りられるため、助成金をもらいながら、一人前になろうとされています。
 島の農業を学べる環境がある。これも奄美移住の魅力です。

 午前中で仕事を終え、向かったのは、二人の大好きな「釣り」。すると、すぐさまヒット。金丸さんも釣りに挑戦!すると、まさに入れ食い状態。手軽に自然を満喫できるのも奄美移住の魅力。

 夜、向かったのは土屋さんが趣味で開いているお店。農業の合間、月に10回ほど知り合いを招き、自慢の手料理を振る舞っているそうです。今日釣った魚もオシャレな蒸し料理に!
 移住生活3日目を終えて金丸さん、スタッフに実際に住んでもいいかと聞かれると、はっきり「思います」と語りました。