放送内容

第1451回
2018.11.18
かがくの里・田舎暮らし の科学[収穫祭1] 場所・建物 食べ物 自然・電波・鉱物・エネルギー

 2014年11月、かがくの里は、何もない荒れ地をゼロから科学者たちと開拓するところから始まりました。それから丸4年、当たり前のように豊かな実りに恵まれるようになったこの土地で、1年に一度の、大イベントが今年もいよいよ始まっちゃいます!
 4回目となるかがくの里の収穫祭、今回は、すべてがスケールアップ!!里の恵みを豪快にガブリ!里山では豪快にブラーン!さらに!!え!?クレーン車でウナギ捕り!?ウナギを絶滅から救うかもしれない驚きの実験結果が!
 今年も楽しさ満載!目がテン・かがくの里大収穫祭スペシャル!!

里山再生プロジェクト始動!

 ようやく今年1月から取り組み始めた里山再生プロジェクト!荒れ放題の里山は、本来山奥で暮らすイノシシが人が住む場所まで降りてきてしまう原因の一つなんです。そこで阿部さんが、地元森林組合の皆さんの助けを借りて、里山整備をスタート。一生懸命、木を切って、キレイにした里山。急な坂を上ると、素敵な景色も。これも里山の木を間伐したおかげ。

 その、間伐で出た木材で出来たのが…。
 すべての始まりは、阿部さんがシャワーの後に着替える場所が欲しいと漏らした一言。助っ人として、地元の職人さんたちが集結!全て里山の間伐材で、なんと!こーんなに立派な小屋が完成!

 しかも収穫祭に合わせて、さらにすごくしたようで。小屋造りを助けてくれた、阿部さんの親友、西野さんが直前までいろんな装飾をしてくれたんです。巣箱も、みんなのツナギの色に合わせて5つ!素敵!
 そもそも小屋の目的は、阿部さんの脱衣所でしたが、中に入ると、と~っても女子力高いオシャレな内装。手伝ってくれたのは、西野さんの友人、中野さんのセンス。

かがくの里の収穫物を味わう!

 農業の専門家、高橋先生のおかげで今年も豊かな実りに恵まれた、かがくの里。ナスやキュウリなどの夏野菜にも初挑戦。阿部さんもつきっきりで頑張りました。今年も、豊かな実りを、所さんたちにたっぷり味わっていただきましょ!
 かがくの里で、今年初挑戦した一つが、大麦。去年12月、「春雷」という品種の大麦を小麦と同じ日に畑へまきました。大麦は世界最古の穀物で、日本でも古くから麦飯や麦みそで食べられてきたもの。最近、食物繊維が豊富な健康食材として注目されています。

 大麦は厳しい冬を乗り越え、年末には出芽。すくすくと成長して、4月には穂が。6月に入ると、緑豊かな初夏なのに、麦だけが黄金色に。麦秋と呼ばれる収穫の時です。機械で刈り取り、一月ほどハウスで乾燥。脱穀して実だけを取り出しておきました。
 食べる時は、精麦といって皮を取る必要がありますが、今回は皮付きのままでいい麦茶に!一度よく洗い、乾燥させてから10分程炒った大麦にお湯を注ぐと完成。阿部さん手製の麦茶。所さんも「おいしい」と満足。

 ちょうどお茶うけが欲しくなってきたところに、露久保先生が芋けんぴを持って登場。実は露久保先生、サツマイモがご専門。
 収穫祭のため、前日から100%サツマイモの芋けんぴ作りをスタート。材料は、里で獲れた甘い安納芋。これをフードプロセッサーですりおろし、鍋に入れて、ひたひたの水を加えます。これを弱火で煮ていくんですが、ここで調理科学的ポイントが!

 「70度を超えない温度帯」

 サツマイモのデンプンは生では甘くありません。しかし、ベータアミラーゼという酵素が働くとデンプンが分解され、甘い麦芽糖になります。

 ベータアミラーゼの働きがいちばん活発になるのが60度から70度。この温度帯でヨーグルトメーカーを使い8時間保温。ベータアミラーゼで甘くするんです。
 8時間後。デンプンは麦芽糖に変わっているはず!ザルに上げ、液体だけを取り出します。これをドロドロになるまで煮詰めればサツマイモ100%の水あめが完成です!揚げたサツマイモを絡めると、オールサツマイモの芋けんぴ!

 その時、小屋にもう一人の科学者、川村先生が!自然エネルギーに詳しい川村先生。毎年の収穫祭で、太陽熱でお湯作りにチャレンジするんですが、天気に恵まれず、いっつも微妙な温度に。
 今回は、目がテンの発明王、酒井さんと一緒に改良に乗り出したようですよ!今回こそ、お湯は出るかな?

 気になる装置は、黒いホースに水を入れ太陽熱で温めるのは変わってませんが、改良ポイントが2つ。1つ目は、ビニールシートで温室効果、二つ目は反射膜で太陽熱を最大限利用すること。理論上、冬場でも60度のお湯が作れる装置。今年こそお湯は出るのか?
 しかし、今年も大失敗!実は前日は土砂降り。当日は朝から晴れたものの、今年も温める時間が足りませんでした。

 ともあれ、見事に完成した小屋。これまで小屋としか読んでいませんでしたが、所さんに命名していただきました。その名も「小屋の中の小屋」。命名者の所さんにサインをしていただいて、本当の完成です!!

西野さん特製イノシシ料理

 そして、西野さんからお腹に入るプレゼントが。西野さんが朝から準備していたのは、地元で獲ったイノシシ肉の串焼き!

 ヨーグルト、味噌、ダシで味付けするのが西野さん流。里のイノシシは、イベリコ豚の最高級品と同じでドングリを食べているからおいしいんですって!さらに、西野さん、イノシシのスペアリブも用意していただきました。

 おいしく盛り上がってる大収穫祭。次回はいよいよウナギ養殖プロジェクト!!6月に放流したウナギを捕まえるため、みんなで大捜索!世界中が驚く実験結果が!