第1487回 2019.08.04 |
第7回 実験グランプリ[後編] | 物・その他 |
第7回を数える夏の恒例企画「第7回目がテン!実験グランプリ」。今年も不思議でおもしろい科学実験を披露してくれるチャレンジャーが集まってくれました!
今回はいよいよ後半戦!衝撃波を使った不思議な実験に新人アナウンサーのマジックショーなど、今回も見どころ満載!今年のグランプリは誰の手に?
衝撃波を使った不思議な実験!
前半戦も大盛り上がりだった「第7回目がテン!実験グランプリ」。後半戦最初のチャレンジャーは、市川高等学校から来た「チーム IG SSH」!千葉県にある、市川学園市川高等学校は、先進的な理数教育を行なっているスーパーサイエンスハイスクール(通称SSH)の認定を受けた、県内有数の進学校です。今回、実験グランプリに名乗りを上げたのは、科学大好きな2年生の6人組。訪れたこの日は、小学生に算数や理科の楽しさを伝える、「小学生体験講座」の日。数多くの小学生を楽しませていました! 高校生ながら科学の楽しさを伝える彼らが今回披露する実験は…衝撃波の実験!
大きな中華鍋が2つ用意されていますが…ここで突然、目がテンの30周年を祝うケーキが運ばれてきました!
ケーキの上には、3と0の形のろうそくと、その周りに普通のろうそくが5本、立っています。これから、3と0のろうそくの火だけを、周りのろうそくの火は消さずにスタート用のピストルを打つ衝撃波で、3と0だけを消してみせると言います。周りのろうそくにも火がついているのに3と0だけを衝撃波で消すとは、どういうことでしょう?
ケーキの後ろには中華鍋があり、その反対側にも中華鍋があります。しかも、ピストルを撃つのはケーキとは反対側にある中華鍋の方だと言います。それでは、実際に見せてもらいましょう。ろうそくに火をつけ、スターターピストルを反対側の中華鍋に向けて撃つと…見事に3と0だけが消えました!
周りの小さいろうそくの火はついたままです。なぜ、3と0だけ消えたのでしょうか?
ろうそくを消したのは、ピストルの音が生み出す空気の振動です。ピストルの音が出た時に、まず空気に強い振動、衝撃波が生まれます。この衝撃波が、ろうそくを消せるほど強いものになった秘密が…中華鍋!中華鍋のような形を放物面といいます。放物面に平行に入った光や音は、一点に集まります。この点を焦点と言います。
逆に焦点で発生した光や音は、放物面に当たり、並行に跳ね返ります。先ほどの実験でも、焦点から発せられたピストルの音は、中華鍋全体に広がり、反射して平行に進みます。そして、もう一方の中華鍋に伝わると、振動は焦点に集まります。集まり強まった音の振動が、焦点付近に置かれたろうそくの炎に当たり、その部分のろうそくの火だけが消えたんです。
その証拠に、たくさんのロウソクを、中華鍋の前に縦に並べてピストルを撃ってみると…焦点付近のロウソクだけが消えたんです。
この放物面の集める性質を利用したのが、パラボラアンテナ。焦点に受信機をおき電波を集め、受信しているんです。
この性質を利用して、もう一つ実験を行います。用意したのは、大きなお手製のパラボラ2つ。この2つのパラボラを10メートル離して置きます。遠くにあるパラボラですが、片方のパラボラから、小さい声で話しても、もう片方のパラボラの焦点付近に耳を傾けると聞こえると言うんです。
審査員の小学生にも協力してもらい、実験スタート!
1人はパラボラの前で、もう片方のパラボラの前には所さんが立ちます。小学生がすごく小さな声で「好きな教科」を答えると、所さんには「理科」と聞こえました。周りの小学生たちには、何も聞こえていません。逆に所さんから「好きな色は?」と話しかけてみると、今度は「黄色」と返ってきました。もちろん、周りの小学生には会話が聞こえていません。周りの人に聞かれずに離れた場所でのひそひそ話ができたのです!パラボラは音や光を集める性質があるんです。
フレッシュな新人女子アナが登場!
続いてのチャレンジャーは、日本テレビ入社1年目アナウンサーの河出奈都美アナと杉原凜アナ。佐藤真知子アナの後輩にあたる2人です。まずは、2人の特技を見せてもらいます。
河出アナの特技は、6歳から16歳まで続け、国立劇場の舞台にも立ったという「日本舞踊」。音に合わせて、本格的な舞を披露していました。次に杉原アナが披露したのは、学生時代に熱中していたという、ハワイのダンス「フラ」。こちらも本格的な動きでしなやかな踊りを見せてくれました。
しかし、2人ともこれといったオチを用意しておらず、スタジオは困惑。そんなフレッシュな2人ですが、とある場所で面白い科学実験を習得してきたんです。河出アナと杉原アナが向かったのは、教育事業を全国に展開するワオ・コーポレーション。「科学に強い子を育てる」をモットーに実験教室やサイエンスショーも行っています。迎えてくれたのは、サイエンスショーでも活躍する松木さん。まずは、簡単な実験を体験させてもらいます。
体験する実験は、3人合計でだいたい体重150キロくらいのスタッフが乗ったシートを一人で引っ張ってみせる、というもの。引っ張るのは、ダンスで鍛えた足腰には自信があるという杉原アナ。頑張って引っ張ろうとしますが、もちろんシートはビクともしません。ですが、このシート、科学の知識があれば、引っ張れるというんです。
その方法は、「おんぶをして引っ張る」こと。余計に重くなって動きにくそうですが…杉原アナが河出アナをおんぶして、もう一度、引っ張ってみると…なんと、前に進むことができました!おんぶして引っ張ると、150キロを動かせたんです。
その違いは、摩擦にありました。おんぶすることによって二人分の体重になり、地面を押す力が強くなったのです。そして、前に進もうとする力も地面に伝わりやすくなり、重いものも引っ張りやすくなったんです。
さあ、いよいよ2人がチャレンジする実験を教えてもらいます。使うのは、水がたっぷり入った袋。練習を繰り返し、いよいよスタジオで披露します!
所さんを実験台に!?水と袋の実験!
では、新人女子アナ2人による「りんとなつみのサイエンスショー」の開幕です!
2人が用意したのは、宙吊りになって設置されている水入りの袋。その下に先輩の佐藤アナを座らせます。佐藤アナのすぐ真上には、パンパンに水が入った袋が。2人は、その袋に木の串を刺していくと言います。不安そうな顔をする佐藤アナですが、勢いよく木の串を刺すと…水が漏れてきません。さらに2人は、次々と木の串を刺していきます。何本刺しても、水はこぼれてきません。
この不思議な実験のポイントは、袋の素材が熱で縮みやすいポリエチレンだということ。木の串を勢いよく刺すことで、摩擦熱が生まれ、その摩擦熱でポリエチレンが縮みます。縮むことで、ポリエチレンが串にぴったり密着して、水が漏れてこなかったんです。
さらに、2人は袋と水でもうひとつ実験を披露します。
次に用意したのは、先ほどのように宙吊りになっている水入りの袋が2つ。ここで杉原アナ、なんと所さんを袋の下に座るように誘導します。そして、もう片方の袋の下には、裕太さんが座ります。今度は、この2つの袋をろうそくで下から炙る、という実験。所さんを実験台にした緊張の実験。袋に火を近づけてしばらく炙っていますが、水が漏れてきません!
次に裕太さんの方にも同じようにろうそくを近づけてみると…今度は袋からシャワーのように水が漏れだしてきました!
なんで、所さんの方は漏れなくて、裕太さんの方は漏れたのでしょうか?
実は、2つの袋に入っていたものが違ったんです。まず、所さんの頭の上にあった袋の中には水が入っていました。ポリエチレンの溶ける温度は約90度。水が入っていることで、表面が冷やされ、溶ける温度には達しないので穴が開かないんです。
その証拠にススを拭き取ってみると…ポリエチレンは、炙る前とほぼ同じ状態。
この原理を利用したのが、和紙で作った紙鍋。
紙は、200度以上で発火するのですが、液体が中にあるうちは100度以上にならないため、燃えないんです。
一方、裕太さんの頭の上にあった袋の中身は、水ではなく炭酸水。炭酸水には気泡があるため、ポリエチレンと水が触れていない部分ができてしまいます。熱を当てると、気泡の部分は水がなく、高温になって溶けてしまったため、穴が空いたんです。
りんとなつみのサイエンスショーは、これで終了。
いよいよ、5組のチャレンジャーから優勝者を決めます!小学生審査員たちが、グランプリに選んだのは…なんと、新人女子アナの「水と袋で科学マジック」でした!おめでとうございます!