放送内容

第1488回
2019.08.11
夏休みスペシャル・生き物編 の科学 夏休み特集 地上の動物 水中の動物

 今年の秋で放送30周年を迎える所さんの目がテン!これまで数多くのテーマを取り上げて来ましたが、中でも200回以上に渡って、不思議に迫ったのが…生き物!驚きの生態や、目がテン!ならではのユニークな実験で謎を解き明かしてきました。そこで今回!放送30年に及ぶ膨大な映像の中から“もう一度観たい生き物の名場面”を厳選!そこには、生き物の不思議な生態や!前代未聞の珍実験が盛りだくさん!
 今回の目がテン!は、夏休み特別企画!生き物のふしぎ、30年分の自由研究大放出スペシャル!

驚きの生態に迫った「スーパー能力」編

 生き物には、私たちの想像を超える驚きの能力がありました。そこで、最初に取り上げるのは、生き物のふしぎスペシャル「スーパ―能力」編。
 まずは陸上の生き物、「ゾウ」。実は、ゾウには“ある驚きの能力”が。それは、柔らかい足の裏と関係があります。ゾウの足の裏は、石など硬いモノを踏むと簡単に傷ついてしまうため神経を張り巡らせ、敏感になっているんです。そんなゾウの足の裏のスーパー能力とは?
 そこで実験!用意したのは、大量の生卵。踏まれたらひとたまりもありません。これを、ゾウが通る道に不規則に並べていきます。果たして、足の裏で卵を敏感に感じ取り、卵を割らずにこの道を通る事が出来るんでしょうか?

 実験スタート!4tの体重がほんの少しでも卵にかかれば、割れてしまいます。すると、卵にふれた瞬間、とっさに足を上げ卵は割れません。こんな小さな卵でも、足の裏でしっかり感じとっているようです。
 そのままゆっくりと慎重に、前へと進み、鼻を器用に使って、スペースを作っています。そして見事、卵を割らずにゴール!
 実は、ゾウはこの敏感な足の裏で、遠く離れた仲間の振動を感じ取り、コミュニケーションを図っているといわれています。

 続いては水中の生き物2連発!まずはアワビ。アワビの特徴といえば、一枚の貝殻。ひっくり返すと身が丸出し。海の中の外敵から身を守るため、岩にひっつくのですが、その吸着力はとんでもなく強力。ちょっとやそっとの力では簡単に剥がれません。では、アワビの吸着力は一体どれくらい強いのか実験です。
 水槽の底にしっかりと張り付いたアワビ。まずは、貝殻の両端にフックを引っ掛けます。そして、その先に滑車を通し、ワイヤーでアワビとこの白いカゴを繋げそこへ重りを入れていきます。
 まずは、500gの重りからさすがアワビの吸着力。びくともしません。さらに500gを加えて1kg、まだまだ平気な様子。その後、重りを増やしていき、ついに5kg。必死で引っ付くアワビ。一体どこまで耐えられるのか?限界への挑戦です!しかし、5kgの重りには耐えきれず、ひっくり返ってしまいました。

 続いては、バカガイのスーパー能力!お寿司でよく食べられる「青柳」…通称バカガイ。その特徴は、殻からニュルンと飛び出した舌のようなモノ。実はこれがバカガイのスーパー能力の秘密!

 透明な砂に置いてみると、舌を小刻みに振動させ、砂の中へ!実はこの舌のようなモノ「斧足(ふそく)」と呼ばれる筋肉。これを伸ばしながら先端を曲げ、砂に引っ掛けて潜っていくんです。そしてこの斧足(ふそく)には、砂に潜る以外にも“ある驚きの能力”があったんです!
 そこで実験!バカガイの潜っている水槽に2枚貝を食べてしまうという天敵の「ツメタ貝」を置いてみました。すると、砂の中から飛び出し大ジャンプ!高さを表示した水槽を用意し、ジャンプ力を計測すると、18cm!

 バカガイの大きさは、およそ5cm。これは人間が垂直跳びで、なんと身長の3倍以上、つまり5m以上もジャンプした事になるんです。これぞ…バカガイのスーパー能力、驚異のジャンプ力でした!!

「時間をかけて調べてみました」編

 続いては、長時間におよぶ実験で明らかになった生き物の生態。題して「時間をかけて調べてみました」編。まずは、陸上の生き物「ハシビロコウ」。

 今からおよそ6年前。「動かない鳥」として、たちまち話題になりました。
 では、ハシビロコウはどのくらい動かないのか?動物園の開園から閉園まで7時間、その様子を観察します。ハシビロコウが動かない時間をストップウォッチで計測。実験開始から、やはりピクリとも動きません。その後、お昼を過ぎても、ほとんど動きのないハシビロコウ。そして、7時間の観測で、動いていたのはわずか1時間。暑かったのか、日陰を求め、ゆっくりと移動していました。

 でも一体なぜこんなに動かないのでしょうか?実は、野生のハシビロコウは池に住む魚が大好物。魚に気づかれないよう、じっと動かず気配を消し、魚を確実に仕留めるため、じっと動かないという習性があったんです。

 続いては水中の生き物、シロイルカが寝る決定的瞬間を、ひたすら待ちました!向かったのは閉館後の鴨川シーワールド。白イルカは夜、熟睡してしまうと外敵に襲われる危険があるため片方の脳だけを活動させながら眠る半休睡眠という睡眠法をとります。

 片方の脳が休んでいる時は、反対側の目が閉じていて、反対側の目が開いているといいます。
 そこで、水槽の前にカメラを仕掛け、シロイルカが眠る瞬間をモニタリング。観察開始から1時間。パッチリと目を開け、まだ起きている様子。そして、さらに待つこと1時間先ほどより、明らかに動きがゆっくりになってきました。時刻は深夜2時。イルカより先に僕が眠りにつきそうになった…その時!
 片方の目はしっかり閉じ、もう片方は開いてます!
 これが半球睡眠の決定的瞬間!4時間におよぶ観察で、みごと貴重なシロイルカの寝姿を撮影することができました!

「史上初?の珍実験」編

 目がテンではこれまで、数多くのユニークな実験で生き物の生態を明らかにしてきました。そこで、生き物のふしぎスペシャル、続いては「史上初?の珍実験」編!
 まずは陸の生き物・サソリを使った、こんな無謀な珍実験!刺されたら死亡することもある、超キケンな生物「サソリ」。ですが、動かなければサソリは刺してこないというんです。そこで、専門家たっての希望で、なぜか自らカラダを張って実証してくれることに。刺されたら一発アウトのキケンな実験。
 緊張の中、さっそくサソリを投入。すると、猛スピードで先生のもとへ!一瞬、ハサミが先生の頬をかすめ、ヒヤリとしましたが、そのまま素通り。その後、顔の周りを何度も往復するも、結局刺さず。動かなければ刺さないというのは本当だったんです!サソリは生き物が出す小さな振動を感じて攻撃してくるんです。だから、じっと動かず振動を出さなければサソリは刺さないんです!

 続いては水中の生き物「ペンギン」の珍実験。水族館でペンギンのパレードを見ていてひとつ気になることが。先頭を歩く、ペンギンが歩き出すと、みんなで同じ方向へついていきます。
 では、ペンギンは必ず先頭についていくのか?目がテン!が総力をあげて作った「目がテン!ペンギン」で実験です。実験スタート!「目がテン!ペンギン」が近づくと本物と思い込み、皆ついてきました!そして、「目がテン!ペンギン」が止まると後ろのペンギンたちも立ち止まりました。実は、群れで生活するペンギンは、先頭の様子を見て、安全を確認し危険を回避する習性があるんです。「目がテン!ペンギン」を仲間と認識した珍実験でした!

 続いても水中の生き物、ホタルイカの珍実験!ホタルイカは、その名の通りホタルのように青く光ります!
 では、一体どのように光っているのかというと、光を放つのは「第4腕」と呼ばれる腕の先端部分。3つ並んだ黒い部分が発光器になっているんです。そして敵に襲われると、この発光器を光らせて相手を威嚇。試しに、電気を消した状態でホタルイカをすくってみると、強い光を放ち、威嚇しています。では、この青い光は、一体どれくらいの明るさなんでしょうか!?
 そこで実験!用意したのは、新聞紙。中国の故事によると「貧しい若者が夜遅くまでホタルの光で勉強した」という逸話が。これが本当なら、ホタルイカの光でも新聞の文字が読めるはず!
 さっそく、新聞紙の上に透明のケースを置き、そこへ大量のホタルイカを入れて新聞を照らします。果たして文字は読めるんでしょうか?すると!光に照らされ、見出しがはっきりと!ホタルイカの光を使った前代未聞の珍実験でした!

 ちなみに、2014年10月に、目がテン!25周年を記念して、沖縄・西表島へ新種生物を探しに行った際に、ヤドカリの仲間「トコロ クダヒゲガニ」と、カニの「メガテンガニ」、そしてゾウムシ「ペンフェルルス メガテン」と「トコロジョージ ヒメクモゾウムシ」計4種の新種を発見。そしてなんと!「トコロジョージ ヒメクモゾウムシ」が記載された論文が、発見から3年後の2017年11月に、日本昆虫学会第8回論文賞を受賞したんです!

 この論文はヒメクモゾウムシの仲間を見事にまとめあげた事が評価されたそうです。

名作再び!「ニワトリの卵を人の手でかえす!」

 今から29年前の1990年。当時小学5年生の生徒たちが行った実験。それは、ニワトリの卵を自分たちの手でかえすというもの。3週間で卵の孵化に挑みます。
 授業中でも、大事そうに卵を温める生徒たち。体育の授業中は、孵卵器(ふらんき)に入れて温めます。こうして2週間が経ち、誕生まであと5日。この日は、順調に卵が育っているか、先生が検卵器を使ってチェックしてくれました。すると、元気に動いているものもありましたが、中には上手く育たなかった卵も。そして実験開始から3週間目。教室では、子供たちが孵卵器(ふらんき)の前に。すると、大事に育てた卵からヒナが。苦労の末に生まれる、感動と発見がありました。