第1496回 2019.10.13 |
ハッザ族 の科学② | 場所・建物 物・その他 |
『所さんの目がテン!』放送30周年記念、タンザニア・ハッザの科学。前回は、衝撃的なハッザとの出会いや、金丸さんが1週間住み込むための家作りを行いました。今回の第2弾は、狩猟民族であるハッザの本気の狩りに金丸さんが必死に同行します!都丸さんは、ハッザ女性と恋愛トーク!?今回も見どころたっぷりです!
大迫力!狩猟民族本気の狩り!
朝6時。自分で作った家で熟睡する金丸さんが起床する時間です。家の外に出ると、この集落のリーダー、ハントラさんたちが、すでに焚火にあたっていました。タンザニアの朝は肌寒く、気温は15℃。ハントラさんが岩場に登り、集落の人たちに向けて大声で「早く起きろ!焚き火をしてるから来い!狩りに行くぞ!」と呼びかけます。これで目が覚めたのか、男性たちが続々と焚き火に集まってきました。焚き火で体を温める男性ハッザ。皮膚が強いのか、焚き火に直接手を当てても平気なようです。
そして、ハントラさんが、弓を持って狩りに出かけるように促します。実は前日、狩りに同行するにあたり、ハッザが使う弓矢の説明を受けていました。ハッザの狩りは、主に弓矢を使って行います。弓の弦は、インパラの腱を乾燥させて紐にしたもの。ウストゥアコという矢の先端にはとうもろこしの芯がついていて、小鳥を貫通させずに捕らえるように作られています。さらに、鉄の矢じりに植物からとった毒をつけ、インパラやヒヒなどの中型の動物を狙う矢などを使い分けているそうです。シンプルな弓は、引くだけでも大変ですが、ハッザの人たちは軽々と引いてみせます。
日が昇ると同時に狩りに出発!狩猟犬も一緒に向かいます。実は、日本の縄文人も犬を使って狩りをしていたとされ、当時の遺跡からも埋葬された犬の骨が出土しています。狩場を目指し、歩き出して1時間。でこぼこ道を軽快に走るハッザに、ついていくだけで必死です。すでにとんでもない運動量ですが、ハントラさんが号令をかけると、鳥の鳴き声がした方向に全員全力疾走!追いついた時には、ハントラさんの手に小鳥が!即座に次の狩りに向かう一行。金丸さんも圧倒されます。
一方、都丸さんはハッザの女性たちと調理中。作っているのは、トウモロコシの粉末をお湯で練って作るウガリという料理。
肉があまりない時は、このウガリを食べるのだそう。でも、狩りや木の実を取って暮らすハッザは、農耕をしていないのにどこからトウモロコシを手に入れているのでしょう?実は、ハッザは周辺に住んでいる民族と交流があり、トウモロコシの粉や必要な衣類などは、女性たちが手作業で伝統工芸品を作り、それを売ったお金でダトーガという民族から買ったのだそう。都丸さんも見よう見まねでお手伝いします。メインは、1週間前に獲れたインパラを日干しにした干し肉をゆでたもの。ウガリはあまり味がしないそうで、干し肉から出たダシにつけて食べるのがハッザ流。都丸さんも付けて一口!「お腹いっぱいにはなるけど、なんか物足りない」と感じたみたいです。
一方、金丸さんは獲物を探し、走っていました。また何かを見つけたのか、急に走りだしたハッザ。金丸さん、その速さに全くついていけず。ようやく追いついた頃には、すでにホロホロチョウというキジ科の鳥を捕まえていました。またしても狩りの瞬間には間に合いませんでしたが、実はこの時、事前にハッザの男性に目線カメラを装着していたんです。そこには、獲物を捕らえた決定的瞬間が映っていました!鳴き声を頼りに獲物を探し、木の上にホロホロチョウを見つけたハッザ。弓を構え、一発で射抜きます。木から落ち、なおも逃げるホロホロチョウ。それを狩猟犬が追いかけ、捕まえます。
あっという間の出来事。見事な腕前でした!ハッザは、毎日朝と夜に狩りに出て、食糧を探します。獲物が、夜は寝静まっており、朝は寝ぼけているので、仕留めやすいのだそうです。
広大なサバンナにまさかの温泉が!
さらなる獲物を探し、狩りを続けていると、狩りの途中にも関わらずハントラさんが立ち止まり、赤い実を摘み出しました。これは11月から4月にかけて実をつける、コンゴロペという木。訪れた6月頃は、実が乾燥していて、干し柿の様な味になるそうです。さらにハントラさんは木に登り、腰を据えて木の実を食べ始めました。金丸さんも、御相伴にあずかります。食事中、金丸さんが「ハッザに朝飯、昼飯、晩飯みたいな概念はないの?」と質問。ハントラさんによると、ハッザの人たちは、決まった時間ではなく、食べたい時や獲物が取れたときに食べるそうです。
食事を終え、再び狩りへ。ハッザの狩りは非常にハード。日本人スタッフは、気を抜くと置き去りにされ、あっという間に見えなくなってしまいます。この狩りで、ハッザの圧倒的な体力を見せつけられました!ここでハントラさんが1人で動き出します。どうやら、ガゼルを獲りに行くのだとか。ガゼルとは、サバンナに生息する代表的な草食動物の一種。なんとハントラさん、ガゼルを足で追いかけて狩るというのですが、さすがにガゼルのスピードにはついていけず、どんどんと離されていきます。実は、挟み撃ちにするつもりで追いかけていたハントラさんでしたが、上手くいかず、逃げられてしまいました。
狩り開始から4時間が経過。崖を登ると、岩陰でみんなが休憩しています。ここで、獲ったばかりのホロホロチョウを食べてしまうのだとか。豪快に焚き火の中へホロホロチョウを投げ込みます。獲物が獲れた量が多いと集落まで持ち帰るのですが、今日はお腹が空いたので、ここで食べちゃうんだそうです。表面が真っ黒く焼けたところで取り出し、羽をむしっていきます。羽をむしり終えると再び火の中へ!直火で20分。焼きあがったようです。ハッザに促され、金丸さんもいただきます。獲れたてのホロホロチョウは、非常に柔らかく、ジューシーなお味。そして、みんなで一羽のホロホロチョウを分け合いました。
一方、都丸さんは、ハッザの女性たちとともに木の実やイモを採りにいきます。食材集めは、ハッザの女性の日課。歩くこと10分。シュムコというイモが埋まっている場所を見つけました。シュムコはツル植物の仲間。他の木にツルを巻き付けながら伸びるため、つるを目印にたどっていくと、地中のイモを見つけられます。さっそくイモ掘り開始!乾いた土を掘っていくと、天然のイモ、シュムコが顔を出しました。
最後に力いっぱい引っ張って、シュムコを引っ張りだします。立派なシュムコが採れました!すると女性たちは、その場で生のままシュムコを食べ始めました。都丸さんも食べてみると…熟していないナシを食べているようで、生のシュムコはあまり美味しくはなかったそうです。
一方、金丸さんはハントラさんに連れられ、温泉へ向かっていました。たどり着いたのは、エヤシ湖の岸辺。
エヤシ湖は、炭酸ナトリウムを多く含んだ湖のため、周囲に草木が生えず、地平線が一望できる絶景が広がっています。湖岸を進んでいくと…そこには、ハッザおすすめの湖岸に湧き出る温泉が!早速ハントラさんが温泉へ豪快にダイブ!金丸さんも狩りの汗を流します。ハッザは毎日、お風呂に入る習慣はありませんが、時々、ここに来て体を洗っているそうです。のんびり温泉につかっていると…突然、ハッザの1人が助走をつけて走りだし、そのまま温泉にダイブ!みんな、テンションが上がってはしゃいでいます。金丸さんもハッザに煽られ、温泉ダイブに挑戦!見事なダイブを決め、みんなを笑顔にすることができました!温泉で裸の付き合い。ハッザの一員になったような気分の金丸さんでした。
ハッザ女性と女子トーク!
続いて、都丸さんは木の実採りへ。金丸さんが狩りの途中で食べていた、コンゴロペという実を摘みます。甘いコンゴロペの実は、都丸さんの口にも合ったようで「美味しい!」と感想。ハッザの男性が狩りをしている間、女性は芋や木の実をとるのが仕事です。都丸さんも、真剣に実をたくさん集めていると…「もうハッザの女だね!」と嬉しい言葉をかけてもらえました!初日こそ、ハッザの家での眠り方チャレンジに失敗した都丸さんですが、ハッザの暮らしに馴染んできたようです。集落に戻ると、採れたシュムコを調理していきます。芋もやはり焚き火の直火で焼いて調理します。待つこと5分。シュムコの焼き芋が完成!
都丸さんも焼きたてを食べてみると…ジャガイモのようにしっかりとしたイモの味が感じられ、とても美味しかったそうです。木の実は周りのゴミを取り除いてから、煮込んでエキスを取り出します。煮込んでいる間、都丸さんは、ハッザの女性たちと女子会トーク!ハントラさんの奥さんのエスティアーコさんにお付き合いをしたきっかけを聞いてみると、照れながら馴れ初めを語ってくれました。ハントラさんとエスティアーコさんの出会いは、藪の中。ハントラさんの一目惚れだったのだとか。結婚する時は、ハチミツとヒヒを持ってきてプロポーズをされたのだそう。そんな独特な恋愛話に花を咲かせていると、木の実が煮込み終わり、エキスだけを取り出していきます。見た目は泥のような色ですが、都丸さんがウガリにつけて食べてみると、実がより甘くなり、美味しく食べられました!採ってきた食材をみんなで食べる所を見ていると、都丸さんも感慨深くなります。しかし、都丸さんは翌日から重大な使命があるため、ここでハッザ生活終了。寂しさも残しつつ、都丸さんは別のミッションへ向かうことになりました。
日も暮れ、午後7時。金丸さんは、鍋を囲み、みんなとご飯です。狩りの途中でホロホロチョウは食べてしまったため、ウガリと茹でた野菜だけで、肉は無し。ウガリに乗せて一緒に食べます。高菜のようなシャキシャキした食感です。ハッザの食事にも慣れてきた金丸さん。食事を終えると、この日も家で就寝。本日のハッザ生活、終了です。