放送内容

第1604回
2021.12.12
瞬間ハンター・東京の山 の科学 場所・建物 自然・電波・鉱物・エネルギー

 様々な条件が重なった時にのみ起こる美しい自然現象や、人が作り出す珍しい現象。そんなレアな現象の瞬間を撮影する “瞬間ハンター”。これまで、海へ山へと多くの場所で貴重な瞬間をハントしてきました!
 今回、訪れる場所は、東京。実は、東京と他県との境には、深い山々が連なっているのです!そんな山々を縦走していけば、美しい瞬間が見られるかもしれない!そこで!瞬間ハンター、金丸慎太郎さんが、1週間の縦走登山に挑戦!そこには東京とは思えない絶景が!
 今回の目がテンは、1週間の縦走登山ドキュメント。瞬間ハンター、東京の山編です!

景信山で貴重な瞬間をハント!

 10月下旬、縦走1日目。今回、金丸さんが縦走するルートですが、高尾山登山口からスタートし、西側の都県境にある東京の山を縦走しながら、東京都最高峰、2017mの雲取山まで歩きます!距離は、およそ79km。1週間かけて、縦走しながら、貴重な瞬間を探します!今回は安全のため、登山ガイドの宮津さんにも同行してもらいます!

 まずは、リフトを使い、標高462mの地点に向かいます。食料や必要装備などが入った重量およそ10kgの荷物を背負い、歩いていきます。
高尾山は、ミシュラン三つ星に選ばれただけあり、なんと、年間登山者数が世界一。登山道も舗装されているので、歩きやすく人気の山なんです。まずは、金丸さん高尾山を登頂!

 休む間も無く、高尾山をあとにし、先へと急ぎます。アップダウンを繰り返しながら、ひたすら歩いていきます。

 目的の景信山まで、3分の1ほど進んだ所で、少し開けた場所から、思いがけないキレイな瞬間をハント!10月下旬には珍しい、雪景色の富士山です!さらなる貴重な瞬間を目指し、足を進めます。

 そして、この日の目的でもある夜の登山、ナイトハイクへ。暗闇では、視界も狭くなり、迷う危険性もあるため、慎重に歩きます。登山をすること、4時間。初日の目的地である景信山に到着。

 夜の山頂からしか見られない瞬間とは、そう夜景。遮るものがない大パノラマの圧巻の夜景。登った者しか見られない美しい瞬間です!

 金丸さん、さらに、貴重な瞬間にも出会えました!それは、街の夜景と真っ赤な月。

 でも、なぜ月が赤いのでしょうか。よく見る月は白っぽく見えますが、これは波長の長さの違う様々な色の光が混じっているため。しかし、波長の短い光は、地球の大気を進む途中で、チリなどにぶつかり、散乱しやすい性質があります。月が高い位置にあるときは、大気を通る時間が短いため、波長の短い光も届きますが、低い位置にあるときは、大気を通る時間が長いため、青い光のように波長の短い光は散乱し、赤い光のように波長の長い光は散乱されにくく、私たちの目に届くのです。

瞬間ハントするため3つの山を登頂!

 2日目は、3つの山を縦走し、再び下山する、距離14kmに及ぶルート。尾根伝いに山を歩きながら、貴重な瞬間を探します。まずは陣馬山山頂に到着。

 山頂からは、今日目指す2つ目の山が見えます。気合いを入れ直し、瞬間を探しつつ、縦走を続けます。しかし瞬間はなかなか見つからず、この日は陣馬山、生藤山、熊倉山と、3つの山を登頂し、終了。

 そして、3日目。天候はあいにくの雨。すると、登山ガイドの宮津さんが、雨の日の登山は危険と判断し、3日目の行程は中止。

 翌日、天候は戻り、縦走再開。もともと予定していた4日目のルートから歩きます。1日休憩したとはいえ、疲労はたまり、足取りの重い金丸さん。
 しかし、休憩中、美しい瞬間に出会えたんです!それは、木漏れ日。静かな山の朝に、優しい光が差しこんでいます。前日が雨だったため、空気中にある小さな水滴に太陽光が散乱して、光の筋がよく見えます。金丸さん、美しい木漏れ日の瞬間をハントしました!

雲取山で貴重な瞬間をハント!

 縦走開始から、6日目。雲取山山頂まで、およそ6時間の登山ルートを歩きます。標高差は、なんとおよそ1500m。これは富士山の5合目から山頂までの標高差に匹敵します。

 歩き続けること3時間。行程の半分の場所にある七ツ石小屋に到着。しばし休憩ののち、登山を再開。七ツ石山山頂からは、またまたキレイな富士山を拝めました!

 さらにここからは、雲取山も視界にとらえます。
 秋を彩る紅葉の尾根道を歩きます。しかし、気持ちの良い尾根道もここまで。待っていたのは、急な上り坂。この坂を30分かけて、登り終え、そして、山頂が見えてきました!

 この日は、山荘まで行き、テントを張ります。テントで1泊するのは、山頂でご来光を狙うため!

 翌日。山頂を目指すこと、40分。お目当ての貴重な瞬間が近づいてきました。雲の切れ間から、ゆっくりと太陽が上がってきます。日の光に照らされ、富士山も赤く染まっています。縦走の最終日に美しい瞬間をハントした金丸さん。見事、縦走をやり遂げ、貴重な瞬間をハントできました。