放送内容

第1686回
2023.07.30
コスタリカの科学① 夏休み特集 場所・建物 地上の動物

 夏休み海外特集!今回、訪れた場所は、中米に位置する、コスタリカ!太平洋とカリブ海に挟まれたこの場所は、日本列島の7分の1程度の面積にもかかわらず、なんと世界の生物種のおよそ5%以上、50万種ほどが生息している生き物の宝庫!
 そこで今回は、コスタリカで生き物観察!
 降り立ったのは、Tokyo Bug Boysの平井文彦さんと法師人響さん、そして、いかちゃんの3人!
 なぜコスタリカは、生物多様性が豊かなのか?さらに、生き物の貴重な瞬間を撮影!?今回の目がテンは、夏休み海外特集!生き物の宝庫!コスタリカの科学①です!

生き物の宝庫!?コスタリカとは?

 中米に位置するコスタリカ。長年、憧れの地だったいうバグボーイズ。2人が楽しみにしているのは、ピカピカしていて鏡みたいなプラチナコガネに、世界一美しい鳥と言われるケツァール。
 バグボーイズといかちゃんの3人、実は渡航前に、コスタリカの自然環境について勉強をしていました。訪ねたのは、熱帯の自然環境について研究している京都大学の北島薫先生。コスタリカは、熱帯雨林、山地雲霧林、熱帯乾燥林など、様々な環境があるため、その環境に応じた多様な生き物が生息する場所。

 まずは、コスタリカの首都、サンホセを散策。サンホセは、年間の平均気温が25℃前後。標高がおよそ1100mと高いため、熱帯地方にもかかわらず、比較的過ごしやすい気候です。市場でバグボーイズが買ったのは、昆虫の撮影に使うイースト菌。そして街の中には、トンボのデザインアートが!他にも、昆虫や動物をモチーフにしたものが街のあらゆる場所にありました。これは、多様な生き物が身近にいるコスタリカならでは!
 これから、どんな生き物に出会えるのでしょうか?

世界一美しい鳥“ケツァール”を撮影!

 3人が訪れたのは、首都サンホセから車で2時間の距離にあるサン・ヘラルド・デ・ドータ。標高およそ2500mの高地にある、山地雲霧林の環境に囲まれたコスタリカ中央部の地域。
 今回、3人が観察する生き物は、世界一美しいと言われる鳥、“ケツァール”。中米に生息する鳥で、長い尾、鮮やかな色彩をもつ、準絶滅危惧種。コスタリカでは野生でしか見ることができないため、幻の鳥とも言われています。
 エサを求め、活動が活発になる早朝から撮影に臨みます。協力していただくのは、現地ガイドのアレックスさん。
 ということで探していると、ガイドのアレックスさんが見つけました!そう、幻の鳥、ケツァールです!緑の羽と赤い胸、そして白い尾のコントラストが美しい、まさに世界一の名にふさわしい姿。そして、愛くるしい顔とつぶらな瞳も魅力的!

 さらに、オスとメスの仲睦まじい様子を撮影。

 オスは、繁殖期に、長い飾り羽が発達しますが、メスは、やや地味な色で、尾羽が長く伸びることはありません。そして、3人が訪れた5月は、ちょうど子育ての時期。オスとメスが交代で、ヒナに好物であるリトルアボカドの実を与えます。
 そして、このケツァールと、リトルアボカドには、ある特別な関係があるんです。アレックスさんによると、ケツァールはリトルアボカドの実を食べ消化する。すると、種がちょうどいい温度になり、その後ケツァールが種を吐きだすと、種が地面に落ちて発芽。種が木から直接落ちたときは発芽しないことさえあるそうなんです。
 ケツァールとリトルアボカドはお互いに支え合って共生しているんです。
 熱帯林の環境の中には、世界一美しい鳥と植物の共生関係がありました!

熱帯雨林の生き物たちを観察!

 3人がやってきたのは、北東部のサラピキ。カリブ海側にある熱帯雨林広がる、標高70mほどの低地です。熱帯雨林とは、1年中、気温が高く、雨が多い地域に広がる森林のこと。一体、どんな生き物に出会えるのでしょうか。
 訪ねた場所は、オーナーのウィリアムさんが、もともとは牧草地だったところに植林を行って、緑豊かな熱帯雨林の環境に戻している場所。
 それでは早速、中へ。すると、ウィリアムさんが何かを見つけたようです。見つけたのは、“アカメアマガエル”。中米を代表するカエルです。

 わき腹の青色と黄色のストライプが特徴。夜行性で、昼間は葉に止まり、葉の真似をして擬態しています。
 他にも、“マダラヤドクガエル”。カエルは基本的には夜行性なのですが、このカエルは、日の出ている時間帯に活動しているんです。その理由は、名前にあるとおり、毒を持っているから。あえて外敵に目立ちやすい体の色や模様を身にまとうことで、毒を持っていると警告し、自身の安全を確保しているんです。

 そして、このマダラヤドクガエル、アカメアマガエルは、カリブ海側と太平洋側で、模様が違うんです。コスタリカには、南北を走る山脈があるため、カリブ海側と太平洋側を隔てています。そのため、それぞれの地域で独自の進化をし、模様に違いが表れているのです。アカメアマガエルのカリブ海側は、お腹が青色と黄色のまだら模様が特徴。一方、太平洋側は、黄色のまだら模様のみ。マダラヤドクガエルは、カリブ海側に比べて、太平洋側が黒い部分が多くなっているんです。

 続いて出会ったのは、大きな葉を、すみかにしている“シロヘラコウモリ”。9匹のコウモリが固まって休んでいました。コウモリ自身が、葉の真ん中の葉脈を噛み、折り曲げることで、日中は日陰を作って、休むのです。

 そして、いかちゃんがどうしても見たかった念願の生き物が!それは、ナマケモノ!
 出会ったのは、“フタユビナマケモノ”といい、前足の爪が2本なのが特徴。木の上でくつろぐ、貴重な瞬間を撮影!

 そして、別の木には、別の種類の“ノドチャミユビナマケモノ”が。こちらは爪が3本。このノドチャミユビナマケモノ、日本の動物園では見ることができない種類!

 さらに、赤ちゃんナマケモノもいました!
 たった一つの場所で多様な生き物を見ることができたんです!