放送内容

第1684回
2023.07.16
農業高校の里山再生
[生き物編]
場所・建物 地上の動物 水中の動物

 養老孟司さんの一言で始まった農業高校の里山再生。今回は、いよいよ学校の裏山での田植えに挑戦!さらに、あのTokyoBug Boysが、かがくの里を飛び出し、農業高校へ。
 今回の目がテンは、養老孟司さんに頼まれて、農業高校の里山再生をお手伝い!生き物編です!

裏山で田植えに挑戦!

 前回、石川県輪島市の白米千枚田で田植えを学んできた生徒たち。土木技術や造園を学ぶ、環境デザイン科では、実際の農作業をすることは、ほとんどないため、この学んだことを、自分たちの高校の田んぼで生かさなければなりません。
 5月下旬。みんなで整備した田んぼに苗を植えていきます。田んぼの土の状態はバッチリ。白米千枚田で学んだ上野くんが田植えのやり方を教えていき、試行錯誤しながら、田植えに挑戦していきます。去年、裏山でのお米作りに挑戦した長江くん。今年の成果を実感できたようです。
 本格的にはじまってきたお米作り。稲の成長が今から楽しみです!

ライトトラップで生き物調査!

 この場所を再生していくことが周辺の生き物、生態系にどのような影響を与えるのかその変化を調査!その任務を託されたのは、かがくの里でおなじみの東TokyoBug Boys、平井文彦さんと法師人響さん。

 時刻は夕方の5時。バグボーイズが行うのはライトトラップ。学校の許可を得て、トラップをしかけにいきます。
 まずは、裏山の様子を確認。さらに、裏山の奥にある沢も確認します。すると、沢にはオタマジャクシが。ひと通り、裏山の様子を確認したバグボーイズ。いよいよライトトラップをしかけていきます。果たして、どんな昆虫がいるのでしょうか。
 明かりをつけて、待つこと1時間。まず出会ったのが、頭の突起が特徴のミミズクという昆虫。

 そして、水生昆虫のコガムシ、オオアトボシアオゴミムシ、アゲハモドキなど。毒のないアゲハモドキは、毒のあるジャコウアゲハに擬態することで、自分の身を守っているのです。

 その後も、観察を続けると、法師人さん歓喜の昆虫、オオキベリアオゴミムシが!法師人さんによると、ゴミムシの仲間はつまむと匂いを出すそうで、漢方薬の匂いがするとのこと。そして幼虫がカエルしか食べないという変わった生態をもっています。
 様々な昆虫に出会いましたが、裏山は、どんな環境なのでしょうか。
 バグボーイズのお二人によると、数はさほど多く無いが、山辺の生き物、水辺の生き物など、バランス良く色々な種類がいて、変化を見ていきたいとのことでした。

高校生たちと一緒に生き物調査

 今回は、東京バグボーイズと、栃木県から紹介していただいた栃木県の環境カウンセラーの塩山さんにも同行してもらいます。早速生き物調査開始!
 まずは、田んぼ周辺で探します!すると、水面に浮かぶ昆虫を発見!田んぼを泳いでいたのは、マツモムシ。おなかを上にして背泳ぎするように泳ぎます。

 さらに、観察を続けると、田んぼの中にはゲンゴロウの仲間の幼虫が。そして、陸と水辺の境界を好むヒラタガムシの仲間、雑木林や緑地に生息するカノコガなど。
 そして生徒たちが撮影に夢中になっていたのは、まるでうさぎの耳のようなクロコノマチョウの幼虫。

 続いて、沢の近くには、オニヤンマの幼虫、ヤゴや、ホタルのエサとなるカワニナがいました。

 外での生き物調査のあとは、教室で、ライトトラップで採集した昆虫を見ていきます。普段、目にすることのない昆虫に生徒たちも興味津々。
 裏山が再生していくにつれ、そこに棲む生き物たちがどのように変化していくのか、その移り変わりが楽しみです!