モーリー・ロバートソンが母校ハーバード大を訪問 タフな学生生活を振り返る「生き抜いてよかった場所」
6月7日(金)放送の「アナザースカイII」には、モーリー・ロバートソンが登場。卒業以来30年ぶりだという母校・ハーバード大学への訪問に密着した。
「電子音楽」と「視覚環境学」を専攻
訪問が卒業以来となった理由は、卒業式での牧師さんの説教での言葉だという。「聖書の中でロトの妻という人がいて、この人がソトムとゴモラ(都市名)が神の意志で破壊された時に、神に『振り返らなければ生き残れる』と言われたのに、興味が出すぎて後ろを振り返ったら、その瞬間塩の柱になったと(いう話)」「『振り返ると塩の柱になるぞ』と言われて、ハーバードにいた時代を懐かしんだりその肩書きを利用して努力をしないで生きていくのは塩の柱に劣ると強い戒めを受けたので、以来振り返ってません」という。
モーリーは「世界的なクラシック音楽家を輩出した由緒ある学科」である音楽学科在籍時に過ごした校舎へ。この学科では「電子音楽」「当時は『Pure Electronic Music』と呼ばれていて、そこにない音を新たに生み出す、創り出すということ」に取り組んでいたそう。
「最初は電子工学(物理)をやりたいと思っていたんです。ただ一般教養の論文を書かされたり勉強が辛すぎて、逃げるように、音楽をメインにしないと何がなんだかわからなくなるという危機感のもと、オーディションを大学二年の一学期に受けた」というのが、この学科を選んだ経緯。
それまでは「日本で東大とハーバード大の同時合格で『こんなすごい人いない』と持ち上げられちゃったんですよ、マスコミに。大人に自分はすごいんだって思い込まされた。その後ここに来て(その自信は)グチャッですよ」と当時を振り返る。
在学中のモーリーはさらに、音楽学科だけでは単位が足りず、別の学科を追加し卒業を目指した。視覚環境学を学ぶ「VES」に所属。ここは映画『ラ・ラ・ランド』の監督であるデイミアン・チャゼルも卒業した学科だ。校舎にはモーリーが「卒業制作のため使用した」という、オックスベリー社のフィルム撮影機が現存していた。これはディズニー映画にも使用された、当時数億円したもの。
それを使っての卒業制作は「ガラスの上にアートワークを置いて、動かして、真っ暗な中で強い光を当てて、ちょっとずつ動かしたりしながらアニメイトする」という作業。1コマずつ撮影し「1秒24フレーム(24回撮影)だから、2秒と3秒撮るのに数時間かかってるんです」と語るモーリー。現像した映像と電子音楽のフィルムを編集、丸一年かけ7分30秒の物語が完成。テーマは「物体を動かしたアニメーションと電子音楽のモンタージュ」だったという。
「思い通りにならない」ことを学習する場所
このように様々な経験をしてきた卒業までの道のり。「とにかくハーバードの勉強に向き合うのが辛すぎて、3年はやる気喪失したんです」と語るように、3年間休学、7年かけて卒業。「カウンセラーにも行って、精神的なリハビリテーションをして、やっとの思いで這い出した」と回想するモーリー。
現地では現役学生とも交流。「ストレスだらけの中、心身をどう整えてるの?」とモーリーは質問し、学生たちは「ラグビーをして溜まっているものを発散しています」「休学中、世界を旅して新しいエネルギーを得ました」「子犬や子ヤギに触ったりしてストレス解消するんです」などと様々な息抜き法を語った。4年間をゲームに例えて「モンスターを倒してレベルを上げていくよう」という声も。
このようなタフな環境であるハーバード大はどんな場所だったか、モーリーに尋ねると「生き抜いてよかった場所。くぐってよかった。悔いはない。だけど思い通りには決してならなかったですね。思い通りにならないということを学習する場所でした」と振り返った。
さらにモーリーは、ハーバード大のモットーが「Mover&Shaker」「Moverはモノを動かす、Shakerは揺さぶる」ことであることを紹介。「特に若い世代にハートに火をつけて。世界で起きていることを連続的に、背景も含めて伝えるような活動ができたらいいなと思っています」と今後の目標を語った。
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