DASHバーガー 世界一うまいバーガーつくれるか 第6回 ~チーズ~
世界一うまいバーガーを目指す、新たなワンピース。そのヒントを求めてやって来たのは、広島県の山奥。
太一とリチャードが今回、お世話になるのが、世界で認められたチーズ職人、松原正典さん。
世界69カ国が集まるチーズの世界大会で、日本人最多となる金賞を6度受賞!
ヤギのチーズに炭をかけて熟成させたシェーブルチーズや、牛のチーズに酒を染み込ませて熟成させたウォッシュチーズなど、本場ヨーロッパの審査員をも唸らせた。
「僕ら、作ったんですよ。チーズを」と太一が言うように、17年前、福島DASH村で村の仲間・マサヨのミルクでチーズを作った。その経験を活かし、ヤギの乳を搾り、ミルクを。
世界に認められたチーズの素となるヤギのミルク、その味は?「おいしい。臭みが全然ない」
ヤギは神経質な性格で、ストレスを感じると、ミルクに臭みが出てしまう。
そうならないため、松原さんのこだわりが…「想像と違う飼い方をしている」
それが、平らな牧草地ではなく、傾斜のある山で放牧をする「山地酪農」。
ヨーロッパ・アルプスの山岳地帯で行われる酪農を元に生まれた方法。
「斜面を食べ歩くことで足腰が鍛えられて、健康が保てて、健康な体から健康なミルクが出る」
しかし、国内で放牧をしている酪農家の割合は15%。
その中でも、山の管理など、手間暇がかかる山地酪農を行っているのはわずか1.4%。
全ては美味しいチーズを作るため、松原さんは2年間林業を学んだ後、チーズの本場・フランスで修行。
10年かけ、自らの手で山を切り開き、ヤギや牛にとって居心地のいい場所を作り上げた。
現在では、ヤギ30頭に加え、牛8頭を飼育している。
そんな、世界で認められた松原さんのチーズ作りは?
ミルクに、乳酸菌とレンネットと呼ばれる凝固剤を加え、30分経つと寒天のように固まりだす。
そして、切断の工程へ。「ここがチーズの分かれ道です」
粗くカットすれば、水分が適度に残り軟らかいチーズに、細かくカットすれば、より水分が抜けて硬いチーズになる。
続いては、「ホエイ(乳清)とチーズを分ける作業」
ザルにあけ、チーズの素となる塊とホエイに分ける。
1時間、水分が抜けたら、成型へ。90℃の熱湯を注いで溶かし、柔らかくなったら、手で握るように丸めてちぎって、モッツァレラチーズの完成!
出来立てモッツァレラチーズの味は…「おいしい!キュッキュするね」「僕の中で過去イチです」
さらに、プロが作ったチーズも頂くことに。
世界大会で金賞を受賞したヤギのチーズ『富士山』は…「鼻に抜けていく香りが変化する」
続いても、世界で2度金賞を受賞した牛のチーズ『アカショウビン』は…「パンチ力すごいけど美味い」
しかし…「主役を食っちゃう。ハンバーガーに合うか」
目指すのはバーガーに合うチーズ。とはいえ、牛やヤギなどの原材料や、熟成期間によっても様々。
そもそもチーズは、大きくフレッシュタイプと熟成タイプに分かれ、モッツァレラチーズはもちもち食感が特徴のフレッシュタイプ。
一方、熟成タイプは、クリーミーな口当たりでクセの少ないカマンベールチーズや、濃厚な旨みが詰まったセミハードチーズなど、どれも熟成庫の中で、温度・湿度・期間が異なり完成する。
その数、およそ1000通り!そこで、パティと合わせて、どの種類のチーズが合うか、食べ比べ。
パティは、黒毛和牛の最高峰・但馬牛を、部位とその配合を研究して作り上げた。
まずは、フレッシュタイプのモッツァレラチーズから。「ちょっと弱い?」
続けて、熟成1年のセミハードチーズはどうか?「うま!肉と馴染みますね」
さらに3年熟成のハードチーズ、ヤギのチーズも食べ比べ、パティと最高の相性のチーズを、ひたすら探る。
計6種類食べた結果…「セミハードチーズが一番合ってる。フレッシュすぎると肉に負けちゃう」
「熟成させたチーズは、ハンバーガーに乗せるとより旨味があって美味しいですよ」と松原さん。
熟成することで、チーズの旨みの元となるグルタミン酸が増加し、それがお肉に含まれるイノシン酸と合わさることで、旨味の相乗効果が生まれ、美味しさが倍増する。
さらに「同じセミハードで、チェダーチーズっていうものもある」
しかし、大量生産する製造方法の為、国内では必要な設備が少なく、日本産は、ごくわずか。
松原さんも作っておらず、「チェダーチーズを勉強しに行こうと思ってる。イギリスへ」
そこで、世界一うまいバーガーを目指す、新たなワンピース、チーズのために…チーズ修業inイギリス!
果たして、どうなる!?