展覧会について

  • はじめに
  • 高畑・宮崎監督インタビュー
  • メッセージ
  • レイアウトとは
  • 展覧会のみどころ
2Dセルアニメーション映画の
レイアウトとは?
「皆さんアニメーションの「レイアウト」とは何か御存知ですか?
画と文GORO.
(1)アニメーション映画の製作工程は、大ざっぱに言うと、このようなものです。(2)絵コンテというのは絵で描いた脚本、映画全体の設計図と言っていいでしょう。(3)ちなみにアニメーションは画面の中にある全てを描かなければならないので、絵コンテの段階で必要とされるカットが明らかになっていなければなりません。つまり実写映画ではありえる「偶然」は、アニメーション映画ではありえないのです。
(4)ということは、絵コンテが完璧であれば編集はほとんど必要ないということです。(捨てる部分がないという意味です。)今はコンピューターで編集します。
(5)で、本題です。レイアウトとは「画面構成」読んで字のとおり、画面の構成を設計することです。レイアウトでは絵コンテで大ざっぱに決められた画面をもとに、各カットの画面を設計します。どの位置にキャラクターを置いて、どんな動きをさせるか。背景はどんな絵でカメラはどう動くのか、等々…。全てこの段階で決められます。(レイアウト用紙…あらかじめ画面の枠(フレーム)が印刷されています。映画でポピュラーなビスタだと たて17.2cm×よこ32.0cmです。)(6)ですから、画面が横方向や縦方向に動く(カメラが動く場合ということ)場合、レイアウトはこんなになったりします。(横なが、縦なが、こんなことになることもあります。でっかいのもある。)
(7)つまり、アニメーションのレイアウトとは、実写映画の演出家とカメラマンの役割を合わせたような作業だということです。(スタート!)
すぐれたアニメーション映画の秘密は、レイアウトにあると言っても過言ではありません。(宮崎監督・高畑監督)あなたもその秘密を発見しに来て下さい。(レイアウトのチェックが終れば8割がた監督の仕事は終ったと言う人もいるぐらいです)(9)ということで、レイアウトとは、画面作りの土台になるものであり、アニメーション制作の要(かなめ)になる作業なのです。(「知らなかったー」「わかりました?」)(8)このレイアウトを元に、アニメーターはキャラクターの芝居を、美術スタッフは背景を描くわけです。(「オウ」「ハイ」)1つの画面のキャラクターと背景を別々の人が描くのですから、レイアウトがきちんとしていないと、後で大変なことになります。