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 絶品刺し身 関サバの謎  #648 (2002/09/15) 

 これからの季節、旬を迎える魚、サバ。「秋サバは嫁に食わすな」なんて言葉も有るくらいです。実はサバは日本での水揚げ量、ダントツNo.1の魚でもあるのです。しかし一方では、その生臭さやアレルギーで苦手な人も多いのも事実です。

 サバといえばまず思い浮かぶのが、サバの味噌煮。しかしサバ以外に味噌煮にする魚ってなかなか思い付きません。なぜでしょう?そこでタイとマグロと、生臭さの元“トリメチルアミン”の値を測定です。すると生ではいずれも反応が無かったのに、水煮にするとサバだけに反応が有ったのです。
 そこで今度はサバをしょう油とみそでそれぞれ煮てみて、町行く人にどちらが生臭いかを判定して頂きました。結果は8割の人が味噌煮が臭くないとのお答え。味噌は水に溶けるとコロイドという状態になり、この表面に空いた細かい穴がトリメチルアミンを吸着してくれるのです。

バッテラ  さらにサバで思い出すといえば、シメサバ。これが乗っているのがバッテラ寿司ですね。このシメサバ、実は塩漬けにした後、つけ酢にひたして作るものなのです。塩の脱水作用と、酢の殺菌効果によってシメサバの保存性は高まるのです。そして酢のタンパク質凝固作用によってあのしっかりした歯ごたえも生まれるのです。

 サバが足が早い、というのは本当でした。築地の仲卸で仕入れた新鮮なマサバで魚の鮮度を測るK値を測定した所、わずか5時間で刺身で食べられない鮮度になってしまったのです。サバのタンパク質分解酵素の働きは魚界の中でもかなり強い方。家庭でサバの刺身を食べるのはちょっと無理なようです。

 実は出演者の中でも、魚住アナウンサーがサバアレルギーでした。小学生の時にサバに当たって以来、全く口にしていないそうです。
 サバアレルギーか否かは、サバの皮を皮膚に貼り付けるパッチテストで簡単にチェックすることが出来ます(30分後、6時間後の反応を見る)。魚住アナもチェックしてみました。ところが、なんとサバアレルギーではないようです。
 実は世間でサバアレルギーと思っている人も、ほとんどはサバアレルギーではないというのです。では、なぜサバに当たってしまったのでしょう?実はサバにはうまみ成分ヒスチジンが有るのですが、これが時間が経つと共に、ヒスタミンに代わるのです。ヒスタミンはアレルギーの人が苦手なものを摂取した時に体の中に発生させる物質。くしゃみやじんましんなどを引き起こします。なので古いサバを食べると、じんましんが出たりするのです。

所さんのポイント
サバアレルギーは1万人に5〜7人!当たったことのある人は、古いサバを食べたのでは?…

関サバ生け作り  ここ数年、絶品と評判なのが、大分の関サバ刺身でもおいしいと評判なのです。もともと生では食べられないと思われていたサバ。それがどうして刺身で食べられるようになったのでしょう
 矢野さんが大分に行きました。本場で食べる関サバはやはり格別のうまさ。関サバは丁寧に1本釣りされ、生きたまま丁重に船のいけすで港まで運ばれます。そして港で活け締めといって、頭をブスリと刺され絶命するのです。苦悶することなく死ぬので、身が引き締まりおいしくなり、また日持ちがするようになるのです。

所さんのポイント
関サバでなくても、釣ったサバを即活け締めにすれば、サバの刺身も夢じゃない!


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