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科学で簡単天ぷら作り
#721 (2004/02/29)
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新婚ホヤホヤ魚住アナの、新妻料理修行第2弾は天ぷら。なかなかカラッと揚がらないと悩まれている主婦の方も少なくないはず!そんな悩みに、「目がテン!」が科学の力でお答えします!
早速スタッフの手助けも無しで天ぷらに挑戦した魚住アナ、しかしその結果はやはり芳しくなく、天ぷらはカラッと揚がりませんでした。
そのポイントの1つは衣の作り方。天ぷらの衣は、小麦粉と卵と水で作るのですが、この際まず卵と冷水を混ぜ卵水を作り、そのあと小麦粉を入れざっくりと混ぜるという手順がポイント。小麦粉と水を良く混ぜると、グルテンという、うどんのコシやパンのモチモチ感となるものが出来ます。このグルテンは水分を包んでしまうので、天ぷらの衣をカラリと作りたいときには不向きなのです。なので混ぜないこと、そして低温と卵のたんぱく質もグルテン形成を妨げるのでポイントなのです。
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天ぷらの衣は、冷たい卵水に小麦粉をざっくりと混ぜて作るべし!
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ポイントの2つめは温度。天ぷらは温度調節が肝心。天ぷら油の温度は、魚介類で180度、野菜類で160〜170度が適温といわれています。しかし驚いたことに油は水より温度調節が大変だというのです。本当でしょうか?そこで同じ量の100度の油と水を用意し、そこにエビを1尾落としてみました。すると油の方が温度の下降が早く、10分後には水が78度なのに対し、69度まで下がってしまったのです。
今度は80度の油と水をアルコールランプで温めてみました。すると今度は油の方が温度上昇が早く、2分後に100度を突破、この時水は84度にしかなっていなかったのです。このように油は熱しやすく冷めやすい。なので魚住アナがしたようにいっぺんに天ぷらを揚げると、温度が下がり天ぷらがカラッと揚がらないのです。
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油は水より熱しやすく冷めやすい。なので油の温度を保つには、ネタを少しずつ揚げるといい!
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とはいえ家庭では天ぷらは一気に揚げたいもの。しかし難しい天ぷら油の温度調節。そこに強い味方が現れました。IHクッキングヒーター。温度センサーがついていて電気の力で温度を一定に保ってくれるという、揚げ物には強い味方なのです。IHとは電磁誘導加熱(インダクション・ヒーティング)の意味。どういうことなのでしょう?
小中学校の時、銅線を巻いてコイルにし、そこに棒磁石を出し入れすると、電気が起きる実験があったのを覚えていますか?逆にコイルに電気を流しそこに鉄の棒を入れると磁石になります。電気と磁気には密接な関係が有るのです。IHクッキングヒーターの中には、コイルがあり、電気を流すと磁気が発生します。この磁気が鉄やステンレスの鍋底に伝わり、鍋底で電気が発生します。この電気が、電気抵抗の大きいテツやステンレスの鍋底を流れる時、熱が発生し、これが鍋底を温めるのです。なのでIHクッキングヒーターの表面や鍋の横などはぜんぜん熱くないといったメリットもあるのです。
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