知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


驚き○○で カキフライ
第755回 2004年11月7日


 “秋の味覚シリーズ”第3弾はカキ(牡蠣)“海のミルク”と呼ばれるほど栄養も豊富で、また世界中で食べられている貝でもあります。

 日本で主に食べられているカキと言えばマガキ。実はマガキは殆どが養殖ものなのです。矢野さんがマガキの養殖で有名な宮城県松島を訪ねてみると、なんとマガキはホタテ貝の殻に沢山くっついていました。実は、マガキはホタテの殻で養殖されていたのです。
 マガキの養殖の方法ですが、まず自然の海の中で天然のカキの産卵が終わり、そこから幼生が生まれ、海中を漂う夏の初め、漁師さんがホタテの殻が沢山ついているロープを沈めます。すると、そのホタテの殻に自然とマガキの幼生がくっつくんです。マガキの幼生は体内から粘着物質を出し自らの体を固定します。そして、自然の海で約1年から2年育てると、私たちの食べられるマガキに成長するんです。
 では養殖のマガキがあるのなら天然のマガキもあるはず。しかし、天然のマガキは世の中には出回らないというのです。なぜなのでしょう?

天然と養殖  そこで矢野さんは、天然もののカキ採取に挑戦しました。専門家の方の立会いの下、潮がひいた磯で天然のマガキを発見!しかし、天然のマガキはべったりと岩にくっついていて取ろうとしてもなかなかはがれないのです。工具を使い、やっと採取できた天然マガキ。しかしよく見てみると養殖のマガキよりも小さいし、形も不恰好だったのです。
 実は天然のマガキは、エサの少ない磯などにいるので養殖のものに比べやせており、また採取するのも苦労するので市場には出回らないのだそうです。沖合いの栄養豊富な海で育った養殖ものの方が実も太り美味しいのです。

所さんのポイント
ポイント1
小さく採るのにも苦労する天然のマガキよりも、養殖のマガキの方が大きくて美味しかった!

 カキの体を調べてみると、筋肉がほとんど無く体の大部分が内臓でした。同じ貝でもホタテは泳ぐための筋肉である大きな貝柱があり、ハマグリにも砂にもぐるための筋肉である足があります。しかし、カキは一度岩などにくっついたら一生動かないため、ほとんど筋肉が無くなってしまったと言われています。つまり、私たちはほとんど内臓であるカキを食べていたのです。

20人中18人がカキフライと勘違い  ならば他の貝の内臓を集めればカキの味が再現できるのでは?と考えた目がテン。なんとハマグリの内臓を集めカキフライを作るというビックリ実験を決行しました。出来上がった偽カキフライを街中で試食していただいたところ、なんと9割の人が本物のカキフライと勘違いしたのです。
 そこで、カキとハマグリの内臓に含まれる味の成分を分析してみると、2つは非常に似ており、若干ハマグリの内臓の方が味に関係するアミノ酸の量が多かったのです。

所さんのポイント
ポイント2
カキの美味しさは内臓の味だった!
ハマグリの内臓を集めたらカキの味そっくりになった!


 実は、カキは陸上に放置していてもしばらく生きていられます。「目がテン!」が実験したところ、常温でホタテは、2日で全滅したのに対し、カキは1週間生き続けたのです。
 その理由は、カキは水中と陸上の境目の潮間帯に生息しているので、陸上でも生きていけるように体の仕組みが出来ているからなんです。カキは水中ではエラ呼吸をして酸素を取り込みエネルギーを得ています。しかし、潮が引いて陸上に出ると殻をぴったり閉じ、体内に蓄えてあるグリコーゲンを分解してエネルギーを得ているのです。
 さらに、よくスーパーで売っているパックのむき身のカキ。実は、これを顕微鏡で見てみると、なんとエラの部分がまだ動いているのです。このようにカキには恐るべき生命力があったのです。



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