グリーンピース
で豆腐
第829回 2006年4月30日
今、ヘルシーということで、ダイズを始めとして豆が注目されています!
しかし、その中で、いまひとつ不人気な豆がありますよね。そう、
グリーンピース
。なぜグリーンピースは人気が無いのでしょう?そこで今回は、その謎を解き明かし、美味しいグリーンピースの食べ方や、グリーンピースの知られざる正体に迫りました。
早速、矢野さんは、旬のグリーンピースを求め鹿児島県へ。そして、グリーンピース畑を訪れたのですが、いきなりビックリする光景が飛び込んできたのです。なんと、
そこになっていたのは、グリーンピースではなくサヤエンドウ
。一体、どういうことでしょう?
実は、そもそもグリーンピースは
マメ科エンドウ属エンドウ
の青い実のこと。つまり、
エンドウの若いサヤの状態がサヤエンドウで、その後中身が膨らんで大きくなったのがグリーンピースだった
のです。ちなみに現在、食用にされているサヤエンドウとグリーンピースは、それぞれ品種が違い、収穫する段階が一番美味しくなるように、別々に育てられています。
実は、グリーンピースはエンドウの未熟な豆なので、
さらに成長すると、いわゆる「えんどう豆」と呼ばれる、完熟したエンドウになります
。しかし、スタジオで所さんに聞いてみたところ、「完熟したエンドウなんか食べたことない」と言っていたのです。
そこで、エンドウが使われているお菓子を出してみると、所さんビックリ。なんと、
みつ豆や豆大福に使われている豆がエンドウ
だったのです。さらに、収録前にこっそり楽屋に置いていた豆大福を、ちゃんと所さんは食べていたことに気づき、とても悔しがっていました。
ちなみに、グリーンピースが成長するとうぐいす豆などに使われる
青エンドウ
になり、みつ豆や豆大福に使われるエンドウは、品種が違う
赤エンドウ
と言います。
グリーンピースは、エンドウの未熟な豆。
サヤエンドウがグリーンピースになり、最後はエンドウになるのだ!
皆さんは、
なぜグリーンピースが苦手なのでしょうか?
そこで、街の人に聞いてみると、一番多かった理由は
「青臭いにおい」
だというのです。そこで目がテンが、グリーンピースに含まれる成分を科学的に分析してみると、確かに
「ヘキサナール」
という、
生の野菜や雑草にも含まれている青臭い成分
が含まれていたのです。
では
どうすれば、この青臭いにおいを減らせる
のでしょうか?実は、調べてみると
「ヘキサナール」は揮発性なので、長くゆでると減少する
ことがわかったのです。通常、5分ゆでるところを、10分ゆでてみたところ、確かにヘキサナールは減っていました。
このことを利用して美味しい豆ご飯をつくるには、まずグリーンピースが苦手な方は、一度別ゆでにして、ヘキサナールを飛ばしてからご飯と混ぜると、青臭いにおいが気にならなくなると考えられます。
また、グリーンピースが好きな方は、ご飯と一緒に炊き込むと、炊飯器の中で揮発した香り成分がご飯にも広がり、より風味を楽しむことができるでしょう。
グリーンピースで嫌われていた青臭いにおいの正体は、ヘキサナールという物質だった。ヘキサナールは揮発性なので、長めにゆでると減少するのだ!
人気の無いグリーンピースを助けようと、またおせっかいにも「目がテン!」が立ち上がりました。なんと人気のダイズにあやかって、
グリーンピースで“豆腐”と“納豆”を作ってしまおう
というのです。
まずは、グリーンピースで豆腐作りに挑戦。ところが、グリーンピースはすりつぶすことができないので、急遽グリーンピースが熟した
青エンドウで豆腐作り
をすることに。すると途中までは、美味しそうに出来ていたのですが、豆腐作りで一番大事な、豆乳をしぼる過程で、青エンドウは
水を含んだこしあんのようになってしまった
のです。結局、豆乳がしぼれずに豆腐作りは大失敗。
気を取り直して、今度はグリーンピースで納豆を作ってみることに。今度はちゃんと、
グリーンピースに納豆菌も繁殖し、一応納豆らしく完成しました
。
そして、スタジオで所さんに試食してもらうと、「あまり美味しくない」とのこと。やはり、グリーンピース納豆も失敗してしまったのです。一体、
なぜダイズでうまくいってグリーンピースでうまくいかないのでしょう
。
実は、その理由は
成分の違い
だと考えられます。ダイズとグリーンピースを比べてみると、
ダイズにはたんぱく質が多く含まれている
のに対し、
グリーンピース(エンドウ)は、デンプンが多く含まれている
のです。
実は、デンプンが多い豆は、煮ると豆の中に水分を閉じ込めていまい、あんこが出来てしまいます。だから、豆腐作りが失敗したと考えられるのです。また、納豆菌はタンパク質をうまみ成分に変えるので、タンパク質が少ないグリーンピース納豆は、うまみが少なかったと考えられるのです。