知識の宝庫！目がテン！ライブラリー

おからの科学

第1232回　2014年6月22日

　話題のおからダイエット・・・おからで本当にやせるのか？さらにダイエットだけじゃない驚異のおからパワーも明らかに！今回はおからの秘密に科学で迫ります！

①そもそも"おから"ってなんなの？

　それを探るためにやってきたのはお豆腐の製造工場。お豆腐の原料は大豆。
　これを細かく砕いて煮つめ、絞ったものが豆乳。これにニガリを加えて型にはめると豆腐になります。この豆腐の製造過程で、豆乳を作る時に出る搾りかす、これが"おから"なんです。取材した工場では１日２万丁、６トンもの豆腐を製造。同時にその５分の１、およそ１．２トンのおからが出るんです。通常"おから"は、家畜の飼料や有機肥料に使われ、食べられているのはわずか１％以下。

　でも、この"おから"、実は、捨てるにはもったいないくらい価値があるんです。専門家によると、おからを絹ごし豆腐と比べると鉄やマグネシウム、ビタミンＢ１はほぼ同じ、カルシウムはおよそ２倍、そして食物繊維は３８倍も多く含まれているんです。食物繊維は便秘の改善、カルシウムの摂取は骨を丈夫にしますし骨粗鬆症を予防、ビタミンＢ１は疲労回復効果が期待できるんです。

おからは体に嬉しい成分がたっぷり含まれたスゴい食材だったのだ！

②おからダイエット実験スタート！

　今回ダイエット実験に協力してもらうのは東京都内に住む、米持ご夫妻。４９歳のご主人は保険の営業マン。身長１６９ｃｍで体重は…標準より１０キロ以上重い７３．２ｋｇ！中でも目立つのがお腹周り。ウエストは９６センチ。お腹ポッコリの典型的な中年太りなんです。
　そこで今回は１週間、朝昼晩の３食"おから"の入った料理を食べてもらいます。しかも、おからを使うことはご主人には内緒。奥さんが料理にこっそりと混ぜ、普段通りの食事をしながら痩せるのかを実験。そして助っ人として数々のおから料理を考案している料理研究家の井原裕子さんに米持家の普段の食事を参考に、一週間のおからメニューを考えてもらいます。２０代の息子と娘もいる米持家の料理は炭水化物が中心のガッツリ系。井原先生によると、食事におからを混ぜる事によっていつものボリュームを維持できると言います。

　こうして米持家のおからダイエット一週間分のメニューが決定！いよいよおからダイエット実験スタートです！
　１日目の朝食は、いつもの様にバナナとヨーグルト。ヨーグルトにおからを５ｇ混ぜました。そして昼食。ご主人は、営業の合間に帰宅し奥さんが作ったご飯を食べます。メニューは、三食そぼろ丼にみそ汁。実は、鶏肉のそぼろの２割をおからで代用。よく混ぜて炒めると、ほとんどわからなくなりました。さらに、"たまごそぼろ"も２割をおからで。おからを入れるとふっくらするんだとかそして、"シャケフレイク"にもおからを投入。香ばしさを出す為にさっと炒めます。おから入り三食丼の完成！さらに、おみそ汁にもおからを入れました。よくかきまぜて馴染ませるのがコツ！ご主人は、味にも満足したようです。１日目の夕食のメインは「豚ニラもやし炒め」。もやしの水分が出た所で、おからを入れ、馴染ませます。そして、なんと、ご飯にもおからを投入！ごはん三合に対し５０ｇのおからを入れて炊きます。おからが混ざっているなんて見た目にはわかりません。さらに、サラダにかけるゴマドレッシングにもおからを入れる徹底ぶり。

　こうして１日目は通常の食材を使った場合よりも４７キロカロリー減らすことができました。夕食を食べ始めた家族、すると子どもたちが満腹感を訴え、ご飯を残したのです。専門家によると、おからが水分を吸収、胃の中で膨らみ、それが脳に伝わって、満腹感をもたらしていたんです。さらに、おからに多く含まれる食物繊維は水に溶けない不溶性。だから胃で分解されずにゆっくり腸に届くのです。また、一緒に食べた栄養素の吸収をゆっくりする傾向があり、急激な血糖値の上昇も防げ、比較的食べた物が脂肪に変換しにくいという事が考えられるそうなんです。

"おから"で食事の一部を代用すると、今までよりも満腹感が得られる！

③おからダイエット実験中盤戦！

　おからダイエットを始めて３日目。昼のメニューはおから入りハンバーグ。全体の３割をおからで代用します。食感を良くする為に、あらかじめおからと生たまごを混ぜよく練ってからフライパンへ。こうして完成したお昼ご飯はおから入りごはんとスープ、そして、きのこソースをかけたおから入りハンバーグ。ご主人にハンバーグの味を聞いてみると「いつもよりはパサパサしている感じ」と、何やら違和感を感じている様子。おからで３割代用したハンバーグに食感の違いを感じたようです。
　ならば、ハンバーグに、どれくらい"おから"を混ぜたら分かるのか実験です。用意したのは、合いびき肉とおからの割合が１０％から５０％まで、５段階のハンバーグ。

焼き上がりは、ご覧の通り。おからの割合が多くなるにつれ若干白っぽくなりました。
　実験開始！最初に、おからを混ぜていない肉だけのハンバーグを食べてもらいます。その後、１０％から５０％までおからを混ぜたハンバーグを食べ、肉だけのハンバーグの味と違うと感じた所で札を上げてもらいます。１０人に行った結果が・・・２０％で分かった人はわずか１人。３０％で４人、４０％で３人。５０％まで分からなかった人も２人いました。
　一方、おから家族はダイエット３日目の夜に突入。メインは麻婆豆腐。おからを入れるのは一番最後。おからが片栗粉の代わりになってトロミが出るんだとか。さらに、豚汁にもおから。具沢山な上、おからはほとんど汁に馴染むので違和感なく仕上がります。
　お好み焼きには、１人前、小麦粉４５ｇに対しおから８０ｇ。おからを入れる事でふわふわ感がでます！こちら、ひき肉の代わりに４割おからを入れたキーマカレー。おからの甘みと旨味が加わりマイルドな味に！グラタンには、小麦粉１割に対しおからを９割使用。味はさっぱり、なのにボリューム感が出て食べ応え十分。
　こうして１週間が経ちおからダイエット生活が終了。さあ、実験前は７３．２キロだったご主人。おからの効果は出るのでしょうか？運命の瞬間です！果たして結果は・・・おからを食べ続けること一週間、見事、体重は２．１キロダウン！さらに、９６センチだったウエストは８８センチ、なんと８センチもシェイプアップ！

残り物には福がある！おからパワーは本当にすごかったのだ！

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