かがくの里[収穫祭2]
第1353回 2016年12月4日
2014年11月から始動した「かがくの里」。様々な分野の科学者たちの知恵を結集しながら、荒れ地は、見違えるような緑の田畑になりました。
2度目の収穫祭迎えた今回は、2016年から新たに取り組んだ2つのプロジェクトの集大成をお届けします!
1年かけたプロジェクトの集大成を食す!
2015年11月。パンが大好きな松村先生が日本では北海道以外あまり育てられていないパン専用の小麦の種を撒きました。7か月後の翌年6月、美しい黄昏色に染まった麦の穂。実りの時を迎え、手作業で丁寧に刈り取っておきました。
それを松村先生と阿部さんが機械にかけ細かく砕いて、小麦をまるごと粉に。出来たのが全粒粉。小麦の栄養が全部詰まってます。でも、全粒粉だけだとパンがふっくらと仕上がりません。一部をふるいにかけて、胚乳と言われる白い部分だけに。ふるいにかけた白い小麦粉と全粒粉、両方を使い、収穫祭前日、調理科学の専門家・露久保先生にパン生地を前もって仕込んでいただきました。
そして、猟友会の方に地元でとれたイノシシ肉を分けていただき、野生のイノシシ肉を使ったソーセージを露久保先生に作ってもらいました!その下ごしらえは、イノシシの肉を細かく切り、塩をよくもみこんでから2時間寝かせます。塩がなじんだところで、お肉に砂糖、スパイスを加えます。これをフードプロセッサーでミンチにしていくんですが、露久保先生によると、その時に氷を入れるのがポイントだそう。お肉と油と水分が低温で混ざり合うと、熱を加えたときプリプリになるんです。これを絞り袋に詰め、羊などの腸に流し込むケーシングという作業。これを食べやすい大きさにねじってお湯で50分茹でます。これは殺菌のためですが、お湯の温度は80度を越えてはダメ。高温で加熱すると、肉の油がとけ、食感がボソボソになっちゃうんです。こうして茹で上がったソーセージをパンと一緒に釜で焼いてついに完成!所さんや松村先生も大満足でした。
そしてもう一つのプロジェクトが養殖。去年11月の収穫祭で所さんが1000匹のドジョウを里の池に放流!5cm程度だったドジョウは丸一年で15cmと3倍も大きくなりました。松村先生はドジョウの臭みが苦手ということだったので、フランス料理の名店「ラ・ロシェル総料理長・工藤敏之シェフ」にドジョウを美味しく料理してもらいます。
泥臭さを消すフレンチの技法はスモーク。こうしてフレンチ流ドジョウ料理が完成!名付けて「スモーク・アラ・ロッシュ」。ロッシュはフランス語でドジョウの意味。ドジョウをスモークしただけでなく、さらに臭み消しで麦みそ、ゴボウが入っています。これに溶き卵をつけ、焼きあげました。オシャレな特製バジルソースでいただきます。
そしてもう1品。2016年、里の池には、1キロ3000円で取引される高級魚・ホンモロコも放流。名付けて「ホンモロコのレース揚げ。」小麦粉、ベーキングパウダー、卵白、水を合わせて作った衣でサクサクに挙げました。
どちらも絶品!1年間養殖した甲斐があったのだ!
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