放送内容

第1401回
2017.11.19
かがくの里・田舎暮らし の科学[収穫祭1] 人間科学 食べ物

 2014年11月、何もないただの荒れ地にたくさんの科学者たちが訪れ、見違えるような豊かな田畑へと生まれ変わった「かがくの里」。3年目となった2017年11月、今年も秋の豊かな自然の中で、里山の恵みを存分に味わう「かがくの里3回目の大収穫祭」を開催!

所さんと畑の作物を収穫して食べる!

 農業の専門家、高橋先生の案内で畑へ。まずは「さつまいも」の収穫。今年植えたのは種子島の特産「安納芋」。ネットリとした食感と蜜のような甘みで人気の品種。サツマイモは収穫するとデンプンを糖へと変えます。だから、とれたてよりも2~3週間貯蔵した方が甘くなり、それを蒸かすとさらに糖度が増しスイーツ並みの甘さになるんです。

 続いての収穫物は、南米アンデス山脈が原産の「ヤーコン」。フラクトオリゴ糖という、体内で消化されにくいためとっても低カロリーな糖が世界一含まれている作物。その糖には腸内環境を整える働きもあるんです!
 サツマイモ、ヤーコンの他に今年はソバや大豆、落花生などを育てました。一見、地味な作物ですが、高橋先生が言うにはこれらは栽培に手がかからず、週末だけ家庭菜園をする方にもおススメなんだそう。
 今年、かがくの里に新たに加わった高橋先生。初めて里を訪れた際語った、作りたい作物がうるち米の 「宇都宮大学の“ゆうだい21”」という品種のお米。その特徴はなんといっても味!宇都宮大学の試験では、味・香り・粘りともコシヒカリと同等以上の高評価なんです。

 5月にゆうだい21の苗を、機械を使ってリズミカルな田植え。植え終えた苗は6月から分ケツが始まり、順調に大きく成長!8月初めには穂が出てきました!これから、この中に実が入ってお米ができていくという大事な時期。でも今年、関東では連日の天候不順。お日様の力が足りないと、実が入りにくいんですが、9月に入り天候が回復!稲には、ちゃんと実が入り、ゆうだい21を無事収穫できました!

 収穫祭、前日。実験プレゼンターの阿部さんは調理科学の専門家、露久保先生においしくお米を炊くコツを聞きました。さっそく阿部さんが聞きつけた湧水スポットへ。地元の方に愛される木ノ根坂湧水。お豆腐作りにも使われるおいしいお水です。
 収穫祭、当日。このお水を使い、阿部さんが炊飯。近年では精米技術が進歩し、ヌカはほとんどない状態なので、強く研がない方がお米が痛まないんです。それと、お米は研ぐときに最も水をすうのでこの時、おいしい水を使うこともポイントです。

 御飯のお供は…今年5月に果樹の専門家、井上先生が里を初めて訪れ見つけた梅。企画開始からおよそ3年。誰もが全く気付かなかった梅を6月に収穫。露久保先生と共に塩とシソに漬け、夏場に天日で干して梅干しにしておきました。さらに先程露久保先生に習ったヤーコンのキンピラも完成。採れたてヤーコンの皮を剥き、細く切って水にさらします。こうすることで、アクを抜いていくんです。これに調味料を加えて炒めるだけ。その味は、とっても甘く糖度はおよそ13°C!いちごやナシなど果物に匹敵する甘さなんです。

ポイント1

最後は所さんが『忘れられた梅の木』をみんなの前で歌ってくれました!