放送内容

第1402回
2017.11.26
かがくの里・田舎暮らし の科学[収穫祭2] 人間科学 食べ物

 3年目となった2017年11月のかがくの里。今年も秋の豊かな自然の中で、里山の恵みを存分に味わう「かがくの里3回目の大収穫祭」を開催。その続編です!

養蜂プロジェクトの結果は?

 今年から、かがくの里で始まった養蜂プロジェクト!セイヨウミツバチの巣箱が持ち込まれたのは、5月のこと。巣箱の中で、女王バチが1日2千個の卵を産み、ミツバチはすごい勢いで増えて、2週間で2万匹のミツバチが4万匹に!巣箱も二つに増やしました。働き者のミツバチたちは、春の花の蜜をどんどん集め、わずか一ヶ月半で、もう蜂蜜がとれるまでに。その量は8kg。

 そして、ミツバチたちは、秋に咲く花からも一生懸命、蜜を集め、収穫祭の10日前には、秋のハチミツが26kgも収穫できました。

 小野先生によると「ミツバチは冬ごもりにハチミツを貯める習性がある」とのこと。また春に比べて秋のハチミツは色も違います。これは蜜の糖濃度が高い証拠。当濃度80%を越してくるとミツバチは巣板に吸湿しないようにフタがされていました。
 それでは所さんが春と秋のハチミツを食べ比べ。「ハチミツっていうよりべっこう飴みたいな、お米の飴みたいな味」だそう。続いて秋のハチミツは「全然、粘り気が違う、頬が痛くなるくらい甘い」とのこと。秋のハチミツがとっても甘いのは、完熟ハチミツだから。しかも、花の種類が違う春と秋では、味も香りも全然違うんです!それぞれに何の花の成分が入っているのか小野先生が調べた結果、春の方はミカンの花の成分。秋も同じ成分が出ているけれど、ソバや栗など、多様な成分があった」とのこと。このハチミツを、かがくの里の小麦で焼いたパンに付けていただきました!

 ちょうど1年前の11月。パン作りに適した小麦を植えていたんです。6月に美しい黄金色に実りを収穫。収穫祭前日に調理科学の専門家、露久保先生にパン生地を前もって仕込んでいただいていました。
 今年は大成功だった養蜂プロジェクト。小野先生は来年、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの味の比較をやる計画なのだと言います。

ポイント1

同じかがくの里で集めたハチミツの味にどんな違いが出るのか?来年の収穫祭で食べ比べるのだ!

かがくの里のフルーツ祭り

 今年、かがくの里に新たに加わった果樹の専門家・井上先生に里を見ていただくと、モモ、スモモなど、植えてもいないのに10種類の果物が見つかったんです。そもそもかがくの里は、柴田さんという方が30年暮らしていた土地をお借りしています。どうやら柴田さんが植えた果物が、ほったらかしだったのに、なぜかちゃんと育っていたんです。そこで、収穫祭の数日前。井上先生に色々見つけてもらいました。まずはアケビ発見!さらにブルーベリーの仲間ナツハゼ。そして柿。以前、阿部さんが食べた時は物凄い渋さでしたが、井上先生は甘柿かもしれないというんです。そこで阿部さん、恐る恐る食べてみると確かに甘い。前に阿部さんが食べたのは、成熟する前の渋い柿だったみたい。秋も深まった今なら、しっかり成熟しているはず!

 そこで、所さんともぎたて果実を味わいます。まずは、柿。所さんが豪快にかぶりつくと「渋い!」…あれ?どうして所さんが食べた柿は渋かったのか?井上先生によると、甘柿と渋柿がある柿ですが・・・実は、さらに細かく分類されるため見分けるのは難しく、専門家でも見た目だけでは判断しにくいそうです。どうやら、かがくの里の柿の木は、不完全甘柿という種類だったらしく、基本的には甘いんですが、日照時間や気温などの影響で甘くない柿ができてしまうことがあるそうです。
 つまり、1本の柿の木に甘い柿と渋い柿がなっているってこと。柿の渋みは、もともと全ての柿に入っていて、タンニンという成分が原因ですタンニンは水溶性で、唾液で溶けて、渋みを感じます。けれど柿が熟するとタンニンが水に溶けなくなり、食べても渋みを感じなくなるんです。甘い柿を見分けるポイントは、ゴマと呼ばれる黒い点。

 でも、井上先生によると、ゴマがあっても渋い柿もあり、最後は食べてみないと甘いか渋いかわからないそうです。甘いのを選んだつもりでしたが・・・所さん、ごめんなさい!
 続いては、かがくの里に実った栗!でも、気になるのは、この栗も手入れがまったくされていない野生化したものってこと。ともあれ井上先生に、他ではやられていないおいしい食べ方を教わりました。栗といえば蒸したり、焼いたりするのが定番ですが井上先生オススメの食べ方は「揚げる」。渋皮が残った状態で3分程度、油で揚げるだけで、特製揚げ栗の出来上がり!

ポイント2

挙げ栗は所さんも太鼓判でした!