第1436回 2018.07.29 |
ソロキャンプ の科学 | 場所・建物 |
「男の趣味」というイメージが強かったキャンプですが、近年では、女子高校生を主人公にしたキャンプ漫画が登場したり、写真をとってSNSにアップしたりと、女性の間で人気が急上昇しているのです!そんな「女子キャンプ」の魅力はどこにあるのでしょうか?そこで、後藤アナがソロキャンプに初挑戦!テントや料理を女性ならではの感性で体験していきます。
今回の目がテンは、女性がハマるソロキャンプを科学します!
キャンプ初体験の後藤アナがソロキャンプに!
キャンプ初心者の後藤さんがレクチャーを受けるために訪ねたのは、女性視点のスタイル「女子キャンプ」を広めているキャンプコーディネーターのこいしゆうかさん。こいしさんが言うには、キャンプは家でやる事と変わらないことをテントの中でやるだけなので、そこまでアウトドアというわけではないのだそう。さらに、キャンプの楽しみを聞いてみると、「外ご飯」と「夜の焚き火」にこそ醍醐味があると言います。
では、キャンプにはどんな道具が必要なのでしょうか。こいしさんが挙げたのは、「テント」「寝袋」「マット」「ライト」「バーナー」「クッカー」「テーブル」「イス」の8つの道具。それら全部が、1つのリュックの中に入っています。
後藤さんが最初に教わるのは、テントの組み立て方。1人で組み立てられるように写真も撮影しながら、真剣にレクチャーを受けていきます。さらに、寝袋の使い方など、キャンプの基本的なレクチャーをみっちり受けていきますが、1人でキャンプをする不安は拭えません。
そして数日後、いよいよソロキャンプを実行する日を迎えました。今回、後藤さんが訪れた場所は、北海道千歳市にある美笛(びぶえ)キャンプ場。目の前に支笏湖(しこつこ)が広がる、雄大な自然に囲まれた湖畔のキャンプ場です。
キャンプ道具をリュックにつめ、いざソロキャンプへ!今回はソロキャンプなので、後藤さんが自分でカメラを撮影し、スタッフは離れたところから撮影します。不測の事態に備えて、キャンプコーディネーターの風森美絵さんも遠くから見守ります。
さらに今回は、ソロキャンプで本当にリラックスできるのか、心拍の間隔などから自律神経のバランスを読み取る計測器を使って測定をしていきます。
装置に表示される、赤の交感神経が多いと緊張してストレスを感じており、赤の交換神経と青の副交感神経のバランスが良いと気持ちが落ち着きリラックスした状態です。一部の女性に人気というソロキャンプ、後藤さんは、本当にリラックスできるのでしょうか。
いよいよ後藤さんの初ソロキャンプが開始!不安な様子でキャンプ場へ向かう後藤さんの自律神経のバランスを見てみると…交感神経が優位に働き、緊張気味、ストレスを感じています。
雄大な湖を目にしながら、基地にする場所を決定。早速、こいしさんに教わったテントの組み立て方を確認しつつ、完成形の写真を見ながら組み立てますが、なかなかうまくいきません。風森さんに無言で助けを求めたりもしながらも、30分かけてなんとか無事にテントの組み立てが完了しました。さらに、テーブルなどをセッティングしてみると・・・初心者にしてはなかなかの、SNS映えするような出来栄え。
後藤さんが言うには、星の飾り付けやカラフルなシート、可愛らしいオーナメントがポイントなのだそう。この時の自律神経のバランスを計測すると、副交感神経が優位で、バランスが良く、リラックスしている状態だと分かりました。
夕食の食材を求めて、いざ釣りへ!
自分だけの女子キャンプセットが完成した後藤さん。続いては、夕食の準備です。美笛キャンプ場では魚釣りができるので、今回は、魚を釣って料理を作ります。これはさすがに1人ではできないので、地元釣具店の釣り体験を申し込みました。ターゲットは、アメマスという支笏湖の在来種。釣りも初体験の後藤さん、果たして支笏湖の魚、アメマスを釣ることができるのでしょうか。基本的なことを教えてもらい、第一投。針はすぐ目の前に落ちてしまいましたが、偶然、針に引っかかったのか、なんとウグイという魚が釣れていました!しかし、ウグイは食用には適さない魚なのでリリースします。この時の後藤さんを計測すると、自律神経のバランスが良く落ち着いている状態です。
そして10分後、再び当たりが。釣り上げると、少し小ぶりですがアメマスでした!さらに、その後もアメマスを釣り上げ、2時間ほど釣りをして合計2匹のアメマスを釣ることができました。後藤さんは、このアメマスで一体、どんな料理を作るのでしょうか。
科学の力でキャンプ料理作り!
夕方4時30分になり、早速料理を作っていきます。実は後藤さん、出発前に目がテンではおなじみの露久保美夏先生にキャンプ料理も学んでいました。
かがくの里でも登場したダンボールの燻製機を使い、燻製料理を作っていきます。食材は、豚肉のほかにトマト、ドライフルーツを入れていきます。しかし、この燻製の準備中に、突然の大雨が降ってきました。慌てる後藤さん。この時、自律神経のバランスは、交感神経が優位で、緊張状態に!
荷物が濡れないように、一旦テントの中へ。そして、キャンプの達人・風森さんに助けを求めます。風森さんが用意したのは日差しや雨を防ぐタープという道具。タープで雨を避けながら、その下で料理を行うことにします。
次は、どんな料理を作るのでしょうか。すると後藤さん、網の上に生卵を並べ始めました。実はこれも露久保先生に教えてもらったキャンプ料理、「焼きたまご」。炭火の遠赤外線効果により、ゆっくりと熱が伝わるので、ゆでたまごに比べ、黄身が固くなりにくく、しっとりするそうです。表面に水滴が多くついたら、食べ頃。
続いてのキャンプ料理に使う道具は、紙袋。なんと、袋の中にベーコンと生卵をそのまま入れていきます。そして、それを網の上で直火焼き。実は、これ、紙袋で作る目玉焼きなのです。紙袋が燃えるのではと心配ですが、紙袋が燃える温度は200度以上。卵の水分があるため、温度は100度以上になることがなく、燃える心配がないのです。10分ほどで目玉焼きは完成。そして、自分で釣ったアメマスは、串に刺して塩焼きに。初心者とは思えない、ボリュームたっぷりのご飯ができました!
肝心の味も文句なし!離れた場所でソロキャンプ中の風森さんにもアメマスの塩焼きをおすそ分けしました。
そして、時刻は夜9時。食事を終えると、1人きりの長い夜を迎えます。薪が燃える音を聞きながら静かな時間を過ごします。この時、自律神経のバランスは、副交感神経が優位に働き、リラックス状態。
そして、雨も強くなってきたので就寝することにします。出発前、眠れるか不安がっていた後藤さんのテントには深夜まで灯りが点いていましたが、疲れもあって眠れていたそうです。
朝を迎え、支笏湖を眺める後藤さんを測定すると、自律神経のバランスが良く、落ち着いている状態でした。
後藤さんも「久しぶりに時計の針を気にせずに過ごした」とリラックスできた様子です。
でも、なぜソロキャンプで、リラックスすることができたのでしょうか。ストレスについて研究している順天堂大学の小林弘幸先生に話を伺うと、ソロキャンプでリラックスできた理由は2つあると言います。1つ目は、都会から離れて自然と触れ合うことで、ストレスが軽減されたから。2つ目は、ストレスの原因の9割は対人関係にあると考えられており、ソロキャンプは、その対人関係から離れて自分だけの時間を作ることができるから。この2つが、ソロキャンプでリラックスができた要因なのだそうです。