放送内容

第1445回
2018.10.07
ガラパゴス諸島 の科学① 場所・建物 地上の動物 水中の動物

 この秋、放送30年目を迎えた『所さんの目がテン!』。それを記念して、世界遺産の第1号のひとつで、貴重な生物が数多く生息する「生き物たちの楽園」ガラパゴス諸島を徹底調査します!生き物大好き!桝太一アナウンサーが、憧れのガラパゴス諸島に初上陸!
 今回は、野生なのに人間を全く怖がらないガラパゴスの動物、鳥たちの楽園と呼ばれる島に住む、海鳥たちの生態に迫ります!

ガラパゴスならではの光景に驚き!

 ガラパゴスに行くのが、一生の夢だったという桝アナ。成田空港を出発してからおよそ13時間かけてアメリカへ行き、さらにエクアドルの首都・キトまで5時間。キトで一泊したのち、さらに3時間半かけてガラパゴス諸島へ。乗り継ぎも含めると30時間以上の長旅ですが、桝アナは到着した途端に大興奮!飛行機を降りてすぐ、ガラパゴス諸島ならではの光景が。外から植物の種などを入れないための消毒マットがあり、観光客はその上を歩かなくてはなりません。さらに、カバンの中身も検査。生の果物や、生き物をなどは持ち込み禁止。徹底的に調べられます。検査を終え、空港で迎えてくれたのは、ナチュラリストガイドのブランカさん。ガラパゴス諸島では、ほとんどの場所で専門の資格を持ったガイドの同行が義務付けられています。すると空港を出ていきなり…ガラパゴス諸島にしかいない、とても貴重な“ダーウィンフィンチ”を発見!

 桝アナが子供の頃から憧れたダーウィンフィンチが、電線のスズメのように普通にいるのです。次々と現れる珍しい生き物たちに、桝アナウンサー、興奮がおさまりません!さらに、船の上からは、“アオアシカツオドリ”が海面に続々とダイブしていく姿も!野生の生き物の生き生きとした姿が間近に見られ、桝アナも「ガラパゴスは向こうがこっちを気にしてないから透明人間になった気分だ」と感想を語ります。ガラパゴス諸島は海底火山の噴火でできた海洋島。大陸と陸続きになったことがないのでもともとは生き物がいません。運良く島にたどり着いた生き物だけが、天敵となる大型肉食動物がいないところで暮らすことができたため、警戒する必要がなく、結果的に人間に対する警戒心も弱まったのではないかといわれているのです。
 続いてやってきたのは、チャールズ・ダーウィン研究所。世界から寄せられる寄付で運営されていて、ガラパゴス諸島の保全に関する研究が日夜行われています。目がテンが30年目に突入ということで、ダーウィン研究所の所長を表敬訪問!所さんの人形をプレゼントすると、オフィスに飾ってくれました!

人間よりも動物優先!プエルト・アヨラ

 次にやってきたのは、ダーウィン研究所の近くにある街、プエルト・アヨラ。プエルト・アヨラは人口およそ12000人、ガラパゴス最大の都市です。観光客の多くはこの街を拠点に、クルーズ船で様々な島へと出かけていきます。
 おしゃれなカフェなどが立ち並ぶ街中を散策していると…出会ったのは、“ガラパゴスウミイグアナ”!

 世界で唯一、海で泳ぐことができる、とても貴重なイグアナです。続いて魚市場に行くと、市場の床に“ガラパゴスアシカ”がごろりと寝ころんでいます。

 こちらもガラパゴス諸島にしか住んでいない、貴重なアシカです。さらに、水揚げの時間になると、ペリカンなどの海鳥やアシカが集まってきます。世界に1000羽ほどしかいない、本当に貴重なカモメ“ヨウガンカモメ”が魚をつまみ食いする姿も。

 さらにアシカが食べていた魚の切れ端を“オオアオサギ”が横取りしていきます。このような姿が見られるペリカンベイでは、間近で動物の写真が撮れます。しかし、触ったり、近づきすぎたりするのはNG。すると突然、アシカの方から桝アナたちがいる場所へ上陸してきました。全く人間を恐れずことなく近づいてくるアシカ。桝アナのすぐ横でお昼寝を始めました。かのダーウィンも、この島の生き物たちに警戒心がないことに驚いたと記しています。ちなみに、このアシカの名前はセレーナと言うそう。地元の人たちもアシカに名前をつけて、友達のように接しているそうです。その後目を覚ましたセレーナは、そのまま海へとダイブ!プエルト・アヨラは、人間よりも動物が優先の地球上でも稀有な街だったんです。

 そして、すっかり日も暮れて、桝アナと佐藤アナが向かったのは、屋台ストリート。島の周辺でとれた新鮮な魚介類をその場で調理してくれます。そこで、巨大なロブスターのバター焼きとカサゴの仲間であるブルーホのホイル焼きを注文!肉厚でふわふわな魚介類が味わえる、ガラパゴス料理を堪能しました。

鳥たちの楽園!ノースセイモア島

 そして、鳥たちの楽園とも呼ばれている小さな無人島、ノースセイモア島に向かうことに。案内してくれるのは船長兼ガイドのビコさん。まずは、沖にとめてある船へと向かいますが…その時、アオアシカツオドリの大群が、船の周りめがけて上空から次々と飛び込んできました。まるで爆撃のように飛び込んでくるアオアシカツオドリ。船の下にいる小さな魚をとっているのだそう。その様子をスローで見てみると、水に飛び込む直前、羽を大きく後ろにたたんでいることがわかります。羽をたたむことで水の抵抗を最小限に抑え、なんと最大20メートルの深さまで潜ることができるそう。

 深く潜ることによって、より多くの魚を取ることができる、というわけです。
 そして、アオアシカツオドリが普段どんな場所で巣を作っているのか、その様子が見られるノースセイモア島に向かいます。ノースセイモア島は、アオアシカツオドリが巣をつくる島として知られていて、他にも目の周りが赤いアカメカモメなど、ガラパゴスにしかいない貴重な鳥たちが暮らしています。すると早速、ガラパゴスを代表する鳥の一つ、グンカンドリに遭遇。

 翼を広げると2メートルもの大きさがあり、他の海鳥の餌を奪うことからグンカンドリという名が付きました。グンカンドリの一番の特徴は、オスの喉が赤く膨らんでいること。オスがメスを引き寄せるために膨らませているそうで、大きくて鮮やかな喉袋のほうがメスにモテるといいます。ちなみに、普段の喉袋は縮んでおり、佐藤アナいわく、「焼きたらこ」みたいな形。

 喉袋を膨らませたオスは、くちばしを鳴らし、空を飛ぶメスにアピールします。しかし、自分のところにメスが来たからといって、カップル成立というわけではありません。メスは2、3年に一度しか卵を産まないため、オス選びはとてもシビア。一度近寄っても逃げてしまうこともあります。無事、カップルが成立すると、ヒナが産まれ、子育てが始まります。

 親はヒナが巣立つまでのおよそ1年もの間、餌を与え続けるそうです。
 島をさらに進むと、繁殖期真っただ中のアオアシカツオドリを発見しました。アオアシカツオドリは、足は青ければ青いほど健康だそうで、メスにモテます。その自慢の足を見せつけながら歩き、羽を広げてポーズをとるのが、彼らの求愛ダンスです。

 奥にいるメスも同じように踊ってくれれば、カップル成立なのですが、メスは興味なかったようで、フラれてしまいました。さらに、子育て中のカツオドリにも出会えました。親鳥は、一度飲み込んだ魚を吐き出してヒナに与えます。

 さらに進むと、ヒナが死んでいる場面に出くわしました。アオアシカツオドリは、2,3個の卵を産みますが、餌の少ない年は1匹しか生き残れません。餌を取り合って、体の大きいヒナが小さいヒナを殺してしまうこともあるそう。この光景は、自然界のシビアな様子を象徴しているものでした。そして、彼らの生活を脅かす他の鳥の存在も。アオアシカツオドリの親子の観察をしていると、グンカンドリが襲来し、餌を奪って逃げていきました。

 魚を捕まえるのが苦手なグンカンドリは、アオアシカツオドリから餌を奪うことがあるのです。多くの海鳥は、尾の付け根に特別な器官を持っており、そこから出る油を体に塗って防水するのですが、グンカンドリはその器官があまり発達していないので泳ぐことができません、その代わり、とても速く飛ぶことができるので、アオアシカツオドリが魚を捕まえたところを襲って奪うのです。ノースセイモア島では、海鳥たちが厳しい環境と向き合い、懸命に生きている姿を目の前で観察することができました。