放送内容

第1506回
2019.12.22
移住体験・和歌山県日高川町 の科学[後編] 場所・建物

 目がテン“移住体験シリーズ”!今回は、「和歌山県・日高川町」の後編です。町の9割が森林で覆われた、自然豊かな一帯は28年も前から移住者の受け入れに力を入れる町。
 しかし!その暮らしは、移住者たちが口を揃えて言う“何もない”場所。では、なぜこの地に惹かれ、暮らし続けるのか?移住体験プレゼンターの金丸慎太郎さんが、7日間の移住生活で、その謎を調査!
 今回の目がテンは、ふれあい溢れる移住先、「和歌山県・日高川町」後編をお送りします!

日高川町の先輩移住者③

 この日は、移住歴15年を超える先輩移住者のもとへ。18年前、大阪から移住してきた中本毅さん。長女と次女は、就職と進学のため離れて暮らしており、現在は、奥さんと、中学生の三女・和さんとの3人暮らし。
 この日、中本さんが準備していたのが。フォレスト祭という、森林をテーマにした、体験型のイベント。
 フォレスト祭とは、木工教室など木にまつわる様々な体験ができる町役場と森林組合が行なう、年に一度のイベント。中本さん、以前は大阪でサラリーマンとして休みもなく働き詰めでしたが、 移住後は日高川町の森林組合に勤めています。中本さんは、移住して18年。8年前に念願のマイホームも建てました。
 元々、田舎暮らしにあこがれていたという中本さん。林業の仕事は未経験でしたが、家族と過ごす時間を大切にするため、移住を決意したそうです。
 会場には、中本さんの三女・和さんも。家族と過ごす時間が増え、親子の絆も深まる。これも、何もない町の魅力なのかもしれません。

 せっかくなので、金丸さんもお祭りを満喫。すると、付近の山でとれた、大きな鹿肉に舌鼓。そして、祭りの目玉イベントが“丸太切り競争”。大きな丸太を4人1組で順番に切り、タイムを競います。予選を勝ちぬき、優勝すれば、なんと賞金10万円。さっそく金丸さん、中本さんの奥さんとその知り合い4人でチームを結成。予選で、4チーム中、上位2チームに入らなければ次へは進めません。
 いよいよ予選がスタート!3人が切り終え、いよいよアンカーの金丸さん!しかし…他のチームは、とっくに切り終え談笑中。圧倒的なスピードの差に惨敗でした。

恒例の自撮りカメラでさらなる魅力を探る

 街の人たちの素顔を引き出すため、金丸さん自らカメラを回し、撮影してもらいます。まずは、山口さんのお宅に漆喰塗りの作業のお手伝い。山口さんは、小学校で出会った、更沙ちゃんのお母さん。東京から移住してきた先輩移住者です。山口さんは、様々な植物で布や服を染める草木染めの仕事をしており、その作業場である古民家の改修のお手伝いをしました。作業のお礼には、更沙ちゃんから草木染めのハンカチをもらいました。

 金丸さん、この日は近所の小学生と中学生にお話をさせていただくことに。しかし、金丸さん、緊張しすぎて、出だしから難しい話をしてしまい…反省。なので、金丸さんの特技の"耳鳴らし"で子供たちの心をつかみなんとか挽回です。
 夕方、家の縁側でくつろいでいると、家が近所だそうで、優季くんが遊びに来てくれました。

 次の日、移住生活で出会った先輩移住者、炭焼き職人の伊藤さんの手伝いです。
 備長炭の材料となるウバメガシを束ね、釜の中に入れていく、炭焼きの最初の作業です。熱を効率よく伝えるため、木を縦にして入れるのが紀州備長炭の作り方。あとは釜に火を入れ、2週間ほどで、備長炭ができあがります。その他、出来上がった炭を選別する作業もお手伝いしました。

 そして、道の駅に遊びにきました。金丸さんが気になっていたのが、ほろほろ鳥。以前、目がテンでタンザニアに行った時ハッザ族が狩りでとっていた「ほろほろ鳥」。その時、焚き火で豪快に焼いたものを食べさせてもらったことがあったので、日高川町のほろほろ鳥がどんな味なのか気になっていました。しかし、まさかの売り切れでした。

 この日は、移住生活最後の夜。大家の児玉さんたちが、お店で送別会を開いてくれました。移住初日にご挨拶した地域の区長さんや先輩移住者の木島さん夫婦。この移住生活で知り合った方々が集まってくれました。

 こうしてカメラに収められていたのは、この町に暮らす人々の、飾らない素顔。1週間の移住生活を終え、スタッフと合流。すると、バス停には、金丸さんを見送りに、たくさんの人が。そして、バスの発車時刻がきました。
 金丸さん、今回の移住生活を終えて「何もないと言いながら、人の温かさや交流する場もあり、移住者が長く住み続ける理由がよく分かった」と語りました。