放送内容

第1523回
2020.04.26
お家で出来る健康法 の科学 人間科学

 外出できず、家にいる時間が続く毎日。お家で過ごす時間が長くなるにつれ、体がなまってきた方も多いのではないでしょうか?そこで今回の目がテンは、これまでに紹介したお家で出来る健康法をご紹介!
 今回の目がテンは、巣ごもりを少しでも快適に!「お家で出来る健康法スペシャル」です!

皮膚体操でコリをほぐす

 家で過ごす時間が長く、体を動かさないと血流が悪くなり、全身のコリにつながります。このつら~いコリを簡単にほぐす方法があるんです。それが、「皮膚体操」!
 提唱しているのが、按摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ、メディカルトレーナーの宮田トオルさん。皮膚を動かして、筋肉をほぐし、血流をよくすることで、コリを解消することができるというんです。
 それでは、お家で座ってできる皮膚体操をご紹介!スタジオで、宮田先生に直接教えて頂きます。

 座ってできる皮膚体操、まずは「肩こり」編です。

 肩周りの皮膚を正しい位置に戻すことで、コリをほぐしていきます。
 やり方は胸に手を当て、胸の皮膚を斜め上に10回動かします。そして、皮膚を持ち上げた状態で、10秒間キープ。これを、3セット繰り返します。
 ここで、気を付けたいポイントが。初めての人は、力んで早くやってしまいますが、1秒間に1往復ぐらいのリズムで動かすこと。
 さらに、皮膚を動かしながら、肩を後ろに10回動かすのも効果があるといいます。これも3セット繰り返します。

 座ってできる皮膚体操、続いては「首のコリ」編です。

 まずは、髪の生え際に10本の指を当てます。そして、頭皮を上に押し上げる動作を10回繰り返します。頭皮を上に押し上げたまま10秒間キープ。これを、3セット繰り返すだけ。こちらも気をつけるポイントが。この時、呼吸は自然に行い、肩に力が入らないように顔を指にあずける。

 座ってできる皮膚体操、最後は「腰のコリ」編です。

 まず、つま先の位置を揃えます。どちらかが前に出ていると、それだけで皮膚にゆがみが出てくるので、バランスを整えた状態で行います。 やり方は、ベルトをする高さに手を置いて、左右に10回、腰の皮膚を動かします。
 ここで気を付けたいのが、肩が腰の皮膚と一緒に動かないように注意すること。
 ちなみに、腰に手を当てるのがつらい方は、おなかの前に手をあてて左右に動かすのも効果的だそうです。
 また、立った状態で、腰の皮膚を動かす方法もあります。背骨の両脇に手を当て、上に向かって皮膚を動かしていきます。これも10回、上にあげたところで10秒間キープ。手がズレないよう、指先を曲げた状態で動かします。この状態は、腰だけではなく、肩や首にも効果が!

 硬くなった体は皮膚体操でほぐしてリラックスしましょう。

体を鍛える➀“お腹引っ込めトレーニング”

 「お家で出来る健康法」、続いては、家の中での転倒防止にもなる「インナーマッスルトレーニング」をご紹介!
 「インナーマッスル」とは、「腹筋」など体の表面にある筋肉ではなく、深いところにある筋肉のこと。実は、あらゆる動作をするとき、体の表面の筋肉より先にインナーマッスルが働いているんです。
 早稲田大学でスポーツ科学を研究する金岡恒治先生によると、日常生活でのケガを防ぐためにも、インナーマッスルを鍛える必要があるといいます。

 そして、その方法が…誰でも簡単「お腹引っ込めトレーニング」!
 これは、お腹に力を入れて、内側にひっこめるだけで、おなかまわりの「腹横筋」というインナーマッスルを簡単に鍛えられるトレーニング。腹横筋とは、コルセットのように腰まわりを包み込む筋肉で、腰を安定させるために重要なんです。
 それでは、若々しい体を保つ!「お腹引っ込めトレーニング」のやり方をご紹介!
 ここでのポイントは、腰骨の下の黄色の印部分を意識すること。
 骨盤の出っ張ったところから指2本分内側へ、さらに2本分下へずらしたところです。

 あおむけになり、印の部分に指を当て、お腹をふくらませた状態から、ゆっくりと息を吐きながら、お腹を内側に引き込みます。
 このときに、指で触っている部分が硬くなっていれば、インナーマッスルがきちんと使われている証拠。息を吐きながら10秒間を3セット。これを毎日行うだけでいいんです。
 トレーニングのコツをつかめば、立っているときでも、座っているときでも行うことが出来ます。日常生活に重要な役割を果たすインナーマッスルを鍛えれば、日々の生活を安全に過ごせますよ!
 1日30秒の「お腹引っ込めトレーニング」で無理なくインナーマッスルを鍛えましょう!

体を鍛える②“正しいスクワット”

 続いて紹介するのは、年を重ねると衰えやすい下半身のトレーニング!筋肉体操でもおなじみ、谷本道哉先生に聞いてみると、体を支えるために一番重要な下半身は、歳をとるとどんどん衰えてしまい、上半身に比べると、下半身の方が圧倒的に加齢で衰えていくといいます。だからこそ、下半身のトレーニングは重要なんです。
 さらに、下半身が衰えると、日常生活で難しくなってくるのが立ち上がり動作。これができなくなると、自分で歩けなくなってしまうことも。逆に言えば、立ち上がり動作が出来れば、自立した日常生活が送れるということなんです。この立ち上がり動作で使う筋肉を、効果的に鍛えるトレーニングがあるといいます。それが、トレーニングの王様ともいわれる、スクワット。
 まずは正しいスクワットの方法を教えてもらいます。よくある間違いは、体を立てた状態でヒザを前に突き出して曲げること。このフォームは、ヒザに負担がかかり、痛めてしまう危険があるんです。正しいフォームは、椅子に座るようにおしりを突き出し、体を前に倒します。しっかり体を前に倒すことがポイント。

 慣れないうちは、転倒を防ぐために、机を持ちながら顔を前に向けてしっかりと背筋をのばして、まさに椅子に座るように行います。

 正しいフォームがわかったところで、少しキツイけど効果が期待できる、効率のいい鍛え方もご紹介!
 先生によると、大事なのはゆっくりとした動き。
 3秒かけて下げ、3秒かけて上げます。さらに立ち上がったときにひざを伸ばし切らないようにすることがポイントです。この「ゆっくりとした曲げ伸ばし」を10回行います。
 このあと行うのが、素早いスクワットを5回。そして5秒休んで、素早いスクワットをもう5回。

 谷本流トレーニングでは、ゆっくりとした動きと素早い動きを組み合わせ、少ない回数で筋肉を限界まで追い込むことで、効率よく鍛えることができるそうなんです。このトレーニングは日に1~2セット、1日おきに続けると効果的だそう!少しつらいですが、このスクワットを続ければなまった下半身も鍛えられますよ。

体を鍛える③“目がテン体操”

 「お家で出来る健康法」、最後は楽しく柔軟性と筋力を鍛えられるトレーニング!人の体の構造や動きを研究する、荒川裕志先生によると、筋力とともに柔軟性を高めることで、体が動かしやすくなり、ケガの予防にもつながるんだそう。
 目がテンでは、柔軟性と筋力を高められ、お家の中で楽しくできる“目がテン体操”を開発!協力してもらったのは、東京大学総合文化研究科、ダンスやリズムについて研究する、踊れる研究者三浦哲都先生です。所さんが書き下ろした「目がテン」のエンディングテーマ、「未来」に合わせて体操を作ってもらいます。
 ポイントは5つの動き。この5つの動きを覚えれば誰でもできるものなんです。

 1つ目の動きは、胸と肩甲骨を交互に寄せます。背中を丸めると肩甲骨が開き、腕を広げると閉じます。この動きで肩周りの柔軟性を上げていきます。
 2つ目の動きは、腕を大きく回して、肩回りの可動域を広げます。
 3つ目の動きは、体側を伸ばし、股関節を回します。体側と股関節の柔軟性を高める動きです。
 4つ目は、足上げ、股関節の曲げ伸ばし。股関節周りの柔軟性と筋力アップを目指します。
 5つ目の動きは、「ランジ」とよばれる足を前後に開くトレーニング。これも、股関節周りの柔軟性と筋力をアップさせます。

 これら5つの動きを、音楽に合わせて行うことで楽しく運動できるんです。

 今回、ご紹介した目がテン流「お家で出来る健康法」は、どれも簡単で、すぐに始められるものばかり!無理せず、ご自分の体力に合ったものから実践してみてくださいね。心と体を健康に保って、元気に過ごしましょう!