放送内容

第1524回
2020.05.03
生き物バンザイ総集編 の科学 地上の動物 水中の動物

 今回の目がテンは、桝太一アナウンサーの持ち込み企画スペシャル。自称、日本テレビで最も生き物を愛しているという桝太一アナウンサー。そんな桝アナウンサーが、これまで明らかにしてきた生き物の不思議。
 ある時は磯で超レア生物探しに挑戦!またある時は新宿でタヌキ探し。さらに生き物の模様ができるメカニズムを明らかにしたいと挑戦したのが、1万個のオセロでの大実験!
 今回は、「桝太一の生き物バンザイ特別編」。体を張って確かめたSPです!

磯でウミウシ探し

 まず調査するのは、潮が引いた干潮時の磯。磯にはおよそ500種類もの生き物が暮らすといわれ、干潮時の潮溜まりで観察できます。そんな磯で探すのがとっても難しいレア度星5つの生き物。今回のターゲット、それはウミウシ。
 別名、海の宝石とも言われているウミウシ。殻は持っていませんが、実は巻き貝の仲間。形や柄も実に様々です。
 今回、ウミウシを一緒に探してくれるのは、観音崎自然博物館の山田和彦さん。
 というわけで、ウミウシ探索開始。ウミウシがいる岩陰や海の底を重点的に探していきます。しかし、他の生き物とは違い、まったく見つかりません。
 と、その時、山田さんがウミウシを発見!
 見つけたのは、ピンク色をしたサガミミノウミウシ。体はふわふわした、みの状の突起でおおわれています。

 再び探索開始です。ところが、星5つのウミウシ、そう簡単に見つからないのです。すると、なんと磯初心者のスタッフが、イソウミウシというオレンジ色のウミウシを発見!

 そしてついに桝アナウンサーも、岩陰に隠れていたマダラウミウシを発見!黒い斑点が特徴の、体長およそ4cmのウミウシです。

 潮が満ちてきて、ウミウシ探索終了間際。ここで、とってもかわいらしいオトメウミウシを、またまた山田さんが発見!
 特徴は、エラを表には出さず体内に収めているため、細長い体をしていること。

 今回は1時間半探索して、5種類のウミウシを発見することが出来ました。

東京でタヌキ探し

 続いて体を張って調査するのはタヌキ。ビルの立ち並ぶ東京では、タヌキは遠い存在になっています。ところが、大都会東京でも、タヌキの目撃情報が!
 そこで、東京で暮らすタヌキを見つけ出し、その生態から、都会で生き抜く術を大調査!協力してくれるのは、東京農工大学金子准教授。
 まず向かったのは新宿御苑。都会のオアシスとして長く自然が残されてきた場所です。調査によると新宿御苑には、タヌキの大好物がたくさんあるというのです。それが…タヌキの大好物、ケンポナシといわれる植物。

 他にも、新宿御苑にはタヌキが好むものが沢山。さらに糞から出てくるのは、鳥の羽やセミの抜け殻など。都会でタヌキが暮らせる理由の一つは、雑食で色々食べられることだったのです。
 次に向かったのは、世田谷区下北沢駅近くにあるおしゃれなレストラン。その目撃現場はお店の庭。タヌキは本当に現れるのでしょうか?
 その時、セミの抜け殻を発見!タヌキの大好物、セミの幼虫。
 そして、1週間仕掛けておいたカメラを回収。東京のタヌキは映っているのでしょうか?
 2日目の夜11時50分。茂みに目を光らせる動物の姿。これはもしや?ついに下北沢に暮らすタヌキの撮影に成功です!

 さらに3日目には2匹のタヌキを発見!

 実は、タヌキはオスも子育てを助ける珍しい種。哺乳類で、オスも子育てに協力する種は、全体の5%もいないそうなのです。タヌキが大都会で生きていけるのは、夫婦で協力して子育てをするからこそ。

 他にも、タヌキには東京で生き抜く、ある習性が。なんと、同じ地域のタヌキは、同じ場所に糞をすることで情報交換をしているというのです!ため糞場でタヌキは、別のタヌキがした糞を嗅いで、近くにどんな食べ物があるのか、また、糞に含まれるフェロモンから性別や年齢、発情しているかなど、様々な情報を得ることが出来るそう。
 仲間同士でSNSのように情報交換することが、厳しい都会を生き抜くタヌキの術だったんです。

生き物の模様の不思議

 続いては記念すべき1回目の持ち込み企画。生き物の模様の不思議を見ていこうというもの。
 ヒョウ柄や、水玉、ストライプなど、自然界には不思議なパターンの模様が沢山あります。この模様のできるメカニズムについて、ある画期的な理論を唱えた学者がいたんです。アラン・チューリング、イギリスが誇る天才数学者。
 チューリングが唱えた理論、それは、生き物の模様が、遺伝子に組み込まれた設計図に基づいて出来るのではなく、単純なルールに従って自動的にできるという画期的なもの。

 つまるところ、生物の模様というのは、2つの色の配置によって決まっていますが、たった2つのルールに従うだけで、あるものは縞々模様、あるものは水玉模様になるといいます。
 縞模様のゼブラフィッシュという魚。よく見ると、黄色と黒の2種類の色素細胞で模様ができていることがわかります。この模様ができる仕組みとは?
 そこで目がテン!大実験!オセロで生き物の模様を作ってみよう!
 模様を作り出しているつぶつぶ、色素細胞を、オセロの石で表現します。
 まずは、細胞に見立てた正六角形のマス目、実に1万マスが書かれたシートを用意。そこに1万個のオセロの石を、白と黒の色素細胞に見立てて、ランダムに配置していきます。最終的には、白と黒が同じ数になるように調整します。
 ただただオセロを並べ続けること2時間。この時点では、特に模様らしきものは見えません。これから2つのルールで、オセロを動かすと本当に模様が出来ていくのかを実験していきます。

 ルールはたったの2つ。
 周りが4つ以上、つまり4つか5つ、6つ、周りを異なる色に囲まれたら、中心の石をひっくり返すことにします。これが、まず1つめのルール。

 2つめのルール、同じ色の石が周囲2周以上集まると、中心の石はひっくり返して違う色にするというもの。この2つだけです。

 2時間かけて3169個に印をつけました。次に印を取って、オセロの石をひっくり返していきます。1万個をチェックして印をつけ、ひっくり返していく作業。これを1ターンとして、それを何ターンも繰り返していくわけです。まさに気が遠くなるような作業。実験開始から6時間、ようやく1ターン目が終了。
 そして2日目。一度全体を返し終わった1万個の石。同じように2つのルールに従って印をつけ、2ターン目のひっくり返しへと入っていきます。
 2ターン目になると、2つ目のルールでひっくり返る石も増えてきました。いつしかこの作業に習熟してきた桝アナウンサーたち。どんどんペースアップして、この日一日で4ターン目まで進みました。総作業時間は、実に合計15時間!石をひっくり返した回数、合計5719回!果たして結果は、どうなったのでしょうか。すると、模様が、見事に浮かび上がってきました!

 また、ルールのちょっとした条件を変えることで、様々な模様が出来うるということが分かったのです。基本的なルールは決まっていますが、そのルールの、ちょっとした条件を変えることで様々な模様ができる、勝手に出来上がるということが証明されたわけなんです。