第1552回 2020.11.22 |
かがくの里・田舎暮らし の科学[収穫祭1] | 場所・建物 食べ物 自然・電波・鉱物・エネルギー |
荒れ果てた土地を科学者たちが再生し、人と自然が共に生きる里山作りを目指す長期実験企画。かがくの里。多くの科学者たちが科学の力と知恵で、荒れた土地を1から切り開き、丸6年。田畑は豊かに実り、かがくの里は野ウサギやカモが訪れ、野生の生き物たちにとってもすみやすい環境に。今年は4月の緊急事態宣言によって、スタッフも阿部さんも、かがくの里には行けない状態が続きましたが、地元の方々の協力と、先生たちの工夫でなんとか!無事、所さんを迎え、6回目の収穫祭を開催します!
かがくの里6回目の大収穫祭スペシャル!!
“つるくびカボチャ”のポタージュと天ぷら
今年5月。阿部さんが自宅のベランダで、種もみから育てた稲の苗は、いつもより遅れること2週間、無事田植えを終え、長梅雨にも負けずしっかり育ち、10月下旬に無事収穫しました。刈った稲はハウスで干して、10日ほど経ち、今では精米できる状態に。
そして、6月下旬。収穫祭が心配だと思った西野さんが用意してくれたのは、つるくびカボチャ。つるくびカボチャは、日本の在来品種で、古くから栽培されてきた伝統野菜。
順調に成長し、2ヶ月後にはすくすくと、たくさんの実をつけました。名前の通り、鶴の首のような見た目が特徴。熟れると色がオレンジ色に変わります。
カボチャは収穫してから寝かした方がおいしいのですが、なんと西野さん、先に収穫してつるくびカボチャ干してくれており、このカボチャで、露久保先生がポタージュをご用意してくださいました!
つるくびカボチャは皮を落とし、細かくカットしたら、玉ねぎと一緒にバターで炒めます。煮込む前に一度炒めるのがポイント。カボチャを炒めると、甘みが凝縮されるほか、香りがたち、味の深みにつながります。
炒めた具材に、牛乳とコンソメを入れて煮込んだら、食感を滑らかにするためミキサーへ。最後に塩こしょうで味を整えたら、つるくびカボチャのポタージュの完成!
さらにもう一品、カボチャの天ぷらも一緒に。
カボチャ料理は、所さんも大絶賛でした!
炭焼き“秋ジャガイモ”
次の里の恵みは、ジャガイモ。9月上旬。収穫祭までの2ヶ月で育つ作物としてチャレンジしたのが、“秋に植えるジャガイモ”。
ジャガイモは、アンデス山脈の高地など、涼しい所が原産。なので秋に植えても育つんです。ただ、問題は、かがくの里の水はけの悪さ。実は去年も、秋ジャガイモにチャレンジしましたが、大型台風の影響でイモが腐ってしまい、失敗。
今年は秋の台風や長雨に備え、土を高うねに。そのおかげで、その後の大雨にも耐え、ジャガイモは順調に葉を伸ばし、わずか2ヶ月でもちゃんとジャガイモは実っていたんです。
こうして収穫したジャガイモは、最高の食べ方で!それは、村田先生がかがくの里でつくった炭を使った焼きジャガイモ。
ジャガイモをおいしく焼くなど、里山では大事な燃料となる炭。けれど、去年の炭作りでは、窯の温度が急に上がり灰になってしまった炭。そこで今年は、村田先生の友人の上野さんたちが、空気孔にドアをつけて、窯の温度を微調整できるようにしてくれたんです。さらに、雨が降っても大丈夫なように、屋根まで!そのおかげで、去年より良い炭を作ることができました。
阿部さん、重機で土壌改良!
すると阿部さん、重機に乗っています。阿部さんが重機の操縦法を学んだのには深い理由が。かがくの里の畑の水はけは、6年経った今も悪いまま。これまで堆肥や稲わらを入れたり、高うねにするなどしてきましたが、水はけのいい畑に生まれ変わらせるため、来年から本格的な土壌改良を行うことに!そのために阿部さんは、重機の操縦法を学んだんです!でも重機を使って一体何を?
高橋先生によると暗渠排水で水はけを良くするとのこと。
暗渠排水とは、畑や田んぼに大きな溝を掘って、暗渠管と呼ばれる、水が滲み透る管を埋め込み、余分な水を畑の外に流す方法。暗渠管を埋めるのに、重機が必要だったんです。
炭焼きジャガイモのお味は…?
そうこうしているうちに、焼きジャガイモが完成!露久保先生によると、炭焼きは茹でるのに比べて、ゆっくりと熱が伝わることで、酵素が働き甘みが増すとのこと。
所さんも「うまいよ!自然のもの食べた感じでいいわ〜」と大成功!
次回も、かがくの里収穫祭スペシャル!ついに、阿部さんが一生懸命育てた阿部米と、先生のお米を食べ比べ!その結果は!?
さらに!1年育てたニホンミツバチの巣の中を確認!次回の収穫祭もお楽しみに!