第1629回 2022.06.12 |
かがくの里 の科学 | 場所・建物 地上の動物 |
前回、建築家、隈研吾さんがかがくの里母屋プロジェクトのためかがくの里を視察。里の裏山の木々を所さんと見て回り、どんな母屋にするのか、この下見でイメージを固めていただきました。そして今回は、さらにもうひとりビッグなゲストが!?かがくの里特別編昆虫界の大御所と昆虫採集スペシャルです!
養老さん&隈さんと昆虫採集!
なんとかがくの里に、450万部を超える大ベストセラー“バカの壁”の著者にして現代日本の知の巨人、解剖学者の養老孟司さんが!
実は養老さん、ご自身の別荘に「養老昆虫館」と名付けるほどの昆虫好き!別荘には数万という昆虫の標本があり、その中でもゾウムシを中心に収集・研究している、日本を代表する「虫好き」なんです。
そんな養老さん、隈さんとは同じ鎌倉の中学・高校の先輩後輩の関係で、月に一回会うという大の仲良し!過去に共同で本を出版するなど、親密な関係だったんです。
ここからは、かがくの里の昆虫調査などを担当してくださっている斉藤先生とTokyo Bug Boysの平井さんと法師人さんにも合流。早速、養老さんチームと所さんチームに分かれて昆虫採集開始!両チーム、どんな昆虫がつかまえられるのでしょうか?
養老さんチームが取り出したのはビーティングネット!木の枝や葉に付く昆虫を捕獲するためのもので、木を叩き、落ちてきた虫をビーティングネットでうけます。
手慣れた様子で昆虫をとっていく養老さん。そして、自前の吸虫管で、コフキゾウムシをゲット!実は養老さん、見つけた昆虫は自分の手で標本にするほどの腕前。中でもこだわっているのがゾウムシで、自ら、新種を発見したこともあるそうです。かがくの里で見つけたコフキゾウムシも後ほど標本にするそうです!
一方、所さんチームは、隈研吾さんがタモをもつ、かつてない展開!すると!隈さん、準絶滅危惧種のガムシとコオイムシを立て続けに発見し、テクスチャーがキレイ!と興奮!さらに、斉藤先生がシマゲンゴロウとコシマゲンゴロウを発見!そんな中、養老さんチームは、ストイックに小さな昆虫を狙っていきます!見つけたのは、クチブトゾウムシの仲間。
すると、ここで阿部さんに動きが!見つけたのはミズカマキリ。さらに、シュレーゲルアオガエルも!斉藤先生によると、昔の田んぼは、ドジョウやオタマジャクシなどがたくさんいて水が濁っていたといいます。濁っていると、太陽が入らないため草が生えなくなる。つまり、濁っている状態が田んぼにはいいんです。
荒れ地を耕し、田んぼと畑を作り、昔ながらの農業を行うかがくの里。湧き水を引いたため池や水路、田んぼにはカエルはもちろん、ゲンゴロウやガムシなど今では数が減ってしまった生き物がたくさん見られるようになりました。
そして、養老さんチームも最後の追い込み!5mの網を使って、スウィーピング。枝や葉っぱに乗っている虫が網の中に落ちてくるんです。すると、見つけたのはバラルリツツハムシ。コナラやサクラの葉を食べて生活する昆虫です!さらに!見た目がキレイなアオアトキリゴミムシ。匂いを嗅いでみると、嫌~な匂いが。アオアトキリゴミムシは、捕食者を撃退するため、悪臭を放つという武器を持っているんです。
ここでタイムアップ!
今回の昆虫採集の結果、養老さんチームはゾウムシやカミキリムシの他にモンキアゲハやナナホシテントウなど計10種類。所さんチームはレッドデータブックに記載されている準絶滅危惧種のガムシやシマゲンゴロウ、コオイムシを含め全8種類と大健闘でした!
この後、法師人さんがどーしても紹介したい昆虫を大紹介!
まずは、シマゲンゴロウ。このシマゲンゴロウ、雄の前足にだけ吸盤がついており、前足に付いた吸盤をメスにくっつけ密着。そうすることで一度捕まえたメスを逃すこと無く交尾が出来るんです。
続いては、ケラ。ケラは、モグラのような前足で土を掘って、さらに水の上を泳ぐこともできる水陸両用の昆虫なんです。
中でも、養老先生が一番気になったものが、ミイデラゴミムシ。せわしなく動き回るミイデラゴミムシですが、実はケラと切っても切れない関係にあると言うんです。実は、ミイデラゴミムシの幼虫はケラの卵を食べて成長するため、ケラ無しでは生きていけない昆虫。ケラが減れば、ミイデラゴミムシもいなくなってしまうんです。そんなミイデラゴミムシ、捕食者から身を守るため、ある特殊な能力をもっているんだとか!それが!外敵に襲われそうになるとお尻から100℃にもなるガスを噴射!カエルに飲み込まれても、お腹の中で噴射すれば、カエルがたまらず吐き出してしまうそう。
さて、昆虫談義が盛り上がっていますが、今回はここまで!次回も、かがくの里特別編です!