新型コロナウイルス感染拡大の防止策を説明するため、最近よく聞く「クラスター」とはそもそも何なのか?
私たちが感染拡大予防で日常的に注意すべき3つのリスクを、日本テレビ「新型コロナ」担当・庭野めぐみ解説委員がお伝えします。
・「クラスター」って何?
・クラスターを作り出してしまう3つのリスク
1)閉鎖された空間
2)多くの人が密集
3)近い距離での飲食・会話
・クラスターの連鎖が起きるとどうなる?
・「クラスター」って何?
クラスターは英語で、「集団」「群れ」「(ブドウなどの)房」を意味する言葉です。
政府の専門家会議の資料には、クラスター(患者集団)と書いてあります。
そして、厚生労働省のHPでは、以下のように説明しています。
一部地域で小規模患者クラスターが発生しています。
「小規模患者クラスター」とは、感染経路が追えている数人から数十人規模の患者の集団のことをいいます。
つまり、患者(=感染者のうち、発症した、つまり症状が出た人)の「集団」のことで、
集団感染という「現象」のことではありません。
集団感染が起きた結果、クラスター(患者の集団)ができると理解するといいかもしれません。
「集団」だとしても、ある地域に集まっているとは限りません。
患者たちは、ある同じ場所で感染したとしても、その後、帰宅したり、出張したりします。
あちらこちらで見つかる患者を感染の場所が同じ「まとまり」「集団」だとして、「クラスター」と呼んでいます。
・クラスターを作り出してしまう3つのリスク
クラスターを作り出してしまうのは、どのような環境なのか?
3つのリスクを紹介します。
1)閉鎖された空間
2)多くの人が密集
3)近い距離での飲食・会話
すれ違い、数分間一緒にいる程度では心配する必要はないと思いますが、こうした3つの条件がそろい、一定の時間を過ごすとリスクはより高まっていきます。
クラスターが発生する実例としては、ライブハウス、屋形船、スポーツジム、展示商談会、懇親会などが挙げられます。
・クラスターの連鎖が起きるとどうなる?
クラスターの連鎖が起きると、必然的に感染がどんどん広がっていきます。
では、なぜ一気に感染が広がってはいけないのか?
それは、入院すれば助かる人も順番を待つうちに命を落とす、という例が増える恐れがあるからです。
多くの人は軽い症状で済むにしても、感染者の2割ほどは重症になり、数週間の入院が必要になり、一気に患者が運ばれると病院のベッドが足りなくなります。
なので、政府と専門家会議は、クラスターを作らないため、風通しの悪い場所で人が集まるイベントや、飲み会や立食パーティーなどには行かないで欲しい、と呼びかけています。
※政府は3月10日に、イベント等自粛要請を3月20日まで延長
専門家会議は、室内で集まる場合は、窓をあけ換気をよくする、人と人の距離を1~2メートル程度あける。
近距離での会話や一斉に声を出す場を避け、近距離での会話が必要な場合は飛沫をとばさないようマスク着用を、と呼びかけています。
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