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インフルエンザ「検査しないで」と日本医師会が異例の通知 なぜ?インフルエンザの症状が出たらどうする?【専門家解説】

医療機関での新型コロナウイルスの感染を防止するため、日本医師会はインフルエンザなどの感染症の検査を行わないよう全国の医師に求めました

いったいなぜ、感染症の検査を行わない方針なのでしょうか。

もしインフルエンザのような症状が出た場合はどうすればいいでしょうか。

新型コロナ インフルエンザの症状がでたらどうする?

感染症・呼吸器疾患の専門家である、日比谷クリニック 副院長の加藤哲朗(かとう・てつろう)医師へ、その疑問をぶつけました。

 

■今年、インフルエンザは例年より激減?

まず、今年のインフルエンザの状況はどうなっているのでしょうか。

例年この時期に患者数が増えるインフルエンザ。しかし、今年は例年より少なくなっています。

これは去年と今年の1医療機関あたりのインフルエンザ患者数の平均を比較したグラフです。青が去年、赤が今年を示しています。今年は去年よりも大幅に少ないことがわかります。

新型コロナ インフルエンザの症状がでたらどうする?

 

【専門家の見解】

ーーインフルエンザの患者数が少ない要因はどんなところだとお考えですか。

加藤医師:実際に数字で見ると、例年より非常に少ないと報告されていますね。

以前から言われているようにインフルエンザの感染対策も、手洗いやうがい、マスクの着用などであるため、結果的には今回の新型コロナウイルスの対策とも同じ部分も多いのは事実です。

この件については様々なデータや意見があり一つの理由ではないとは思います。

今シーズンはインフルエンザの流行開始が早かったこと、例年より暖冬であることなどもあると思われますし、

2月以降の伸び率の鈍さについては、新型コロナウイルスの対策が結果的にインフルエンザの拡大抑制にも一部効果があったということは言えるかもしれないですね。

 

■インフル検査で医師が新型コロナに感染 なぜ?

ただ、こんな事例も報告されました。

日本医師会によると、北海道でインフルエンザ検査を受けた患者が後に新型コロナウイルスに感染していたことがわかり、診察をした医師も感染が確認された事例がありました。

これには、検査の際に医師らが新型コロナウイルスに感染したことも可能性としてあげられています。

新型コロナ インフルエンザの症状がでたらどうする?

日本医師会は11日、全国の医師に対し、インフルエンザや子どものRSウイルスなどクリニックでも実施している感染症の迅速検査について、

ガウンやフェイスシールドといった感染を防護する器具がない場合は、検査を行わず症状をみたうえで、診断し薬を処方するよう求めました。

なお、ガウンやフェイスシールドなどの感染を防ぐ器具がある場合、鼻などから検体を採取する検査を行います。

これは「基本的に誰もが新型コロナウイルスを保有している可能性があることを考慮」した予防策だと日本医師会はしています。

新型コロナ インフルエンザの症状がでたらどうする?

 

【専門家の見解】

ーー「誰もが新型コロナウイルスを保有している可能性」とはどういうことなのでしょうか?

加藤医師:国内での感染の事例を確認すると、無症状の方からでもそこから広がった事例も考えられます。「可能性」という表現ではありますが、症状がなくても新型コロナウイルスを有している可能性を考えざるを得ないということだと思います。

 

ーーその部分から準備をしておかないと今回のように、見てあげたお医者さんが感染してしまう可能性があるということで、それを防ぎたいという狙いがあるんでしょうか。

加藤医師:インフルエンザの検査で鼻などから検体を採取するやり方は、くしゃみなどを誘発しやすく、患者が新型コロナウイルス感染者である場合は検体採取によって非常に細い飛沫(エアロゾル)となってウイルスが広がる可能性もあるので、一般的な感染対策では予防できない可能性もあります。

また、万が一医療従事者が罹患してしまった場合はそこの医師が休まざるを得なかったり、もしくは医療機関を一時的に閉鎖せざるを得なかったりすることもあります。医療機関の少ない地域では、医療機関の閉鎖が一時的なものであっても、地域医療への影響が大いに懸念されますので、「迅速検査をしない」という日本医師会の判断はやむを得ない措置ではないでしょうか。

 

■「インフルかな?」と思ったらどうすれば?

ーーインフルエンザのような症状が出た方は、どうすればいいのでしょうか。

事前にインフルエンザか新型コロナウイルスかという判断は難しいので、まずは医療機関にご相談を頂いて指示を仰ぐというのが最も良い方法だと思います。

※3月12日放送 news every.より
 

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